スタバトマーテル

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120025921

感想・レビュー・書評

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  • 今泉探偵シリーズの合間に一息。でも、同じ近藤さんの作品が読みたくて借りてきた。
    声楽を挫折した主人公と銅版画家の恋。銅版画家を好きになってしまったがために、様々な嫌がらせをされる主人公。でも、なんとなく主人公の性格がぶっ飛んでいる為、同情もできず…。強がっている女性に限って、壁にぶち当たった時、本当全く機能しなくなるよね。本当は弱い人間なんだろうな。
    それにしても、この話の「母の子を想う気持ち」が恐い。母が強い、強すぎる。

  • 聖歌の一つであるスタバトマーテル。恋愛話なんだがドロドロし過ぎている。最後のどんでん返しはどこにでもありそうな話。

  • 昼ドラっぽい。
    ドロドロしてておぞましくて。
    映像化した方がおもしろいかもね。

  • 息子に角膜をあげる画家の母がエキセントリック過ぎて、すっかり騙されたー。
    松濤の屋敷付き新鋭版画家と気のおけない音大講師の間で揺れてる主人公はイイけど、おとなしい教授の娘とお手軽な幸せに押し込まれた元カレは振り回され損か?
    才能豊かだけど致命傷アリ、の素敵な設定な主人公、せっかく執拗でエグい迫害を受けるのにトコトン普通。
    森雅裕の鮎村尋深、とまでは言わないが、もちっと華か毒かがないものかね。
    気になったのが加藤俊章の装画。クリムトでしょ、コレ。「エレミーフレーゲ」の枠に「接吻」のパーツ貼った、みたいな。

  • 芸大が舞台。すこし感情移入しきれない部分も。

  • ミステリーというよりホラー小説だな、これ。
    聖母マリアの歌がタイトルとなってるだけあって、母という存在がこの作品の核心で、ドンデン返し(うーん、とってつけたような返し方ではあったけど)もそこを突っ込んでくる。

    アクもあたりもキツそうな女性、露出度高いファアション、神の声、個性豊かな友達たち、結構奔放めな恋、主人公ってなんだか強いイメージを持たせといて、実はちょっとグラつき系…、女性目線の小説のふりして、実はこの小説のターゲット男とみた。その割にはちょい醒めてる俺やけど。

    スタバトマーテルは聴いてみたいな、と思った。

  • 自分の身においては、とても鬱陶しく、ご遠慮申し上げたい歪んだ愛情。(りり子と西の関係も、滝本の家族関係も。)

    普通の人。というと語弊があるけれど、会社勤めのOLとリーマンでこんな話だったら、ドン引きもしくは一昔前のトレンディードラマか。と、ツッコミをいれさせていただきたく。

    芸大という奇人変人が多いであろう場所であれば、設定の妙というか、「あぁ、やっぱり。」めいた納得もでき。母は強し。といえども、母は怖し。とも。女はしぶとく、ずぶとい。という感想がw

  • 『エディプスの恋人』を思い出した。

    かなり昔の作品なので、今の近藤史恵なら、もう1回2回どんでん返しがあったかも?と思う。読んでて気付いちゃったからね。

  • かつて声楽を志望し、今は大学音楽科の副手をしている、歌を歌えなくなった足立りり子。音楽科講師の西とは、元恋人同士の微妙な関係。声楽の道を諦めながら足踏みを続ける毎日のなかで、彼女は、野生を思わせる不器用で無骨な版画作家・瀧本大地と出逢い、恋に落ちる。だが、幸福な想いも束の間、彼女を不可解で不気味な出来事が次々と襲う──。

    強くて強引で、でも踏ん張って立ち尽くす内側は酷く脆い。内外面ともに自分の弱いところ、醜いところを知りながら、それでも毅然とあること、美しく装うこと、噛みつくことを選ぶ彼女の自滅と紙一重の綺麗は、好ましくないものと知りながら究極的にはいつも惹かれてしまう非情さであり情の深さなのかもしれない。
    大地より西先生の方が好きでした。優しいふりして自分勝手で情けなくてかっこつけで。

  • いやー、やっぱり近藤史恵は読みやすい。読みなれてる作家はいいなぁ。今こそ、読書という趣味をもっていることに感謝する。テレビなしでも過ごせるから。短めなのですぐ読み終わった。この作家はこれぐらいの厚さの本が多い気がする。思ったより読んだ人の数が少ない。少し前の本だからか。自分の子どもにかける想い。分からないでもないけど。こういう激しい恋愛がしたい。でもりり子がされたみたいなひどいことされたら、すぐ逃げちゃうだろうな。大地は自主的に催眠状態に入っていたのか。母はほんとにりり子を受け入れようとしてたのか。ちょっと理解に苦しむ。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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