ナ・バ・テア

  • 中央公論新社 (2004年6月25日発売)
3.67
  • (335)
  • (374)
  • (736)
  • (30)
  • (8)
本棚登録 : 2815
感想 : 359
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784120035418

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 飛行機で空を飛ぶ。コンバットフライト。
    自分にできないことを疑似体験させてもらえた。
    虚無的で絶望した子たちのありようが、ただなんでもない大人の自分には少ししんどかった。

  • スカイクロラ シリーズを読むのは2作目。スカイクロラが最後の物語で、時間軸は逆に遡ります。ナ・バ・テアではクサナギスイトが散香のパイロットとして登場。クサナギとティーチャーの始まりの物語が展開されていく。

    短いセンテンスの連続で表現された飛行は、重力から解放され、紙面の中を右に左に旋回、フルスロットルで上昇、失速してストール、想像の空を飛びまわります。

    スカイクロラのクサナギと同じように、冷たく機械的に戦闘が進んでいく。パイロットを職業とし空を飛んでいるときだけが自分の全て。確実に生きて地上に戻って来たとき、心は次の飛行を求めている。

     体が軽いと感じる
     この軽さが、僕の全て
     愛するために生まれてきたのではない
     愛されるために生まれてきたのでもない
     ただ、軽く……
     飛ぶために、生まれてきたのだ

    不思議な感覚の残る作品です。

  • 面白い。最初は退屈でだらだらと読んでいたけど、ヒガサワが出てきたあたりからぐんと引き込まれて、最後の数十ページは一気に読んだ。スカイ・クロラよりも血が通っていて生々しい。視点が視点だからか背景にずっと青空が見えていた気がする。私は出版順で読んだけど、時系列順に読んでいったほうが楽しめるかもしれない。

  • 「この軽さが僕のすべて」
    草薙水素…。
    エピローグが美しかった

  • スカイクロラシリーズを刊行順に読んでいます。
    その中でも2作目となるこの作品。
    1作目のスカイ・クロラと同様に空と地上を行き来する心の動きが手に取るように分かるような表現が明瞭で戦闘シーンもついつい肩に力が入ってしまいます。

    また、その中で人生とは何か考えさせられる場面も多くて度々ハッとさせられました。

    刊行順に読むと謎解きのようで面白いですね。

    あー、また飛行機に乗りたーい

  • 『スカイ・クロラ』シリーズの刊行2作目。

    『スカイ・クロラ』で重要な役割を担っていた「草薙水素」が主人公。『スカイ・クロラ』の10年くらい前の物語でしょうか。主人公の一人称が「僕」なので、『スカイ・クロラ』のカンナミだと思ってよんでたんですが、あれ?女性?ということで、すっかり騙されました。

    相変わらずの透明感。踊るような戦闘シーン。余計な情報が極力入らないように構成された文章。淡々と流れる世界に、今回も引き込まれました。

  • 『スカイクロラ』はなんだかよくわからないまま読了したけど、これは読みやすかった。クサナギにはこんな過去があったのね…。突き放すような淡々とした冷たい文章が結構好き。『スカイクロラ』シリーズ全部読破しようと決心。2011/213

  • 身体が加速を覚えている。
    目が軌跡を辿っている。
    指が瞬間を知っている。
    腕は離反を待っている。
    愛するためでもなく、愛されるためでもなく。
    ただ空を飛ぶために、僕は生まれてきた。

    ──そこでなら、笑うこともできる。

    地上で生きていくものに変わってゆく予感を孕みながらも、空の底、雲の上を求め続ける永遠の子供は息を止める一瞬に何を見るのか──。


    『スカイ・クロラ』の前日談となるシリーズ第2弾。
    草薙水素がメイン。彼女には、ほんの少し濁りのある空がよく似合う。

  • 空を、飛ぶことを誰よりも愛したクサナギの物語。一人称は「僕」。スカイ・クロラよりも、時系列でいえば前に位置する物語。
    女性という性別の差異のためか、スカイ・クロラに描かれていたカンナミとは見える世界や認識、事象の捉え方はまるで違う。死について、パイロットとして、という点は同じなのだけれど、物事を深く考え、クールな外観とは裏腹に、自分という存在の意義や概念を理解しようとする思考の深さやその時々に表れてしまう情緒のようなものが、世の哀れや物悲しさの真理を描いている。自分の上をいく、尊敬する人間との間に、不本意ながらに生まれてしまった新しい命や、その存在によって翻弄される自分自身。そして何よりも、『僕は空を見た。まだ少しだけ赤い。もう、半分は夜の色だ。』という一節。ヒサガワが死んで、僕が空を見上げた210pのこの描写が、この表紙の空を現す要素の一つなんだなと思った。
    夕焼けの表紙は、綺麗だけれどとても物悲しい。主人公のクサナギスイト自身や、彼女の思考や感受したものを表しているのかしら、とわたしは感じた。スカイ・クロラとは、また違った素敵な魅力のある本。

  • 個人的にスカイクロラシリーズの中で一番好きな作品。

    キルドレである草薙と、大人であるティーチャ。
    二人の目には、互いの姿がどぅ映っていたのだろうか。
    大人になるとは何か。
    生とは、死とは何だろうか。

    「気づいているか?
    大人になる、という意味は、
    死を意識して、臆病になる、
    たった、それだけの価値。」(2頁)

    エピローグでの再会に、私も思わず「やったぁ」と声を出して嬉しくなった。

  • おじさんとつむぎの「ナ・バ・テア」レビュー

    つむぎ:ちょっと、おじさん! またクッキーの袋抱えて何読んでるの?

    おじさん:(ポリポリ)あー、つむぎちゃん...今度は森博嗣の「ナ・バ・テア」ってやつを...

    つむぎ:へぇ、スカイ・クロラシリーズじゃない。どうだった?

    おじさん:うーん、最初は第1巻の続きかと思ったら、途中から「あれれ? 」ってなって...なんか違和感があるんだよね。森博嗣の仕掛けに今回もやられました。

    つむぎ:あー、森博嗣お得意の読者を混乱させる手法ね。で、内容はどうだった?

    おじさん:戦闘機の専門用語がわからなくて苦戦したけど、なんか昔読んだ太平洋戦争の飛行士たちの手記みたいな透明感があって...生と死の境界線上で生きる人たちの心境っていうか。

    つむぎ:おじさんにしては珍しく的確な感想じゃない。確かに実際の戦争体験者が書いた手記に通じるものがあるわよね。

    おじさん:そうそう! キルドレたちの諦観っていうか、運命への受容みたいなのが...生き残った飛行士たちが持ってた潔さや達観と似てるんだよ。一歩間違えば神風特攻隊だったかもしれない人たちの悲壮感っていうか。

    つむぎ:でも途中で投げ出さなかった? 森博嗣は読者を選ぶ作家だから。

    おじさん:実は何度か...でも全6巻のシリーズだって知ってたから最後まで読んだよ。森博嗣って最初から設計図があるんだよね。

    つむぎ:そうね。S&Mシリーズも最初からエンディングまで見通してたって言うし。だからこその大掛かりな仕掛けよ。

    おじさん:一人称の「僕」の正体とか、時系列の謎とか...オレにはとても思いつかない構成だなぁ。

    つむぎ:おじさんも森博嗣みたいに緻密にプロット練ってから書いてみたら? いつも行き当たりばったりでしょ。

    おじさん:うっ...確かに...よし! 今度はちゃんと設計図作ってから書いてみる!

    つむぎ:(ニヤリ)その意気よ。でもまずはお菓子の袋片付けなさい。部屋が散らかってるわよ。

  • 好き嫌い分かれるかもしれないけど、私はとても好き。
    雰囲気、登場人物が良すぎる。
    いつも物静かなクサナギが、機体のことになるとテンション上がるのかわいい。
    文章も綺麗。
    淡々としていて、だけどぐいっと惹き込まれる世界観、たまらん。
    スカイクロラのアニメも見てないから、存分に楽しめそう。全部読んだあとにアニメ見たい。アニメだけ見てる人はもったいと思ってしまうくらい原作いい。
    最後は意外な急展開ではあったけど、エピローグよかった!

  • 私はスカイクロラから読み始めてしまいましたが、最近読んだ記事で、時系列的にはスカイクロラが一番最後、と言うことと、良い考察を読んだので再読したくなっている作品です。(2024.3)
    この辺りは続きを欲してひたすら読み進めていた記憶があります。笑

  • やはり、何と言ってもこの思考の流れ、この文体にいつも惹き込まれる。

  • 不思議な本。
    見事に騙されたけどクサナギさんの過去(新人時代は張り切ってたんだなあと思っていたらカンナミではなかったという)。
    スカイクロラの草薙水素のイメージとはだいぶん違う。笹倉と気軽な関係だったのだなあ。何故あそこまでメンがヘラったのかは、分かるような分からないような…。
    空に救いを求めていて、でも段々と地上の「人間社会」「女であること」に縛られていく様には、変な快感があるな。悲しいはずなのに。

  • スカイクロラシリーズの2作目にして時系列的には最も早い時代に位置する。スカイクロラでは、強い印象を残した草薙水素が主人公。
    スカイクロラの前日譚なので、答え合わせ的な要素は強いけど、草薙のキルドレとしての揺れる心情の描写も良い。
    アニメや漫画みたいに視覚に訴えられない空中戦シーンを主観の感覚で淡々と描写しているのが、逆に印象的でよいね。
    スカイクロラは時系列的には一番最後になってるらしいので、シリーズ全部読んだ後で読み返したいね。

  • 透き通る、軽くて透明な文体

  • スカイ・クロラシリーズ2作目?時系列的には1作目

    クサナギが戦闘機に乗っていた頃の物語
    やはりスカイ・クロラを先に読んでおいて良かった。
    人の繋がりが理解できてくると面白い。

  • 細かくてリアリティのある空戦の描写は、知らない単語も多かったがこの本をきっかけに知ることができてよかった。ストーリーも先が気になった展開です。

  • 時系列順に読もうと思ったので、この本がシリーズ最初。空を飛んでいるようなさらっとふわっとした読み心地。
    次巻が楽しみ。

全317件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森博嗣の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×