- Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120040696
感想・レビュー・書評
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ラストの展開は衝撃でした。家族の絆の深さを感じました。人生はいつだってやり直せるのだと思います。
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後半は益々加速しました。なるほど、そう云うことだったのかと感心もしました。前半も悪くなかったけど、後半は本当に良かった。引き込まれました。これはドラマ化、ありでしょう!
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汐灘で、両親を惨殺され、世間は被害者より加害者に同情的で故郷で居場所を失い、会社を継ぐことを拒否し、故郷を捨て人間関係も絶つように夜間営業の喫茶店を営む男。ある日店に現れた若い女性が店を出た直後に交通事故に遭い、意識不明になる。彼女の身元は不明、ヒントは汐灘の地図。彼女の身元を明らかにするために、葛藤を抱えながらも20年ぶりに故郷へ向かう。
一方、惨殺事件の犯人の息子。事件当時すでに司法修生だったが、検事の夢はあきらめ弁護士となった。故郷には戻っていないが、死刑になった父のことも隠さず堂々と生きてきた。しかし故郷汐灘で父の起こした事件と似た状況の惨殺事件が発生。犯人の弁護の手伝いを頼まれ、汐灘へ向かう。
自分と向き合うことさえ拒否してきた男、向き合ってきたと信じてきた男、交わらなかった二人の人生が汐灘で交わる…
そして「夜」が終焉する。
あまりにも重い状況ではあるが、人間の心理はよく書けていて、ぐいぐいと作品世界に引きずりこまれ、上下巻のボリュームも忘れ、一気に読んでしまった。ヒューマンドラマにでも分類すべきか。力作である。
追記
文庫化で再読。初読時とちがい、展開が気になって読むのが止められないということはなかったが、重いテーマでありながら、やはり引き込まれてしまう。そして再読了後も評価は★5つ!