浮世の画家

著者 : 飛田茂雄 カズオ・イシグロ Kazuo Ishiguro

• 中央公論新社 (1988年2月1日発売)

感想・レビュー・書評

[すいさんの感想 · 2017年3月15日]

カズオ・イシグロ、上手過ぎて怖い。もうほんと怖い！
戦後の日本、戦時中に国威掲揚の絵を描いていた老画家が主人公。
物事の明かされなさが絶妙だった。
主人公が正当化、美化している自分と、周囲の反応とのズレが物語の世界を揺らす。
その揺れから船酔いのような気分で読み終えた。
是非再読したい作品。