「電車男」は誰なのか: “ネタ化”するコミュニケーション

著者 :
  • 中央公論新社
2.88
  • (0)
  • (0)
  • (15)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 35
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120036064

作品紹介・あらすじ

匿名掲示板「2ちゃんねる」が生んだ"今世紀最強の純愛物語"(?)には、現代を読み解く鍵が隠されていた-。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • インターネットの有名巨大掲示板『2ちゃんねる』の書き込みから生まれた『電車男』。スレッド形式がほとんどそのままに本になっているが、『純愛物語』としてヒットし映画化もされるほどの人気となった。なぜ悪名高い掲示板に書き込まれた内容がこれほどうけたのか?そもそも『電車男』は存在するのか??
    ネット掲示板を一つのメディアとみなし批評する著者が、『2ちゃんねる』を通しネット上のコミュニケーションを推考する。


    『電車男』、話題になりましたね。読んでないんですが・・どうもケータイ小説(電車男は違いますが)といったたぐいのものは敬遠しがちで手がでません。『2ちゃんねる』もたいがいスレに行きつく前に挫折します。で、これを読めば『電車男』そのものも分かるかな~と思って読んでみることに。

    『電車男』というのは、オタクと令嬢の恋物語で、掲示板に書かれたやり取りをまとめたものという認識でしたが、これはほぼ合ってたみたいですね。
    内容としては特に山があるわけでもなく、ハッピーエンドを迎えるといったおよそ物語としてはつまらない話のはずなのに、どうしてこれほどうけたのか?それは舞台がおよそ他人を思いやる人がいるとは思えない(失礼)『2ちゃんねる』だから。誹謗中傷が闊歩する世界の住人が励まし、アドバイスを送り、祝福する姿(かきこみ)に、オタクとは別世界の生き物だと思っていた世間一般の人達が心を打たれたからに違いない。人とかかわることを好まないと思われた人種がこれほど他人を思いやれるのかと、一種の驚きをもって。
    著者も書いているが、そもそも掲示板はコミュニケーションの手段である。駅前で声を張り上げるよりはるかに大勢の人が聴いてくれる。たとえ反論(罵倒)されようとも無視されている訳ではない、だってそれだってコミュニケーションの一つだから。ただ、そこに匿名性とか信憑性とかいろいろな要素がなにやら一種不可解な空間を作り上げているのも事実で。
    いやはや奥が深いです。

    話がだいぶそれた気もしますが、本書でも結局『電車男』の正体を言及しているわけではないので、そこは謎のままというのが『電車男』的にもありがたいんだろうな。
    ただ、実際に書き込んでた人がどう思っているのかが気になる所です。

  • タイトルとおりの本
    電車男は、本当に存在したのか?
    実は、誰かが掲示板の住人を釣ったのではないか?
    とかの交錯が書かれている。
    <a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4101304718?ie=UTF8&tag=siontel-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4101304718" target ="_blank">電車男</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=siontel-22&l=as2&o=9&a=4101304718" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />という本がでて、こういったものも本になって本屋に置かれていたのがなんだか凄いと思った。
    えーこういうのも本になっちゃうの?
    という好奇心もあって購入しました(笑)

    ある意味電車男が、純愛物語だ!と、
    信じている人は購入しない方がいいと思う。

    この本の中には、電車男のその後として、
    実はこうこうこういう話が後日談あった…。
    しかし、純愛ということにして本を出してしまおうってことで、後日談ははぶかれてしまった。
    本当は純愛ではないのだ。
    といった話も書かれている。

  • 電車男の解説本。つい買ってしまった...

  • 「電車男」の人気についてあらゆる視点から考察されたもの。時代背景、言葉の使い方、コミュニケーションについて☆

  • ニュースや新聞でまで話題になった、「電車男」を検証する。どこまでが真実でどこからが作り上げられたものなのか?
    作り話疑惑が生まれたとたん読者の評価が下がってしまったのはなぜか?
    ネットの世界と現実世界との間で揺れ動くそれぞれの思い。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1970年、山形県生まれ。音楽評論家。著書に『不思議な国のクラシック』(青弓社)、『クラシック音楽異端審問』(アルファベータ)、『背徳のクラシック・ガイド』『愛と妄想のクラシック』(ともに洋泉社)、編著に『クラシック野獣主義』、共編著に『クラシック・スナイパー』シリーズ、『クラシック反入門』(いずれも青弓社)、共著に『村上春樹を音楽で読み解く』(日本文芸社)ほか。

「2017年 『クラシックは斜めに聴け!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鈴木淳史の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×