大蔵省統制の政治経済学 (中公叢書)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120023262

感想・レビュー・書評

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  • 1970年代における日本の財政赤字拡大を、財政担当部門が同時に金融担当部門であったという制度配置に求めた議論。理論的な部分は難解だったが、歴史叙述についての部分は政治学の門外漢にも分かりやすく、面白い。

  • 新制度論に基づいて、1970年代になぜ日本の財政危機が深刻化したのかを分析し、大蔵省のもと財政と金融が一体となった制度配置(=金融の財政に対する従属)が要因だったと結論づけている。
    緻密に論を固めていく叙述で、明晰な文章。ただ、日銀を中心とした金融制度の戦後史や財政の政治化についての叙述はやや冗長に感じられた。その割に本書の結論であると強調されている、財政と金融の制度配置の叙述はやけにあっさりしている印象をもった。結局、自分としては、財政の政治化が財政悪化の主因で、金融が財政に従属していた制度配置がそれを助長したというように理解した。
    本書で取り上げられたエピソードの中で、通産省統制が成立しなかったという制度配置が日本の高度経済成長の要因の一つであったという話と主税局と主計局の行動様式の違いの話が興味深かった。

  • 比較政治経済学10後期久米郁夫参考文献

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著者プロフィール

京都大学大学院法学研究科教授

「2011年 『政治学 補訂版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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