ゼルダ 最後のロマンティシスト

制作 : Gilles Leroy  傳田 温 
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 14
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120039874

作品紹介・あらすじ

アラバマ一の美女と謳われた奔放な青春時代。グラマラスなカップルともてはやされた放蕩の日々。小説を書き、絵を描き、バレエに熱中してもなお、夫の支配から逃れることができなかった結婚生活。フランス人飛行士との恋、飲酒に溺れていく夫との衝突、避けがたく見舞う精神の崩壊-没後60年、当時の風俗や実在の人物をちりばめて、嫉妬、焦燥、自己破壊の衝動に苛まれながら、断崖の山道を猛スピードで駆け抜けるがごとく生きた、激しく濃密な48年を独創的に描く。フランスで27万部突破のベストセラー小説。2007年ゴンクール賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 作家スコット・フィッツジェラルドの妻であり、彼の小説の中で描かれた新しい自由な女、ゼルダ。
    彼女の生き方はひとつの衝撃である。
    彼女の生き方が衝撃的であろうがなかろうが、本書はゼルダの人生をなぞりつつ、小説の体裁をとり、読み物としての完成度は高い。

  • 1940年(スコット・フィッツジェラルドが死んだ年)を現在と時間軸を設定し、18歳の頃(1918年)から1943年までを振り返り1人称で物語る、ゼルダ・フィッツジェラルドを題材とした小説。時系列順に従い、時として精神科医との会話や病室での告白が唐突に断続的に挟まれ、あたかもゼルダの精神の揺れる様のよう。ただ、この本は評伝でも伝記でもないので、何故ゼルダが狂気に陥ったのか、という事に重きを置いていない。自伝的な物を期待していたので少しガッカリ。47年の生涯を精神病院の火事で終えたゼルダ。サラマンダーの人。

  • 『グレート・ギャッツビー』の作者フィッツジェラルドの妻ゼルダの生涯を描いたフィクション。ゼルダは、お父さんは最高栽判事、祖父は上院議員というアラバマ州きっての名家の生まれ、加えて、本人はミス・アラバマに選ばれる程の美人とあっては男が放っておかない。ハイ・スクール時代から女王様のような奔放な生活を送り、男どもを鼻であしらい、お眼がねにかなった男を物色する。そして出会ったのが美貌もあり、知性もあり、ニューヨーカーのフィッツジェラルド。すったもんだのあげくにフィッツジェラルドと結婚するが、自分には家柄と美貌しかないことに気づき(頭は空っぽ)、スコットの才能に嫉妬し、フランス人空軍パイロットと浮気し、自らを崩壊させ、精神を病んでいく。

    まるで、3文オペラの主人公のような人生だ。これをフランスの女流作家が描き、ベスト・セラーになり、07年のゴンクール賞を受賞してしまうから驚きだ。フランスには日本の『女性自身』、『女性セブン』のような雑誌がないので、このような上流社会のスキャンダラスな女性の私生活を暴くというスタイルが好かれたのだろうか?作者自身は、しばしば、デヴィー夫人のように語られるゼルダが、実は下らない男社会の犠牲者だといって一矢報いたかったのだろうか?

    女性の人並みはずれた、権力欲、嫉妬心は醜く、読んでいて気持ちのよくなる小説ではない。唯一、男性社会に並外れた『恨み節』をもった女性が共感できる話かもしれない。また、フィッツジェラルドのファンにとっては、ゼルダがどんな女性だったかを知る愉しみは与えてくれるかもしれない。

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