日本に於ける理性の傳統 (中公叢書)

著者 :
  • 中央公論新社
3.33
  • (1)
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 13
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (534ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120038624

作品紹介・あらすじ

「理性」や「自由」の觀念は、西歐の近代文明を拓き推進した輝かしい進歩の標語であり、日本人は江戸時代の半ばに洋學の移入を通じて徐ろにこの種の理念に眼を開かれて行つたのだ-と、讀書人諸氏の多くがそんな先入見を持つて居られるのではないか。それは大いなる誤認であつて、「理性」も「自由」も元來日本人の精神風土の内から自然に發生し成熟した固有の傳統の所産であり、而もそれは西歐近代の開始に約三百年先行する鎌倉時代の出來事だつたのだ。この事實を史料的論據を連ねて論證しようといふのが本書の作因である。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • [ 内容 ]
    「理性」や「自由」の觀念は、西歐の近代文明を拓き推進した輝かしい進歩の標語であり、日本人は江戸時代の半ばに洋學の移入を通じて徐ろにこの種の理念に眼を開かれて行つたのだ―と、讀書人諸氏の多くがそんな先入見を持つて居られるのではないか。
    それは大いなる誤認であつて、「理性」も「自由」も元來日本人の精神風土の内から自然に發生し成熟した固有の傳統の所産であり、而もそれは西歐近代の開始に約三百年先行する鎌倉時代の出來事だつたのだ。
    この事實を史料的論據を連ねて論證しようといふのが本書の作因である。

    [ 目次 ]
    近代の黎明・鎌倉時代―日本に「中世」はあつたのか
    1 「道理」の世紀を拓いた人々(思索の發祥と「道理」の發見―慈圓『愚管抄』;政道に於ける「道理」―北條泰時『關東御成敗式目』;「道理」の歸結としての「當爲」―栂尾明惠上人『遺訓』及『傳記』 ほか)
    2 時代の標幟語としての「自由」と「理性」(戰國武將達の「自由」衝動―「自由」の根據としての道理追求;イエズス會士サヴィエルの發見―日本人の「理性」;世界像をめぐって、東西「理性」の衝突―キリシタンの世紀を彩る論爭 ほか)
    3 「超越者」と「理性の思惟」(創造主世界觀との對決・習合―本多正信『本佐録』;「理性の思惟」の三種の契機―鈴木正三『驢鞍橋』他;朱子學的世界説明再考―白石、鳩巣、益軒 ほか)
    道理と徳の文明VS.意志と力の文明

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

東京大学名誉教授。文学博士。昭和8年東京生まれ。東京大学文学部卒業後、旧西ドイツ・フランクフルト大学留学。東京大学大学院博士課程を修了し、平成6年まで東京大学教授。平成16年まで明星大学教授。現在、日本会議副会長。乃木神社中央乃木會会長。
主な著書に、『宰相鈴木貫太郎』(文藝春秋)、『森鷗外ー批評と研究』(岩波書店)、『靖国神社と日本人』『昭和天皇』『和辻哲郎と昭和の悲劇』(以上PHP研究所)、『和歌に見る日本の心』『皇位の正統性について』『象徴天皇考』(以上明成社)等がある。

「2022年 『國家理性及び國體について』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小堀桂一郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×