スティル・ライフ

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 160
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120016523

感想・レビュー・書評

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  • 私はものすごく偏った読書をします。

    好きになった作家さんの本を全部網羅する勢いで読み、
    ほかの人には見向きもしませんでした。
    しかも、同じ本を繰り返し繰り返し読むので、
    なかなか読書の幅が広がりません。

    そんなんじゃつまらないなぁと最近になって思うようになりました。
    それで、今まで手に取らなかった人の本も読んでみるようになりました。

    池澤夏樹さん。もちろん名前は聞いたことがあったけれど、まだ未知の世界。

    10ページほど読んだところで、もう大好きになりました。

    登場人物たちはみな、
    一つのことにゆっくりと思いをめぐらせる時間を持っていて、
    そのことがとてもうらやましくなりました。

    日々の生活ってそんなにドラマチックな激しさはなくて、もっと淡々と進んでいくものなのに、なんだかこのごろの映画やドラマや小説は、そうじゃない気がする。
    胸を切り裂くような事件や、立ち直れなくなるような悩みに翻弄されてばかり。

    でも、日々の生活の事件や悩みは、冬の乾燥した日にうっかり紙で手を切ってしまうような
    誰にも分からないけれど、本人だけがちくちくと痛む、そんなものなんじゃないかな。

    何が言いたいのか若干分からなくなってきたけれど、池澤さんの作品に出てくる人物は、
    自分の価値観というガラス越しに世界を淡々と見つめている、そんな印象でした。
    友人の犯罪も、自分の離婚も、娘の将来も。

    もう一つ収録されている、「ヤー・チャイカ」もよかったです。
    寝る前に読んでいたら、濃霧に覆われた夢を見ました(笑)

  • 終盤急に現実的な雰囲気になってしまい残念。
    これも小説を読むきっかけになった本。

  • 芥川賞 初版

  • 故郷を離れるとき、意図して実家に置いてきた1冊。
    帰省するたび、抜けるような青空の日に、または台風の嵐の中で、時には夜中の小さな灯りの下、郷里とはかけ離れたイメージに没頭する。
    後に作家の池澤氏が故郷に移り住んだと知った時には、目玉が飛び出るかと言うくらい驚いた。

    一生、読み続けるだろうし読み続けたい。

  • 芥川賞ってなんで面白くないんだろ?書評を見てこれは例外かと思たらやっぱり面白くない.こんな話書いてて楽しいのかなあ?何か書く意味があるのかなあ?

  • 『ノルウェイの森』の後に読んだせいか淡々とした世界観、流れに逆らわない日常を送る主人公が少し似てた。

  • 2008/3/8〜3/9
    しっとりと透明感のある静かな本でした。星を見上げるとふと思い出してしまう本になりそう。主人公と佐々井のような生き方はできない人種なので羨ましくも思ったり。
    『この世界がきみのために存在すると思ってはいけない。世界はきみを入れる容器ではない。』 冒頭より

  • 聴き慣れた音楽のような言葉の連鎖。
    スッと入ってきて、体の中でほどけていくみたいな感覚がありました。
    不思議な読書体験。ずっと大事にする一冊だと思います。

  • 退屈するってことは新しい何かを見つける為には必要かもなって思った。

  • 「ヤー・チャイカ」のディッピーがすごく素敵。それの象徴する意味とか全然わかんないけど考えても仕方ないのかも。特に細かく描写している訳じゃないのに、光景がありありと目に浮かぶのに驚く。

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著者プロフィール

1945年生まれ。作家・詩人。88年『スティル・ライフ』で芥川賞、93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、2010年「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」で毎日出版文化賞、11年朝日賞、ほか多数受賞。他の著書に『カデナ』『砂浜に坐り込んだ船』『キトラ・ボックス』など。

「2020年 『【一括購入特典つき】池澤夏樹=個人編集 日本文学全集【全30巻】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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