経験を盗め

  • 273人登録
  • 3.46評価
    • (16)
    • (29)
    • (76)
    • (4)
    • (0)
  • 32レビュー
著者 : 糸井重里
  • 中央公論新社 (2002年8月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120033018

作品紹介

わかる哲学、おもしろい知恵。その道の人が36人。出し惜しみは禁止の、うれしいおしゃべり。

経験を盗めの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • この本はいろんな分野の専門家から糸井重里さんが面白い話を引き出す、つまり、経験の中から得た「お宝」のような「知識や気付き」を盗んじゃう、という本です。読んでて感じるのは、やっぱり、糸井重里さんって、人から面白い話を引き出すことにかけては、天才的だよな、ということです。あの矢沢の永ちゃんの『成り上がり』も、話を聞いたのが、糸井さんでなかったら、あれほど、注目される本にならなかったのでは?なんて思えたりします。この本のタイトルから勝手に連想しちゃうと、糸井さんって、『おしゃれ泥棒』ならぬ『オモロ泥棒』なんですよね。それも超天才的な。その面白がる才能って、周りを幸せにするし、本人も楽しいだろうなぁと、思ったりもしますね。
    以下、この本に書いてあったオモロな話。

    <声の話>
    ・声のモノマネの基本は、顔を真似ること。口の形が同じだったら、同じ声が出る。つまり、同じような顔の人は、同じような声になりやすい。
    <風邪の話>
    ・インフルエンザは毎年、型をすこしずつ変えてくる。車みたいに毎年モデルチェンジする。すると車が売れるように、インフルエンザウィルスも少し変えた型で流行を起こす。
    ・モデルチェンジを10年15年と繰り返すと、少々のモデルチェンジでは売れなくなるので、時々、全然違った新しい型のウイルスが登場する。すると、免疫がないから、大流行する。1975年のアジア風邪では、世界中で半数近くの人が罹った。
    ・風邪は寒さが原因だと誤解されがちだが、寒さはウイルスによる感染のきっかけをつくるにすぎない。北極に近いスピッツベルゲンという島があって、冬は海が凍って交通がとだえる。そこの住人は風邪をひかない。ところが、春に氷がとけて大陸から船が着いたとたん、風邪が大流行する。船の乗員によってウイルスが運ばれてくるからだ。
    ・インフルエンザウイルスは湿気に弱い。室温20度くらいで湿度が50%以上あれば、早く死ぬ。
    <食べ物の話>
    ・東南アジアやインドなどの人たちが、食べ物を手で直接食べるという行為は、いわゆる愛撫でもある。指でつかんで、うまいか、まずいかわかる。肌触りをまず楽しむ。つまり前戯のようなもの。
    ・夜中に突然「何食いたい?」という話になると、たいてい、話に出てくるのは、ビネガー系(酸っぱい系)の食べ物が多い。例えば酢が入っている冷やし中華とか、タレに酢を入れた餃子とか。何かに過剰に酢を入れた時の喜びは甘美。ツンと来る感じが食べる側に挑戦してくるみたい。
    <眠りの話>
    ・植物だとか単細胞のバクテリアには睡眠はない。虫もあるかないかのようなレベル。睡眠は限られた高等な生き物が持っている新しい生存技術戦略ととらえられる。
    ・夢を見ているとき、運動系のスイッチは切れている。空を飛ぶ夢を見ているとき、脳は羽ばたいている実感を持っているけど、実際に手足は動かない。ところが、高齢になったり、脳になんらかの不都合がると、夢を見たときに、運動の司令が手足の筋肉と繋がるような障害がでてくることがある。
    <墓の話>
    ・夏目漱石の「こころ」において、先生はなぜ、Kのお骨を故郷に返さないで、自分でお金を出して墓を立てたのか?その視点で読むと「こころ」はお墓をめぐる推理小説である。
    ・はじめての町に行ったとき、町の全体像をとらえるために、必ず行く場所は「墓地」と「刑務所」←(佐々木幹郎氏談)
    <水と音の話>
    ・アトランタ五輪で田村亮子が破れた北朝鮮の選手はその試合に置いて、柔道着を右前に着ていた。
    ・利根川水系の水には甘みのイメージがあるが、埼玉の関宿までの水なら白砂糖、関宿から江戸川となり金町浄水場に来た水は、黒砂糖という感じ←(長く水道局で水質検査に携わった”利き水師”前田氏の言葉)
    <体力の話>
    ・右手がすごく疲れているとき、左手を疲れさせると右手の疲れが早くとれる。そして精神的な疲労があるとき、肉体的な疲労を少し起こしてやると、精神的な疲労は緩和される。
    ・毛細血管が体の隅々まで酸素を送って、疲れたときにたまる疲労物質を分解してくれる。ところが、スポーツをやっていない人は、毛細血管がどんどん短くなっていく。それで疲れやすくなる。
    ・人間の毛細血管の長さを合計すると9万キロ、地球を2周半するくらい。

  • 糸井さんの対談エッセイ
    二人じゃなくて三人ってのがおもしろい!
    水の話、ゲイの話、記憶力の話、独身の話、どうやって話す人選んでるのかな、気になるな

  • 糸井さんと、色んな人の対談集。
    全部は読んでないけど、おもしろい!ゲイの人のところで、ほぼ日でお馴染みのジョージさんがでてきて、そんなに前からのお付き合いなの!と。
    睡眠、お洒落の話と、記憶力のところが印象に残ったなぁ。あとは、旅の話も。
    興味の赴くままに。糸井さんはよい歳の取り方をしているよね、と思う。なんていうか、頭の柔らかいひと。

  • 色んな人に聞くその人たちのしてきたこと。
    それ自体というよりも哲学・美学とか信念の類。

    ひとつのことを考えてきた人たちの話も、それを純粋に楽しんで訊いていく糸井重里もすごい人だなあと思う。
    萎縮ではなくああいいなあがんばりたいなあと思える本。

  • わたしはいろいろな立場の人のお話を聞くのがものすごく好きなので、この本はとても良かった。水の臭気判定をする人からゲイまで、本当に色々なジャンルの人が糸井さんと鼎談する。一つひとつのお話が短くて、深いところまではいりこめていないのが残念。糸井さんが話を引き出すのがすごく上手だと感じた。

  • 経験を積んでこその洒脱な思考が心地よいです。え、ここでそんな考え方が出るのか(笑)と可笑しさとともに感心してしまうことしきり。対談雑談形式の本書ですが、会話の中に思わずへ~と感じる雑学も散りばめられていて無学な自分にはそこも面白かったです。この本を読んでも先達の「経験を盗む」ことは難しいかもしれません。それでも読後に晴れやかで前向きな気分になれるのは、経験に触れた興奮が冷めやらないからでしょう。こんな大人になれたらきっと楽しいだろうな。ご当人達はこれでも色々大変なんだよ、と仰るでしょうが笑。

  • 糸井さん+その道に詳しい人2人の3人での対話形式。
    いろんな話があったけど、私は「眠りのお話」と「昆虫のお話」が面白かった。

  • メモ「きちっと整理しておくことと、自由にいろいろやれるってことは反するんじゃないか」糸井重里

  • 「一気圧の一億何千万分の一だったかな。そのくらい気圧の小さなものを、耳はキャッチしているんです。で、耳の中には周波数分析装置がありましてね。そこには繊毛がついていて、その繊毛が奥にいけばいくほど低い周波数を感じ、外側が高い周波数を感じるんです。ところが、何かの拍子で大きい音を聞くと、その繊毛がやられてしまう。すると、それがキャッチしていた周波数だけ聴こえなくなるんですよ。この周波数分析装置は、壊れたら絶対に回復しません。」
    「いつも聞いている音の要素が自分の声に出てくる。先日、アルタイ共和国の喉歌カイの歌手を招いて一緒にコンサートをやったんですよ。彼はずっと山の奥で暮らしていたそうなんですけど、自分の声の中には山の音が入っていると言ってましたね。だから都会に暮らしている人と、田舎に暮らしている人の声は違うと思います。僕ら、日本、東京に住んでいて、電車や地下鉄の音を毎日聞いてる、そういった騒音そのものも、自分の身体に取り込まれていて、声の表現の中に出てくるんじゃないかな。」
    ――「声のお話」より
    装丁:柿木原政広

    「昆虫のお話」で川上弘美が出てきたのが面白かった。
    どういう基準で鼎談相手選んでるんだろうなぁ。
    「声のお話」と「水と音のお話」が興味深かった。
    においを嗅ぐだけで水の味がわかる人がいるなんてびっくりです。
    水を入れる容器も中に入れる水で洗わないとにおいが邪魔をするんだとか。
    そしてにおいは色で記憶してあって完全には言葉に出来ないとか。
    職人芸だなぁ…

  • いろんなジャンルの専門家、そして(ここが肝心)その専門分野に半分くらい携わっている人、そして糸井さんという3人のおしゃべりで成り立っている本。
    2人だと、つっこみすぎる話も、3人いると幅が出るし、いい感じに脇道にそれる。
    個人的には「ゲイのお話」糸井重里×ジョージ/南伸坊
    「水と音のお話」糸井重里×最相葉月/前田學
    そして「体力のお話」糸井重里×立花龍司/増田明美
    このあたりがお気に入り。

全32件中 1 - 10件を表示

糸井重里の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
湊 かなえ
デール カーネギ...
村上 春樹
ジェームス W....
有効な右矢印 無効な右矢印

経験を盗めを本棚に登録しているひと

ツイートする