物語批判序説 35ブックス

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120040542

感想・レビュー・書評

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  • 物語批判というよりは物語ることへの批判。前半は「私には語るべき言葉を持ち得ない」という論調。後半は「論説からの解放」という結論に着地、自由に語ることへの肯定。だいぶ希望に満ちた「終わり」でとても嬉しくなった。
    完全に理解するにはレベルが足りなかったのでフロベールを読もうと思います。

  • 3/22読了

  • I部ではフローベールの「紋切型辞典」を引きつつ、物語ることが一部の知的階級の特権から解き放たれて流行語の時代から問題の時代へと回遊する説話論的磁場を変えていく歴史的な経緯から、II部ではロラン・バルトの「作者は死んだ」という言葉をめぐって作者とエクリチュールの関係性を考えることで、現代に残された物語の可能性を探る──と書きながらも断片の理解がバラバラとこぼれ落ちていく感覚。やっぱりダメだな、一回流し読みした程度じゃ。とはいえ、本書と向き合いながら何度となく感じたのは、現代の話者に残された限りなく八方ふさがりな状況をこれ見よがしに提示して見せつつ、さあ、ではあなたはどう次の一歩を出すか、と挑発するかのような、蓮實氏一流の(といっても同氏の著作は今回初めて読んだのだが)発破なのでは、ということ。どの道を辿っても紋切り型に辿り着いてしまう言葉の迷路としての説話論的磁場には、エンデが「モモ」の中でモモに後ろ向きで歩かせてマイスター・ホラの部屋へ辿り着かせたような倒錯的な抜け道があるんだろうか。知恵熱が下がったらもう一度読んでみたい。

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プロフィール

フランス文学、文芸批評、映画批評。第26代東京大学総長、同大学名誉教授。1936年生まれ。著書に、『映画時評 2009-2011』『映画時評 2012-2014』(講談社)、『「ボヴァリー夫人」論』(筑摩書房)、『凡庸な芸術家の肖像──マクシム・デュ・カン論』(上下、講談社文芸文庫)、『「ボヴァリー夫人」拾遺』(羽鳥書店)、『伯爵夫人』(新潮社)など。

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