- Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120038310
作品紹介・あらすじ
親指、爪、関節、耳、眼、足…。身体のわずかな感覚の違いを活かして、ピアニストは驚くほど多彩な音楽を奏でる。そこにはどのような秘密があるのか?鋭敏な感覚を身につけるにはどうすればよいのか?演奏家、文筆家として活躍する著者が綴る、ピアニストの身体感覚とは。
感想・レビュー・書評
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気になって買って読み始めたが、これはどうも数年前に読んだことがある。とはいえ楽しく読んでいる。その時には思いもよらなかったけれど、素人なりにピアノをもうちょっとちゃんと練習しようと思っている最中なので、他人事ではない、また違った新鮮味がある。
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備忘録、手のひらは固く、手首は柔らかく。
ショパンの練習法(ハ長調がじつはいちばん難しい!?)
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ピアノの教則本は数多く世に出回っているが、読むと、なんだかすごく「冷たい」。一方、軽いクラシック音楽読み物は、暖かいのだけれどどこか物足りない。著者はその間に立って、門外漢を馬鹿にしてはいないし、玄人に立ち向かおうという意志も崩さない。それがなにより素晴らしく、貴重だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ピアニストの考えていること、その感覚。
ピアノから遠ざかって何年か経っているが、わかる、と思うこともあった。そんなに繊細にピアノと向き合ったのではないので、タッチの差だったり、音の立ちあがりだったり、というところはわからないけれど、イスの高さとか、レガートとスタッカートの練習とか、指を曲げるか伸ばすかとかは、思ったこともある。絶対音感、初見など、ピアノを教える立場から語られていることも面白かった。演奏会に臨むにあたっての準備なども面白かった。
ドビュッシーを専門に研究されたということで、その音楽についてや、ラヴェルとの対比なども面白かった。今度、比べて聴いてみようと思う。
体操やフィギュアに寄せてのピアニストの話も、知っていることも色々あったので、なるほどと読むことができた。完全なものを求めるか、心の動揺を含む芸術性を求めるか。 -
まず個々のテーマが素晴らしい。視点がもらえるし、その集合体で本になっているので視野が開ける。手元においてゆっくり、紹介されてるピアニストのこと調べたり、ここから自分の幅を広げるために役立てられる本。もちろん原点のように振り返ることもできる。
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プロのピアニストの日常生活が伺えます。練習はもちろんのこと、学校や家での生活、コンサートの舞台裏など幅広く書いてあります。予想だにもしないことがあり、非常に面白いです。
他にも体操やテクニックなどためになることや著者の愉快な体験も書かれていて楽しく読ませて頂きました。曲名、人名に追いつけなかったのが悔やまれます(笑) -
中央図書館で読む。中村紘子さんと異なり、この人には守備範囲があるような気がする。また、優れた編集者が必要な気がする。自主公演にも、いい所があると指摘する。ここら辺の説明はうまい。
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ピアノに関するあんな知識、こんな知識を、わかりやすく解説してくれる一冊。
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ピアニストで、エッセイストの青柳いづみこ氏のピアノについてのエッセイ。
なかなか、とってもお勉強になります。
最初に、タッチのことがでてるのだけど、かつては指を丸めて指先で叩くという奏法ばっかりだったのだけど、今は指を自然に伸ばして弾くという奏法もある。この場合、たいていどっちかだけを擁護する人が多いのだが、彼女は両方の利点をあげて、最適なのは両方の奏法の弾きわけという。
この柔軟さは、貴重だ。
だから、本書の中も専門的な話から、もっと素朴な話、ピアニストの話、などなど多岐にわたっている。その全体を彩っているのが、彼女の音楽への真摯な気持ちだ。
なんか、彼女のピアノの音が聞こえてくるようなエッセイ。
もっと評価されていい本だと思うんだけどなぁ。 -
指の根元の関節を鍛える体操とかは、役に立つかも。
ツェルニーやリストは「曲げた指」でショパンやドビュッシーは「伸ばした指」のほうが弾きやすいって初めて知った。 -
こういったピアノ関連の本を読むのは初めてだったので興味深く読めた。曲げた指・のばした指、椅子と座り方、整体、肩こり、ペダルと靴、初見と暗譜、メイク、拍手、アンコール等、いずれのテーマもうなずけるものばかりだった。専門用語もそれなりに出てくるがそれ程難しくはなく、ピアノをある程度弾く人なら楽しく気軽に読めるのではないだろうか。ショパンコンクールに日本人で初参加、聴衆賞を得た原智恵子さんのことを知った。2007/11