デジグラフィ―デジタルは写真を殺すのか?

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120034886

感想・レビュー・書評

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  • デジグラフィはボタン一つで消え失せてしまう消去性を持つ非物質性なデータの集積から成る。フォトグラフィでしか表現し得ない部分はどんどん少なくなっている。同時にデジグラフィはWeb上で独自の進化を遂げている(この本が書かれたのは2003年。iPhoneが出たのは2007年)。デジグラフィは新しい写真というよりも、むしろ「新しい絵画」といえる。筆と絵の具とキャンバスの代わりにコンピュータとPhotoshopのようなソフトウェアとモニターが用いられるだけ。作品を仕上げて行くプロセスは画家のそれに近い。

  • 2003年に書かれた飯沢耕太郎さんによるデジタル写真(デジグラフィ)論。ちょうど写真の一大消費業務である報道、広告のプロの現場が、本格的にデジカメに移行することが決定的になった時期のものとして興味深い。端的に言うと、カメラ付き携帯によるプリント無しでの写真の共有が、驚きを持って迎えられている記述がある。この本で書かれている、デジタルの普及によって、速報性、手軽さが必要な領域はアナログから去って行き、写真の純粋な部分が生き残って行くという予想は当たっていると思う。デジカメ写真とそのプリントが定着したことで、フィルムを介してプリントされた写真の物質感はずっと高まった。

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