雪の夜話

  • 中央公論新社 (2005年1月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (300ページ) / ISBN・EAN: 9784120035845

みんなの感想まとめ

物語は、雪国に暮らす高校生の和樹が、深夜の公園で出会った少女・雪子との不思議な関係を描いています。彼女は生と生の狭間に存在し、限られた時間を持つ特別な存在。和樹は東京での美術大学生活を経て、社会人とし...

感想・レビュー・書評

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  • 雪国に暮らす高校生の和樹が深夜の公園で雪と戯れながら「私が見えるのね?」と告げる少女と出会う。その後社会人としてポスターのレイアウト等をし、八年後、実家に出戻り、雪の公園で変わらない彼女と再会する。美術的な仕事模様が興味深く、二大柱の片割れのような雪子とのパートもしんしんと引き込まれるようだった。

  • 順風満帆だったはずの人生。ドロップアウトした青年は6年ぶりに故郷へ戻って来た。
    そしてあの冬と同じ姿のままの彼女と再会して…。心暖まる現代のフォークロア作品。
    清純なおとぎ話をイメージしていましたが、思いのほか理屈っぽく小難しい印象でした。
    雪景色が目に浮かぶような描写、犬や子供が無邪気に遊ぶ様などはとても良かったのですが
    如何せん、主人公の内向的さに引きずられます。妹に激しく共感、性差もあるのかなー。

  • 和樹はある雪の降る深夜の公園で「雪子」に会う。白いダッフルコートに見を包んだ15歳の少女は、生と生とのあいだにいる存在で、本当は70日しかいられないが、ずっとこの公園にいる。ほとんどの人には気づかれず、気づくのは小さな子どもくらい。
    和樹は東京の美大に入学し、卒業後はデザイナーとして忙しく仕事をするが、会社という仕組みの人間関係がうまく行かずに実家に逃げ帰ってしまう。
    25歳になった和樹は公園で再び雪子に会う。ここでの会話はかなりスピリチュアル。また、妹の夏子や会社の人との会話にも、メンタル的な内容が多かったりする。
    妹の夏子結婚、公園の取り壊しを機に雪子は今の世界から次へ進もうと決意し、和樹に公園にかまくらづくりを依頼する。約束の29日、雪子は、「いつかどこかで貴方と違う場所で手をつなぐために私は雪子をやめることにしたの」と告げ光となって雪の中を空へ進んでいく。
    夏子は冬に女の子を産み、雪子と名付ける。和樹は雪子にダッフルコートを買うことを決めるのである。

  • 雪の精のような15歳の少女「雪子」に会った17歳の少年。そして8年後に15歳の少女と再び会う場面は感動的です。そしてその時、少年は社会人なのです。雪子が主人公の妹・夏子とイメージが重なったりして、著者が何を言おうとしているのかと考えるのは楽しかったですし、雪子や幼い姉弟たちとの出会いから、メルヘンの世界を満喫できたように思います。

  • 優秀だったこともあり、入社してから仕事だけして人間関係をおざなりにしていた所為で周りと上手くやっていけなくなり会社を辞めてしまった和樹が、なんとなく自分と重なる。

    雪子は不思議な存在だけど、本人の言うように昔は自然と受け入れられてたんだろうな。

    あと、夏子が好き。
    兄の事を羨ましいと思っても妬まずに誇りに思い、自分の事を認められるって凄いと思う。


    (似)
    アニメ「絶対少年」

  • 雪ん子の話よりも、仕事の話の方がおもしろかった。
    というか自分と重ねてしまうところがあって辛かった・・・

    妹や雪子が主人公に対して「~しなさい」みたいな口調なのがちょっと嫌かも。

    浅倉さんの本は「君の名残を」を読んだけど、
    時間や命のつながり、みたいな大きな流れに興味があるのかな。

  • 個人の葛藤?白をベースにした色の物語?雪子は夏子ちゃん?鹿嶋さん?…色々な要素を持ったおとぎ話(^-^)

  • スピリチュアルな香りのある話。
    文章と相性が悪いのか、読み進めにくく、読むのに時間がかかった。
    内容を消化するのに時間がかかったということかな?
    生きることが下手な主人公が、雪の夜の出逢いを通して変わっていく。そんな話。
    周りの人達が主人公を想いつつ、見守る姿も良かった。

  • 関東でも雪のちらつく夜に読んだ1冊。上手く大人になれない、こんな男子いっぱいいそう…。
    出版社 / 著者からの内容紹介
    北の街に暮らす高校生の僕は、白い闇に包まれた深夜の公園で、雪と戯れる少女と出会う。
    それから八年。都会の生活と大人の社会からはみ出してしまい逃げるように帰郷した僕は、雪夜の公園であの時のままの少女と再会する……。『四日間の奇蹟』の浅倉卓弥が贈る、心暖まる現代のフォークロア。

  • 雪の降る真夜中、高校生だった少年は公園で少女と出会う。
    その後大学、就職を経て、8年後故郷に戻ってきた彼は、また少女と出会う。以前と変わらぬ姿の少女と。

    一人の男子の成長の物語。
    感情の部分は少しナルシシズムのようなものを感じてしまったのだけど、仕事の淡々とした描写の部分が面白かった。商業デザインの仕事。

    まわりの人に恵まれている主人公でした。

  • ファンタジックな寓話めいた物語、というところかな。テーマは「生と死」かも。タイトルから想像できるとおり冬の物語なのだけど、あったかくなるような雰囲気。雪の夜には外に出てみたくなるかなあ。

  • ―生きていくということは
      失われていくものを見つめ続けることなのか―
                       本文より

    学生時代、将来の進路をおぼろげに思い
    不安と期待に苛まれながらもとりあえず今は
    明日の世界史の試験範囲には一通り
    目を通しておかなきゃ…という学生時代の思い出は、
    多かれ少なかれ誰もが経験しているものではないでしょうか。

    とはいえ、一夜漬けで頭が飽和状態だから将来のことという
    ちょっと現実離れをしたことを考えてしまうのか、
    将来をきっちり見据えているからこそまずは明日の
    世界史を落とすわけにはいかないと必死になっているのかは
    今となってはもうわからないことなのですが。

    物語は、雪の街に住む高校生が体験する、
    少し不思議な出会いから始まります。

    彼の人生の分岐点となるこの出会いは、
    彼の心にある何を溶かし、
    彼の心に何を残していくのか。

    「四日間の奇蹟」や「君の名残を」の著者でもある
    浅倉卓弥さんの描く世界は、この話にも見られるように
    空想と現実のバランス感覚が絶妙です。
    どちらかに傾倒しすぎることなく、
    かといってどちらもチープではない。
    私たちの過ごす日々も夢と現実があって初めて
    成り立つのだということを、改めて気付かされます。

    冬に想う夏が美しいのと同じように、
    雪の降らない季節に読む雪の夜話もまた、
    美しく心に残るのではないでしょうか。

  •  「四日間の奇蹟」の人。延々と「僕が僕であるということはどういうことか」みたいな観念がツラツラと書かれ脳ミソ酸欠。

  • 〜改めて言うまでもないが、僕は雪子と出会えたことに感謝した。彼女が失われてしまったことを思うよりは彼女の言葉の数々に触れられたことを喜ぶ方がよっぽど素敵なことだったし、〜出会うすべてにそんなふうに思えればいい〜


    おお〜バツイチの身にはなんとも響く言葉。

  • すっごい印象が薄い。あまり記憶に残ってない。そのうえでのコメントだけれど、現実とファンタゾーがいまいち融合していないように思えた。主人公の現実部分は面白かったけど、雪子が関わってくる幻想部分はいまいちしっくりこなかったような。まぁそれはうちがファンタジーは好みじゃないからかもしれないけれど。哲学的な考え方をする主人公で、しかも作品もそれがテーマみたいで、物語も淡々としているため読み進めるのがちょっと面倒くさかった。

  • そこまでっていう内容ではなかった。だけど浅倉さんの本はどこか暖かいところがある。主人公の和樹はある真夜中雪の降る公園で一人遊ぶ少女を見かける。彼女は不思議な存在であった。

  • 不思議な雰囲気がします。

  • 鬱々と苦しんでいた私を救ってくれた大切な本。

  • 命のきらめき。
    失う事を嘆くより出逢えた事に感謝を。
    心の奥底が静かに震えたお話。


  • 相変わらず、少しファンタジー。
    読後感とかは悪くないんやけど、読むのがちょいしんどい。
    話にスピード感がないし、細部にツッコミいれたくなるし。
    しかも途中の台詞(内容も言い回しも)が相当難解で、
    高校の現代文の試験の気持ちを思い出しました(笑)。


    「別れの哀しみより、出会えたことに感謝する」
    「失うことを恐れるより出会えたことに感謝するべき」
    って台詞はとても気に入りました。

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著者プロフィール

作家・翻訳家。東京大学文学部卒。レコード会社洋楽部ディレクター等を経て作家に。
著書に『四日間の奇蹟』、『君の名残を』(以上宝島社)、『黄蝶舞う』(PHP研究所)ほか、訳書に『安アパートのディスコクイーン─トレイシー・ソーン自伝』、『フェイス・イット─デボラ・ハリー自伝』(以上ele-king books)、マット・ヘイグ『ミッドナイト・ライブラリー』(ハーパーコリンズ・ジャパン)、テイラー・ジェンキンス・リード『デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃』(左右社)など多数。

「2022年 『ボクのクソリプ奮闘記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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