宇宙で一番優しい惑星

  • 中央公論新社 (2006年3月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784120037139

感想・レビュー・書評

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  • 友達や会社の同僚には薦めにくい本がある。
    『けっこう悪趣味なんだね』『こんなの面白いと思っちゃう人なんだ』なんて思われそうで怖い。この本もそう。
    したがってほんとに親しい人か逆に全く知らない人にしか言えないけど、面白いなぁこれ。

    言っとくけど私は結構真面目な社会人だ。妻と二人暮らしで交通ルールも結構守る。職場では和をもって尊しとし、冗談やふざけることが大嫌い。座右の銘は『努力、友情、勝利』

    妻に言わすとその真逆だそうで、聡明なはずの彼女がなぜそんな誤認をするに至ったのか不思議だが、まぁ良い。この本は、というか戸梶先生の本はだいたい社会病理が大テーマになってて私のような御立派な社会人はちょっと大っぴらには面白いと言いにくい本です。

    内容は一応SFです。厳しい気象条件の惑星オルヘゴにある3つの国家の存亡だけどパワーバランスはだいぶ偏ってて、
    クイーグ:実力主義の国で所得、教育水準高い。人口は少ない。
    ボボリ:全体主義で即決厳禁。物事を決めるには必ず上司にお伺い。
    ダスーン:独裁国家で発展途上国。部族間で虐殺が起きている。
    そんな3つの国が隣接していれば、まぁそうなるわなという話。いつもCNN とかで概要だけ聞いてるけど実際はこんな感じだろうというのをグロテスクに書いてくれてます。小テーマは、自爆テロ、ルワンダの悲劇、性的搾取、アメリカ覇権主義、エスニッククレンジング、事なかれ主義、でしょうか。
    同じテーマでも極限状態における輝かしい人間性の発露、という描き方もできるだろうけど本書では逆。あまり後先考えない人たちが流された挙句最悪を作り出します。

    この本、ほんとにだめな人もいると思うんだ。心の底から世界平和を願い実現できると思っている人、そんな人にはひたすら不愉快で、人工生命に激怒した宮﨑駿みたいに『生命に対する侮辱』と感じてしまう気がする。

    そんな人には合わない。例えばPTA会長に課題図書としてAV作品勧めるみたいに永久にかみ合わない。

    ここまで長々書いて、この本の面白さってなんだろう?と本気でわからなくなった。ただのシャーデンフロイデ?それだけではない気がするがよくわからない。
    面白く読めてしまったことは確かだ。普段から、どんな本でも面白く読んでやるぜ!という心意気ではあるが面白ポイント見つけるのに苦労する本もある。でも今回はそんな苦労はしなかった。面白い。
    ボガとアミエの恋が成就してほしいと思ってしまう。
    テロで地獄の苦しみを味わう人を見て大笑いする2人を応援してしまう。
    アミエの元夫のペド親父がおぞましい拷問で死ぬのを当然と思ってしまう。

    もしこれを読まれた方で、この本の真の面白さについて教えていただける方がおられたらどうかお願いします。

    追記
    ネーミング良かったですね。例えば、
    マチコ:ラクダに似た8本足の獣
    ブッタギ:大鉈
    ムケズ:男の子
    空飛び筒臓:飛行機のようなもの

    あとは、ミッキーランド:遊園地の名前
    も、スレスレ攻めてて良いと思うよ。

  • きっとこれは社会風刺。ボボリは日本なんだろうなあ・・・と思想をめぐらせてみたり。これは何の本なんだろう?と考えてみて、身分差の恋もあったし、SFでもあった。でもやっぱりこの本が何を言いたいかを考えると、ある三国を皮肉っているんだろうなーと、そう思いました

  • もうね、サイテー。バイオレンス。ぶっ殺しまくりな世界に垣間見える地球とのいやーな合致。終わり方は結構好みだった。時々出てくる太字&大文字フォントが気になる人は読まない方が無難。

  • 遠い遥か彼方の惑星上にある三つの国。この国々舞台に、繰り広げられる戦争、テロ……。人間のエゴと、その心理の奥底に存在する「暗部」を、独自の文体で抉り出す!

  • 遠い遥か彼方の惑星上にある三つの国。この国々舞台に、繰り広げられ
    る戦争、テロ……。人間のエゴと、その心理の奥底に存在する「暗部」
    を、独自の文体で抉り出す! 書き下ろし長篇小説!

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著者プロフィール

1968年東京生まれ。学習院大学文学部卒。98年『闇の楽園』で第3回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。作家活動と並行して『Jの利用法』ほか自主製作映画4本を監督。イラスト、写真、クレイアートにも才能を発揮する。

「2013年 『劣化刑事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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