犬: クラフト・エヴィング商會プレゼンツ

  • 中央公論新社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120035371

作品紹介・あらすじ

名犬、番犬、野良犬と暮らした作家達の幻の随筆集。

感想・レビュー・書評

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  • いつか、
    いつかは読んでみたい、と願っていた
    林芙美子や、伊藤整。

    (いつか、なんて待っててもやってきませんよ。
    読むなら、今っ。)
    と、ばかりに図書館の棚に鎮座していた
    クラフト・エヴイング商会からのプレゼンツ本。

    犬、にさしたる思い入れはないので、
    作品がどうこう、いう事はなにもないが、
    川端康成、伊藤整、林芙美子、
    大作家陣の書影を追えば見える、
    人物像や昭和な風景が、大変面白かった。

    巻末、クラフト・エヴィング商社の番犬が
    この本を発刊する事にした理由、を発信してくれたので、
    若干拡散気味だった思考が最後に終結し、さっぱりした。

  • 愛犬家は飼い犬に厳しい人が多いのだろうか。
    『猫』の中では猫に振り回されていた人間が、『犬』の中では犬を従わせている。
    猫と人の関係と、犬と人の関係は決定的に違うようだ。

    この本の中では「あか」が1番好きだ。
    ア子ちゃんとアカの関係がとても素敵だから。
    お互い少しずつ歩み寄って、いつしか強い絆で結ばれている。
    とても幸福な出会いだなぁと思う。

    犬の種類がなんだとか、子犬がいくらで売れるだとか、しつけ自慢だとか、そういう話にはちっとも感動できなかった。
    私はやはり猫派なのかもしれない。

  • 文豪たちによる、犬エッセイのアンソロジー。川端康成の「わが犬の記」「愛犬家心得」は興味深かった。

  • 有名作家の犬にまつわるエッセイ集。短編小説も少し。
    昔の犬の飼い方、犬との付き合い方なので少々荒いと感じることもあるけれど、
    みなさん率直で、犬を好むことがよくわかる。
    川端先生は意外な一面が面白い。
    幸田文の「あか」は好きな小説。
    志賀直哉の「クマ」、徳川夢声の「トム公の居候」もよかった。

  • 2004-00-00

  • 犬飼ってた時を思い出す。

  • 面白かった。
    今とは犬との距離の取り方が違うのかも。

    どの作家の書く文章も、淡々としているんだけど、
    きちんと犬への愛情というか、気持ちがあるのが伝わって嬉しい。

    犬が簡単に貰われたり殺されたりしてしまっているけど、
    ちゃんと個人の責任の内で行われているような気がして。
    今のペットへのいろんな過剰さに疲れてしまうことがあるので、
    なんかそういう距離感がちょうどよかったのかなぁ。
    そりゃうーん、と思うようなところもあったりするけども。

    川端康成の文章が好きです。
    「わが犬の記」で、
    「愛する犬のうちに人間を見出すべきではなく、愛する犬のうちに犬を見出すべきである。」
    という文章があって、あぁそうだよねぇって思います。
    犬と人は違うもの。だからちゃんと、犬として愛するのが大事。

    姉妹編の「猫」も読もうと思うのです。楽しみ。

  • 図書館でなにげなく手に取った本。
    クラフト・エヴィング商会という名前はなんとなく聞き覚えがあったけど、ちゃんと認識したのはこの本が初めて。

    犬に関する随筆を集めた一冊なのだが、あまりにも素敵な文章の数々で驚いた。
    とくに幸田文の『あか』。たぶんご自身の思い出をつづったものなのだろうが、この文章好き!好きすぎるほど好き!
    もう一生この文章だけしか読んじゃ駄目だと誰かに言われてもいいやと思うほど素敵な文章だった。
    こういう一文に出会うと、やっぱり昔の作家はいいなぁ、新しい作家なんて読んでる場合じゃないよ。。。と焦ってきてしまう。

    そのほかにも長谷川如是閑に目が留まる。
    【子どものころ自分の家が、虎だの豹だの熊だの象だののいる遊園地だったので】という一節があって「何者!?」と思ったのだが浅草花やしきの経営者のご子息だとか。花やしきは個人経営の遊園地だったのか。

    それから徳川夢声のやさしさ、林芙美子の無垢さ、志賀直哉は言うまでも無く、みんなみんな好い。


  • 2008.07.11. クラフト・エヴィングだから読んでみたら、意外とこれがおもしろかった。幸田文がいいな。みんな、今の人と、犬に対するスタンスが違う。「猫」も読みたい。

  • そのお父さんのほう、地なんだかすっとぼけなんだか、軽妙かつ複雑な味わいの伊藤整の犬エッセイが入っているのがこっち。中公の古い本がクラフト・エヴィング商会の装丁で新たに復刻されたもので読めます。昔のものだけあって犬と人との距離がべったり短くなく、それぞれが適度だとする距離があいている。あいているから、そこに入る関係も感情もいまよりずっと多種多様。犬という切り口の、人のたたずまいがよく見えるエッセイ。

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