TUGUMI(つぐみ)

著者 :
  • 中央公論新社
3.82
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本棚登録 : 1404
レビュー : 151
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120017759

作品紹介・あらすじ

二度とかえらない少女たちの輝かしい季節。光みちた夏の恋の物語。

感想・レビュー・書評

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  • R2.3.30 読了。

     引き込まれるように読破してしまった。もう少し、つぐみを見ていたかった。

    ・「つぐみは生まれた時から体がむちゃくちゃ弱くて、あちこちの機能がこわれていた。…(中略)つぐみは意地悪で粗野で口が悪く、わがままで甘ったれでずる賢い。人のいちばんいやがることを絶妙なタイミングと的確な描写でずけずけ言う時の勝ち誇った様は、まるで悪魔のようだった。」
    ・「毎日なんてずっと、なんていうことはなかった。この小さな漁村で、寝て、起きて、ごはんを食べて暮らした。調子が良かったり悪かったり、TVを見たり、恋をしたり、学校で授業を受けたりして、必ずこの家に帰ってきた。そのくりかえしの平凡をぼんやりと思い返してみるとき、いつのまにかそこに、ほんのりあたたかく、さらさらした清い砂みたいな何かが残る。」

    • トミーさん
      また吉本バナナを読んでみたい。
      キッチン、ツグミ以来読んでない。
      才能ある人だわ。
      また吉本バナナを読んでみたい。
      キッチン、ツグミ以来読んでない。
      才能ある人だわ。
      2020/04/01
  • 「この夏は楽しくて、一瞬だったような、すごく長かったような、不思議な気がする」
    そんな夏がかつてあった。強烈に心に刻まれる、忘れられない夏が。

    学校へ行ったり就職したり、結婚したり子供を産んだり。
    人は変化の激しい社会の只中で、前へ前へと進んでいく。
    それでもふと立ち止まり、秘かに心の奥の引き出しに留めておいたものをそっと取り出しては眺めたい時もある。
    人には言わないけれど独り微笑む、そんな一瞬が。

    ひと夏の恋はやはり切ない。
    けれど、渇いた心を潤すエッセンスは大人になればなるほど必要。

    何十年ぶりに再読。
    読んでいると、ユーミンの「Hello, my friend」が何度も脳内で繰り返される。
    あー、今年の夏ももう終わっちゃう。

  • 「キッチン」に続いて読んだけど感覚的にはこちらが好きかなぁ。若い頃にこんなホットな一頁を持つ人は幸いだよね♪ 語り部役のマリアをはじめ従姉妹の つぐみと陽子もなんて印象的な連中だろう。とりわけ つぐみの言動は魅力的過ぎる!吉本ばなな と言えば この2作に代表されるけど、今読んでも鮮度十分な刺激的な面白さです(^^)

  • 昔から、そして今でも、大好きな本についてはうまく書けない。

    引越しのときに見つけた読書感想ノートに、3年生の私は
    「まりあのように過ごしたい。つぐみのように生きたい。」
    とだけ書いていた。

    先生からのコメント欄には、「それは例えばどんな過ごし方かな?具体的に書いてみよう」とも「どういうシーンが心に残ったか教えて欲しいな」とも書かれていなかった。
    ただ、「まっとうするということ。」とあった。

    15年経っても、ちゃんとした読書感想文はまだ書けそうにもないけれど、何度読み返してもやっぱりそのたびに、まりあのように過ごしてつぐみのように生きて、まっとうしたいと思う。変わらない自分に苦笑しながらも。

  • まりあのいとこ、つぐみは体が弱くてわがまま。つぐみの家族は彼女をいたわるあまり、彼女の乱暴な言動にも寛容。まりあもつぐみを大切に想っている。みんな、つぐみのやさしさを知っている。
    東京の大学に進学したまりあは夏休みのあいだ、つぐみのいる海辺の町に帰ってきた。
    彼女たちの夏。つぐみの恋。想像を超えた行動力。

    ---------------------------------------------

    最初からまりあがつぐみの思い出を語る感じで始まったから、これはつぐみが亡くなっちゃうラストなのかなと思いながら読んだ。死ななくて本当によかった。
    病弱なのをいいことに暴言吐きまくりのつぐみが、時折見せるやさしさはあまりにも価値のあるものに思えたし、死を意識した彼女の人生観はとても卓越していて、神秘的な存在に感じた。

    恋人である恭一の愛犬、権五郎の仇を打つためにとんでもない深さの落とし穴を掘り、くだらないガキを殺そうとするつぐみの力強さは異常だった。その後、生死を彷徨ってしまう彼女は儚すぎて、なんていうかとても魅力的だった。こういうふうに自分の良い感情にもわるい感情にも正直に行動できたら、たとえ人生が短かったとしてもそれは素晴らしい人生なんじゃないかと思う。

    父親の外向きの顔を見て、人生は演技だと思えるまりあの素敵だった。感受性が強いからつぐみの暴言の裏側の感情も読み取れたのかな。いいなあ、そういう関係。

    死を受け入れたつぐみからの手紙で締めくくる終わり方がすごくよかった。死を超えたつぐみはやさしくなっていくような感じがした。
    旅館を畳んだりして変わることもあるけれど、毎日の生活はこれからも続いてく。明日からも自分の人生を生きていく、ということはポジティブなことなんだな。
    死を想わなければ、生活が続くことの大切さには気づけない。

  • 久々に読んだ。初めて読んだ高校生の頃と変わらない輝きがある。

    海辺の町を舞台にして、夏に必要なものがすべてそろった最高の一冊だった。

    作者の文章が淡くキラキラしてて本当にこの物語にマッチしている気がする。
    妙に淡々としている展開も好ましい。

    これは自分の中でも特別な本。

  • 面白かった。女子大学生が、育った地へ帰省して従姉妹と過ごす夏のお話。犬は死んでしまったけれど、特に何かが起きるわけではない。けど、何も起きない日常に、なんか涙が出そうになる。とても美しい小説です。

  • 誰しもが心に持っているだろう一夏のふわっとしたセンチメンタルな風景画。
    美しくも儚く、粗暴なツグミという矛盾。
    そして
    そっと主人公の心に刻み込まれるキラキラとした夏の情景。

    これを吉本ばなな特有のシャッターを通して見る。

    雪国とはまた違う、美しいと表現するのもまた違う、儚く淡くノスタルジックな小説であった。

    同じ景色をこう表現するのか。
    表現がみずみずしい。少し過度にも感じたが。
    言葉の表現の幅について今一度考えた。

    小説の終焉部の
    夜の海に立っていた恭一がどれほどつぐみを好きかということも、陽子ちゃんの涙の重さも、それは伝えられない大切な心の宝なのだから。
    そうやって、私の、夏は、終わりを告げた。

    に全部もってかれた。
    鳥肌が立つ。
    句読点の打ち方にじんわりとそっとしまう心の扉の音がきこえてくるようだ。

  • つぐみみたいな人、好きだな。
    ただ、近くで友だちにというよりも、遠くでみていたい。

  • 2度とかえられない
    少女たちの輝かしい季節

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著者プロフィール

一九六四年東京都生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。八七年「キッチン」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。八九年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で山本周五郎賞、九五年『アムリタ』で紫式部文学賞、二〇〇〇年『不倫と南米』でドゥマゴ文学賞を受賞。著作は三十カ国以上で翻訳出版されており、海外での受賞も多数。noteにてメルマガ『どくだみちゃん と ふしばな』を配信中。

「2020年 『嵐の前の静けさ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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