転生夢現 上

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120039126

感想・レビュー・書評

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  • 3.5/96
    内容(「BOOK」データベースより)
    『人からロバ、牛、豚、犬、猿そして人へ動物と人の心を重ねもって六度の転生。人の身で生きる世界が夢?途方もない物語が始まる。』

    著者:莫言
    訳者:吉田 富夫
    出版社 ‏: 中央公論新社
    単行本 ‏: ‎436ページ (上巻)

  • 白檀の刑、の後に読んだので白檀の余韻が残ったままで、なかなかこれは頭に入ってこなかった。したがって、後日改めて読むことにする。

  • 詳細は、こちらをご覧ください。
    『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1223.html

    2012/10/11 追記

     2012年ノーベル文学賞は、中国の莫言(ばく げん、1955年2月17日 - )氏に!

    ・ 『転生夢現』 上 2008/5/23 読了
    ・ 『転生夢現』 下 2008/8/05 読了

       *:..。o ○ ☆ *゚¨゚゚・*:..。o ○ ☆ *゚¨゚゚・*:..。o ○ ☆ *゚¨

    2008/5/21 記

    『転生夢現』 今 分厚い本を読み進んでんでいるところ。
    TVブックレビューでとても面白いと紹介されたので、さっそく読み始めた。

    人間 いや 生き物すべて 死んだらどうなる? 生まれ変わると考えるのは 自然な発想です。
    だからといって、次は 大金持ち、大統領、スーパースター ってなわけには〜 いかないかも・・・。
    ありんこだったり、樫の木だったり。 あちゃぁ〜!
    さて、生まれ変わったときには、以前の自分は覚えていないよね、ふつう。
    ところが、この話では 覚えているの!
    主人公のパワフルで気骨あふれる性格も受け継ぐし、家族やかかわりあった人々への感情も消えない。

    中国の近代の激動時を生きる&死ぬ 主人公と彼を取り巻く人々。
    これまで味わったことのない面白さ、上・下巻 〜 先は長いけど 〜 楽しんで読めそうです。

    内容 :
    人の身で生きる世界が夢? 土地革命で銃殺されたのち、毛沢東時代から改革開放の現在にかけて、ロバ、牛、豚、犬、猿、そして人へ…。
    動物と人の心を重ねもった6度の転生を描く、途方もない物語。

    著者 : 莫言
    1955年山東省生まれ。作家。76年に人民解放軍に入隊。
    85年「透明な赤蕪」でデビュー。著書に「白檀の刑」など。
     

  • 話はよく出来ていて面白く、また中国の近代史をよく描いていると思う。

  • ノーベル賞作家と聞いて手にしたが合わなかった。文体も軽い。中国の現代史に興味がある人向け。

  • ノーベル賞作家は面白い。
    中国山東省で大地主だったが土地改革で銃殺され〜
    ロバ、牛、豚、犬、猿と次々と生まれ変わる男の話。
    宇宙と時間がクルクル廻って奇想天外!
    これぞ莫言ワールドの醍醐味。
    上下巻合わすと比較的高い書籍となるが、
    買えない方は〜
    古本はあまり出ていないので図書館で読むしかない。

    莫言をあまり読まれていない方は
    「牛・築路」から入られてはどうか。
    こちらは文庫もあり短篇で読みやすくオススメ。

  • 私の評価基準
    ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
    ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
    ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
    ☆☆ 普通 時間があれば
    ☆ つまらない もしくは趣味が合わない

    2012.11.3読了

    小説の力を感じさせる作品。
    この小説を読もうと図書館から借りた時に、莫言さんがノーベル賞を受賞された おめでとうございます!

    そんな訳で、とても期待して読み始めたが、期待を裏切らず、読むのがとても楽しかった。日頃、読んでいる小説とは違い、一言で面白いという小説ではないが、読んでいると小説の世界にすっと引き込まれ、とても楽しい読書の時間を過ごすことができる。

    ノーベル賞作家さんなので、私が内容をどうのこうのいう事は無いが、やっぱり日本の私が期待している作家たちにも、こういう小説を書いて欲しい。
    まっ、でも、作品中で作者が時々、ああでも無い、こうでも無いと出て来るが、それがスタイルなのだろうが、あんまり頻繁だとウザい。
    それを除けば、汚い描写も含めて、とてもようございました。

    そして、必ず書いておきたいのが、訳者の吉田富夫さんの力量です。
    私は、知らずに読みましたが、多分、その分野では衆知の方だと思います。この方の訳無ければ、こんなに楽しい時は、過ごせなかったと思います。
    やっぱり、翻訳は大事だなあ。

  • こ れ は 面 白 い !!
    先日ノーベル賞を受賞した莫言、「赤い高粱」に続いてこの作品を読んでみたのだが、演義の体裁で語り口なめらかに(訳者の吉田富夫氏の巧さも大きいと思う)描かれる中華人民共和国成立から改革・開放を経てのミレニアムまで、激動の時代を生きるとある地主一族のそれぞれの人生と末路…ただでさえ題材的にも壮大な大河ドラマで面白いというのに、それが当の地主がロバ・牛・豚・犬・猿と転生する中での思い出語りという目線で描かれているのだから、それはそれは面白い。
    背景となっているのはこの半世紀に渡る現代中国の混乱と矛盾に満ちた歩みだが、「赤い高粱」同様そうした時代背景は、ここではあくまで登場人物たち――いつの時代もただ必死に生きている登場人物たちの、人生の背景でしかない。だが、社会への問題提起や政策の批判が直接描かれているわけではなくても、文章から香り立つ皮肉な眼差し、時代に翻弄され自らの欲望に踊らされる人々に注がれる愛情の混ざったそれとは異なる突き放した皮肉な目線に、中国という国を内側から見つめる莫言の心情が感じられる気がした。笑えて泣けて、奇想天外なのにリアルな絶品大河小説。上下二巻。

  • 本書では西門鬧という地主が殺害されたあと,閻魔大王に無実の罪を訴え,現世に次々と転生していく。上巻では山羊,牛,豚となってかつての近親者の家畜となる。

    下巻は上巻よりも話がスピードアップする。豚の章は特にのりのり。ついに人に飼われるだけでなく,飛び出してイノシシの群れを率いるようにもなる。犬の章では,もうひとりの語り手である藍解放の浮気シーンが秀逸。

    奇想天外な物語に饒舌でリズムのいい語り,根底に流れる民衆の権威への反抗といったテーマは白檀の刑に通じる。ただ,話全体のまとまりで行くと,「白檀の刑」の方が良かった。それでも十分おもしろい。

  • おお、ノーベル賞受賞だ。翻訳なのか原文なのか、村上春樹とは全く異なるが、独特のワールドがある。動物に転生した殺された地主と、妾と小作人の子供の目を通し、動物の物語を織り交ぜて、中国の農村がなんとも面白おかしくコメディタッチに描かれている。が、それがかえって、物悲しさを誘う。作者本人も、バカバカしい村民の一人として登場させているのが笑える。
    上巻は土地革命から文化大革命の最中まで。ほんの60年前から40年前ぐらいはこんな感じだったのかと少し驚いてしまう。下巻は文化大革命からどこまでかはよくわからないが、どのように経済発展し、農村の人々がどのように変化していくのか、とても興味深い。
    ときどき、ばかばかしさの中に、ものすごく美しい情景の描写があり、荘厳さを感じる。

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著者プロフィール

中国・山東省高密県出身。小学校中退後、1976年に人民解放軍に入隊し、執筆活動を開始。『赤い高粱(コーリャン)』(1987年)が映画化され世界的な注目を集める。「魔術的リアリズム」の手法で中国農村を描く作品が多く、代表作に『酒国』『豊乳肥臀』『白檀の刑』など。2012年10月、ノーベル文学賞を受賞。

「2013年 『変』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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