「課題先進国」日本―キャッチアップからフロントランナーへ

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120038648

感想・レビュー・書評

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  • ・議論でのひらめきによって「正反合」へと飛躍する
    ・英語圏でのジョーク一例

  • 課題を課題だと認識する力、課題を率先して乗り越えていく勇気が必要。

  • この本は勉強になった。今ある課題に対して、批判ではなく「どうすれば解決できるか」という姿勢で書かれている点と、その取り上げられている課題が盲目的な視野ではなく全体をマクロに俯瞰してミクロにひとつずつ見ていこうとしている視野の取り方がすごく読みやすかったです。目的に向けて知を統合していくことの大切さを教えてくれた感じがした一冊でした。小さくとも、全体を見ながら自分にできることを考えていきたいと思いました。

  • 著者は前の東大総長。少子高齢社会の最先端を走り、資源も食料もない中で経済大国の地位を守っている日本には、環境・エネルギー・資源・住宅・医療・教育といった、人類が否応なく直面する課題が最も先鋭的に現れている。この課題解決をゼロから行い、社会システムを変革することにより、日本は世界をリードする知のフロントランナーになり、繁栄を享受できると説く。そのためには、個々の技術の発展が必要なのはもちろんのことだが、それらの知を統合して構造化し、ビジョンを描けるようになることが最も大事だと言う。その際には理論からスタートする演繹的アプローチが重要で、理論を知っていれば「エアコンのエネルギー効率は理論上43倍だが、現状は7倍なのでもっと効率化できる」とか、逆に「セメント製造のエネルギー効率はすでに理論値に近く、これ以上の効率化は困難」といったことがわかり、数値に裏打ちされた具体的なビジョンが作れるのである。

    著者は工学系の出身なので、日本人の苦手なコンセプトワークやシステム思考に強く、構想力と視野の広さが群を抜いている。通常、「日本の未来を考える」というと、どうしても政治や経済といった社会科学系の話に偏ってしまいがちなので、著者の提示する理工系のトピックをメーンにした国家ビジョンは新鮮である。しかし、本書の中で一番魅力的なのは、全編に通底する「日本を一流国家にする」という著者の強烈なパッションである。

  • 日本は課題を多数抱える国であり、その課題を解決するチャンスを持つ国であるというもので、2007年に書かれている。
    環境分野における可能性を多く述べている。
    20世紀は科学の黄金時代で、21世紀は細分化、深化した科学をつなぎあわせる必要がある。

  • エネルギーや資源の欠乏、環境汚染、少子高齢化、都市と地方の問題、教育、公財政問題、農業…挙げたらキリがない。
    この本では主に、エネルギー問題を取り上げている。

    江戸時代まで、日本の文化は進んでいた。
    それが黒船がきて、あーこれはやばいなって日本人は思うようになった。

    > アメリカでは、こうだから日本でもこうしよう。

    それは日本の合言葉になった。
    それから日本はアメリカの真似をして大きく育った。
    今まであった文化を犠牲にしながら。大人になることを知らずに。
    これからの時代、日本が、アジアが、世界が、人間が、
    物語の主語になることは、もうないだろう。

    地球。

    今まで変わるはずのないと思っていたこの地球が、
    人により変わりつつあって、確実に悪い方向に向かっている。

    今僕らが行なっていることは、
    僕らの子供を圧倒的に苦しめるものであるし、
    どこかで変わらなくてはいけない。
    それが、今なのだろう。


    think Earth

    きっとこれからの合言葉になるだろう。
    そのために何をすべきなのか。

  • こちらも小宮山氏が東大総長だった頃に書いた本。日本は、先進国家ならではの課題(古くは公害など、現在では少子高齢化など)に、他の国に先駆けて直面してきた国なので、日本が先にソリューションを開発することで、後進国にソリューションを売り込むことができる、というビジョンを掲げている。ビジョンそのものには反論が思いつかないんだけど、出版から5年たって何かが一気に進んだかというと、そういう話はほとんど聞かない気がする。それどころか、むしろ後進国の方が、先進国よりも早く先端のITインフラをどんどん取り入れているようにも見えるし…。レガシーインフラを持たない後進国の方が、新しいインフラを一気に普及させるのに都合がいいのは確か。すでにレガシーインフラが網の目のように張り巡らされている先進国は、新しいインフラの導入に際して、関係者間の利害調整のコストが大きすぎるのが問題だということまでは、みな認識しているハズだけど、「問題を認識すれば、問題は解決する」ほど世の中は単純ではない。
    それに、このビジョンの通りに進んでしまうと、子供の頃から格下だと思ってきた後進国が、そのうち日本よりも繁栄することになりかねず、頭では納得できたとしても、感情的には絶対に許しがたい。だから、私としては、とにかく傍観に徹することにしましょうかね。(まあ、どちらにしても、日本の衰退は確定的な未来だし…)

  • TGLP

  • 実に日本は多くの課題に囲まれている。それらを列挙するとともに、課題解決先進国となって回りの国々を助けていくことが重要になってくる。

  • 前・東大総長の小宮山氏が、これから日本がとるべき方向性を詳細に書いている。現代日本が抱える問題について具体的なアプローチ策を一つ一つ書いていたり、日本人の根本的な「キャッチアップ」という性格をどう変えていくべきか、などがとても分かりやすく書いている。決して日本を否定するものではなく、むしろ応援歌のような本(本人も最後にそう言っている)。

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