これでよろしくて?

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120040573

感想・レビュー・書評

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  • 主婦の菜月の、穏やかな日々。
    菜月と光、結婚して6年。
    子どもはまだない。
    親とも同居していない。
    2LDKのマンション住まい。
    夫は長男だけれど、彼の義父母は、次男の弟夫婦と同居している。
    働いていない。


    正直、こんな生活できる人って、かなり幸せ。

    そんな菜月が、「これでよろしくて?同好会」に誘われる。

    「これでよろしくて?同好会」の面々との話がおもしろい。
    たわいもないような話の中で、菜月がいろいろと考えること。

    嫁姑のこと。
    親子のこと。
    夫婦のこと。
    他人付き合いのこと。

    いろいろ。

    少し、主婦の甘えを反省しながら、私もいろいろと考えました。

    ちなみに私が中の登場人物で一番気に入った人は、みづほさん。

    読みやすい本です。

  • 結婚をして、生活に可もなく不可もなくといった感じの主婦が、ひょんなことからお話同好会に参加する話。
    これでよろしくて?とのネーミングが上品かつ小粋でいいなあ、とまずそこに惹かれた。
    毎回議題があり、それをえんえん語るだけなのに、議題が面白い。そこから広がるものあり、逸れるものあり。
    豊かに生きよう、とか悩みを解決しよう、とか目的があるわけではなく、ただ議題について語るその自由さがのんびりしていて良いなあと思った。
    そのくせ、なんとなくこれまで言葉に出来なかったもやもやがなんだかすっきりしていたり。
    この作品は楽しい。おすすめ!

  • 展開が津津とせず、イライラ気味。後半斜め読み。
    菜月の心の声や彼女の性格を表すが如くの話が脇道に逸れる感じも、飽きさせる要因になってしまった。
    でも、女性同士の井戸端会議はいいよね。

  • おおっ聡明だな。いい。

  • 『これでよろしくて?同好会』・・・どうでもいいことを議題にあ~でもないこうでもないと議論しているくえない女たちの会。
    読んでいて思わず吹き出してしまったり、うんうんと同感したり、
    へえ~っと感心したり、納得したり。
    くえない女たちの会話は興味深いです。

    もしも参加できるならぜひとも参加してみたい。
    そしてもしも、偶然入ったお店で隣り合わせた席で
    こんな会話が聞こえたら、絶対、ダンボ耳でききいっちゃいそう。

  • 最近、苦手になりつつあった川上作品。

    久しぶりにヒットしました!!

    主人公に共感しまくりでびっくり。

    この同好会に入りたいなぁ

  • 平凡な結婚生活を送る菜月。

    偶然再会した元彼の母のすすめで入ることになったある集まりは
    「これでよろしくて?」だった。

    義妹と義母の家出と夫の無頓着さ、結婚生活や日常の人とのかかわりあいなど
    これでよろしくて?では様々な議題について個性豊かなメンバーと、熱く語り合う息抜きのひと時。

    なかなか、おもしろい。
    たいした変化もないけどなんかつい読んでしまいふむふむと思っている自分がいる(笑

  • いいなぁこの同好会。主人公いわく「くえない女たち」の集まりなのだが、ひとりひとりの個性がきわだっているし、みんなあわせたときのバランスもすばらしい。

    結婚とか家族とか会社とか、いろいろな関係性のあいだによこたわるもやもやとした、どっちかというと些細な諸々を描き語りながら、根本的なこと、とっても大事なことをやんわりと浮き彫りにしていく手腕はいつもながら見事。

    ほぉーとおもわず感心してしまう名台詞がたくさん。

    ちっとも説教臭くなく、すとーんと「腑に落ちる」というか、あたまではなくてからだがしみじみ感じとる、そういうお話として綴ることができる才能というか技能というか、ただただ、すごいなぁと思う一冊。

    日本語が読めてよかった

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      川上弘美って私的には「ありゃりゃ」の人なんです。読んでいるとチョッと違う世界にスポッと落っことして呉れるような、、、この「これでよろしくて?...
      川上弘美って私的には「ありゃりゃ」の人なんです。読んでいるとチョッと違う世界にスポッと落っことして呉れるような、、、この「これでよろしくて?」には少なかった、きっと男の私には判り難い世界の話だったんだろうな、と思っています。
      2013/02/13
  • 11/14/10図書館

  • 女性の井戸端会議みたいだけど、司会がいて書記がいて
    テーマもあるのだが、繰り広げられる自由な会話が楽しい。
    「これでよろしくて?同好会」とは?。

    女達の輪から少し離れたところに突っ立って、話を聞いている
    ような自分がいました。

    『ほー、女はそんな事を考えるのか』とか、嫁姑の話では
    『あー、我が家でも有ったなぁ~。そっか、あの時の私の態度は不味かったんだなぁ』なんて思い当たる事だらけでした。

    我が家に母が遊びに来た時のいつもの会話。
    「あらっ、気を使んでもいいよ」と母、「気なんか使っていないよ」と言いながらメチャ気を使っている女房。
    なぜ、そうなるのかの心理過程が少し分かりました。

    作者が女性だけに、女性独特の文体ではありますが
    この本は世の亭主が読むと愕然とするはずです。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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