折口信夫伝―その思想と学問

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120030239

作品紹介・あらすじ

人間を深く愛する神ありてもしもの言はゞ、われの如けむ。戦後日本のあるべき姿に沈痛な思いをよせた折口。その学説を継ぐ著者が、緻密な知的追求と激情を秘めた詩的で求道的な思索とが交錯する師の内面をみつめ直し語り尽した力作伝記。

感想・レビュー・書評

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  • 『折口信夫伝―その思想と学問』岡野弘彦著(中央公論新社 2000.9)
    あまり個人の評伝を読むことはなかったのだが、例外的に読んだ。
    折口の私生活については、彼の養子になった人がいて、その関係とは、折口は父でもあり、母でもありということなのだろう。
    養子の戦死ということもあったが、折口ほど先の大戦の敗戦を重く受けとめた人もなかったという話。日本の敗戦を日本の神の死にも等しいものとして、その現実に直面しなければならなかったということらしい。
    折口は、戦争中、軍部にも物申す人であり、戦死者が翌日には靖国神社の神となるのはおかしい、49日の法要そのほか、神となるにはそれなりの手順がいる。日本人の信仰を破壊しようという行為にはたいへん厳しい人だったのだろう。

    日本の近代史で最も大きな出来事というか、大きな変化に2つがあり、昭和20年と明治元年の2つの出来事である。
    後者について、今年(2018)はちょうど戊辰戦争から150周年にあたるが、徳川の世の瓦解に直面し、それを最も重く深く受けとめた人とは、いったい誰なのだろう、と思った。なかなか答えが出てこない。
    出てこないことが問題なのかもしれない。

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著者プロフィール

1924年、三重県生れ。歌人。日本芸術院会員、文化功労者、國學院大學名誉教授。
國學院大學国文科卒業。昭和22年から28年9月の逝去まで、折口信夫と生活を共にして世話をする。
『折口信夫全集』『折口信夫全集ノート編』の編集に参加。
折口信夫論として『折口信夫の晩年』『折口信夫の記』『折口信夫伝』がある。

「2019年 『精選 折口信夫 第Ⅴ巻 随想ほか・迢空詩編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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