菊と葵のものがたり

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120028397

感想・レビュー・書評

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  • 徳川慶喜の孫で高松宮妃喜久子氏の著書。対談集、エッセイをまとめたもの。1998(平成10年)に大河ドラマで「徳川慶喜」が放送され、冒頭は文芸春秋誌(平成10年8月号)での対談で、NHKから収録の見学に招待され見に行った事を話している。「モックンは美男子」などという言葉も。この様子がニュースとして放送され方々から電話がかかってきたという。この時喜久子氏は87歳。

    1987年2月に夫であり昭和天皇の弟・高松宮が亡くなり、その日記を出版するのに、補助者として阿川弘之氏に頼んだ経緯で阿川氏との対談も載っている。海軍軍人であった高松宮の日記には戦局への言及もあり宮内庁からは「火の中へ」と言われたが、日記には「戦争の苦しみが書いてある、それを若い人々にも知ってもらいたい」との思いで出版を決意したとある。

    皇室に入ったことから、他の弟妹たちとはまた別格の人生が垣間見られる。

    1998年の大河ドラマ「徳川慶喜」の放送は慶喜の子孫にスポットがあたったようだ。

    ○慶喜家で生まれた方の本(慶喜家2代当主慶久の子孫)
    ・1996.11「徳川慶喜家の子ども部屋」(孫)榊原喜佐子著(1921.10.29-2013.11.26) 草思社 
    ・1997.10「徳川慶喜家にようこそ」(ひ孫・孫慶光の子)徳川慶朝著(1950.2.1-2017.9.25) 文芸春秋社 
    ・1998.11「菊と葵のものがたり」(孫)高松宮喜久子著(1911.11.26-2004.12.18) 中央公論社
    ・2018.6「徳川おてんば姫」(孫)井出久美子著(1922.9.23-2018.7.1) 東京キララ社

    ・2020.12「みみずのたわごと」(孫慶光の妻)徳川和子著(1917.7.31-2003.5.29) 東京キララ社

    ※外孫
    「私はロビンソンクルーソー」(父が慶喜の5男・仲博で池田家に養子に)徳川幹子著(1902.12.8-1996.9.16)茨城県婦人会館1984刊
    「大名華族」(母が慶喜の4女・筆子で蜂須賀家に嫁ぐ)蜂須賀年子著(1896.12-1970.12.29)三笠書房1957刊


    1998.11.25初版 図書館

  • 昭和天皇の弟の高松宮殿下に18歳で嫁いだ喜久子妃の自伝的エッセイ。皇室の人たちがどんな生活を送っているかが垣間見えて興味深かった。
    喜久子妃殿下は徳川慶喜の孫で、家系の半分は皇室なので産まれた時から皇室入りの運命が決まっていたようなものだ。
    戦争時代は庶民並みに苦労したそうだが、新婚旅行を兼ねた欧州の王室訪問は雅やかな様子だった。慶喜の血を引くだけあって、ご聡明なのが文章から分かる。
    意外にも、皇室外の人たちとの交流も結構あるようだ。色々な名誉会長のような立場を受けなければならず、お忙しそうだ。
    全く無縁の皇室の世界と、そこにいる方々の暮らしぶりや考えていることが分かる本。読んで良かった。

  • 喜久奴に、一度拝謁の機会を賜りたかった。

  • あの時代のこういう立場だった人々がどんな感じだったのかというのを垣間見るという意味で面白かった。

  • 徳川最後の将軍・慶喜の孫娘であり、高松宮宣仁親王殿下に嫁いだ
    喜久子妃殿下。晩年は白塗りのお化粧でド迫力だったのだけれど、
    着物にしろ、洋装にしろ、上質なお召し物が素敵だったんだよね。

    本書は雑誌に発表されたインタビューや対談、鼎談、未発表のエッセ
    イなどをまとめた作品。

    特に宮内庁の反対を押し切って『高松宮日記』を出版するに至った
    経緯をお話になられている阿川弘之との対談と、秩父宮妃勢津子さま・
    三笠宮妃百合子さまとの鼎談は歴史的証言でもある。

    2歳の頃から玉津の宮殿下に嫁ぐと決まっており、姫様として育てられ
    たのにお話になる言葉の端々に「べらんめえ口調」が飛び出して来る
    のも、かわいいおばあちゃまという感じなんだ。

    私は未だ入手していないのだけれど『高松宮日記』の歴史的価値に
    気づき、物議を醸す内容さえいとわずに出版のご決断をされた喜久子
    さまに感謝しなきゃ。

    妃殿下3人の鼎談ではお姑さまに当たるて貞明皇后の思い出や、先の
    大戦中の空襲のお話が出て来る。

    皇族と言えども空襲は避けられなかったんだよね。貞明皇后の大宮
    御所も、秩父宮邸も三笠宮邸も被害を受けている。戦後の物のない
    時代に喜久子さまはお屋敷のお庭で家庭菜園もしてらっしゃった。

    戦前に18歳でお輿入れし、昭和天皇のご名代としてヨーロッパ周遊に
    出掛けられたご様子を描いたエッセイも生き生きとした表現で楽しい。

    特にイギリス王室、革命前のスペイン王室との交流が優雅で「これぞ
    世界の王室」なんだなと感じた。だから、日本が英米に対して戦端を
    切った時にはお心を痛められたのではないのだろうか。

    勿論、高松宮殿下との思い出もいっぱい。気さくで温かい殿下のお人柄
    が行間から感じ取れる。そして、喜久子さまが宮様を大切にされていた
    ことも。

    徳川の母上が40代で癌で亡くなったことから「高松宮妃癌研究金」を
    設立し、癌撲滅に尽力されたが高松宮殿下を肺癌で失い、ご自身も
    乳癌を患われた。

    今上陛下の唯一の内親王であった紀宮様のご結婚を心待ちにされ、
    ご婚約を大変お喜びだったが、その婚約発表をご覧になることなく
    薨去されたのは残念だ。

    今は皇族の数自体が少なくなり、雑誌などに対談やエッセイが載ること
    もなくなってしまったのは寂しいな。

    尚、喜久子さまは一般道で車を運転中、スピード違反で白バイに追い
    かけられたとのエピソードの持ち主である。免許書で妃殿下と分かって
    その場で解放されたようだが、後々、宮内庁から注意をされている。
    おちゃめさん。

  • 昔に友達がすすめてくれたこともあり、気になっていた。
    高松宮宣仁親王妃喜久子さんの回想録のような本。
    徳川慶喜の孫であり、昭和天皇の弟に嫁ぎ、いわるゆ激動の時代を生き抜いてきた
    皇室の伝統ある姫君。
    歴史と現代が交差するようで、違和感をかかえてしまったけれど、数々のエピソー
    ドはおもしろかった。
    本人が筆者なので多少客観性に欠けるところもあるけれど、他の皇室関係の本を
    ベースに読み進めるとわかりやすい。

  • 001

  • 喜久子妃殿下が好きになります。

  • 高松宮妃喜久子さんの本。エピソードとかが多く入っていて、高松宮とかの性格を知るにはいいかもしれないです。

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