ニッポンの横顔

著者 :
  • 中央公論新社
3.75
  • (1)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 10
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120039485

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 『巧妙が辻』などの脚本家として知られる大石静氏のエッセイ本。
    『ニッポンの』という題名から、得てして、固く、仰々しく、マクロ的な視点で、あまつさえ右にも左にも寄るような内容を想像しがちですが、そんなことはなく、氏の視点で、あくまで経験則と日常生活を元に、軽く、ウィットに富み、少々皮肉をスパイスした文章で綴られている本です。

    この内容そのものが『=日本の現状』というふうに直結することはほとんど無いけれど、読み進めていくうちに、「あ、何となく分かる気がする」と思ってしまうこともしばしば。『婦人公論』といった、女性向けの雑誌に投稿したエッセイをまとめているので、どちらかというと、年配の女性が読むと割りと共感を得そうかも。だからと言って男性や若年層が共感は得られない、というのではありませんので、「こういった視点もあるんだ」という気持ちで読むといいと思います。
    内容としても、特別に日本の将来に危機感を提示しているものでもありませんが、身近な視点で描いているだけに、小さな事でもその積み重ね次第で、日本という国の未来が大きく揺らいでしまうこともある。氏自身としても、こうあって欲しいという、願いに似たような提言がいくつかありますが、結局のところ、選ぶのは僕達で、僕達の気持ち次第、というところでしょうか。

    また、『日本の今昔』についての言及が比較的多いと思いました。「昔は良かった」的な。そこまで強い意味ではなく、どちらかと言うと「今は昔に比べて寂しい」という感じでしょうか。「昔に戻せ」と強制しているわけでもなく、「今」もいいところがあると思う上で。
    人も土地も国も、時と共に変わっていく。でも変わって欲しくないものもある。昔を知っていれば尚更のこと。きっと僕自身も、あと数年数十年もすれば、そんな思いを抱くようになるのでしょうか。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

大石 静(おおいし しずか)
1951年東京都生まれの脚本家・作家・女優。日本女子大学卒業後、女優になるため青年座研究所に入る。1981年、永井愛と「二兎社」を設立、二人で交互に女優と脚本を担当。1986年『水曜日の恋人たち 見合いの傾向と対策』で本格的に脚本家としてデビュー。
以降、多数のテレビドラマの脚本を担当することになり、1991年脚本家に専念するため俳優を廃業、二兎社を退団。1996年『ふたりっ子』で第15回向田邦子賞、第5回橋田賞受賞。2008年『恋せども、愛せども』により文化庁芸術祭賞テレビ部門(ドラマの部)優秀賞受賞。2011年『セカンドバージン』により東京ドラマアウォード2011脚本賞、放送ウーマン賞2010を受賞。アニメ『神撃のバハムート VIRGIN SOUL』の脚本も務めている。
飛躍する若手俳優を見抜く眼力に定評があり、内野聖陽、佐々木蔵之介、堺雅人、長谷川博己を自らのドラマに登用してきた。2019年、NHK札幌放送局が制作する北海道150年記念ドラマ、嵐・松本潤主演「永遠のニシパ~北海道と名付けた男 松浦武四郎」(ニシパは小さいシが正式表記)脚本を担当。
『セカンドバージン』等、ドラマ脚本作の単行本・文庫化作は多い。2018年に対談を書籍化した『オンナの奥義 無敵のオバサンになるための33の扉』を刊行している。

大石静の作品

ニッポンの横顔を本棚に登録しているひと

ツイートする