早雲の軍配者

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120040993

作品紹介・あらすじ

伊豆・相模の地を平定した北条早雲の次なる策は、周辺諸国から領地を守る次世代の指導者たちを育てること。風間一族の少年・小太郎は学問の才を見出され、早雲の直弟子として日本最古の大学「足利学校」へ送り込まれた。若き日の山本勘助らと机を並べながら兵法・占術・陰陽道・医術・観天望気・軍陣の作法など、戦国大名のブレーン「軍配者」に必須の学問を修めた小太郎は、やがて戦場で友たちと再会する…。

感想・レビュー・書評

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  • 軍配者シリーズの第一弾。まあ、小田原出身者としては読んでおきたい作品。風魔小太郎については諸説入り乱れているので、こんな設定もありかな...。忍者じゃなくて軍師かよ!時代小説というよりは、小太郎の成長記録。次作も楽しみ。

  • 気軽に読めて、かつ熱くなる戦国時代モノが読みたかったので、以前から気になっていた軍配者シリーズを読み始めました。

    軍配者とは戦のスペシャリスト。
    戦略を練る、観天望気で天候を予測する、易で戦の行く末を占う…。
    そういった業を体得した、軍にとって要の存在です。
    歴史に名を馳せた武将の傍らには、有能な軍配者の姿があったのです。

    当時は下野の足利学校や京の五山で、四書五経や兵書を学んだ者が軍配者となったとのこと。
    この物語では、足利学校で出会った3人の青年が共に学び、互いに戦場で相見えることを約束して別れた後、それぞれ軍配者としての道を歩んでいくのです。

    シリーズ1冊目である本書は、北条家の領地となった韮山から始まります。
    引退後の北条早雲に才能を見出された少年・風間小太郎が主人公。
    早雲は自身の死後も北条を滅ぼさぬよう、北条のために尽くす有能な軍配者として小太郎を育てることに決めるのです。

    「戦は嫌いだ。しかし、北条が治める地の農民たちはみな幸せそうに暮らしている。だから幸せに暮らせる民を多くするために戦をするのだ」という小太郎の優しさと、早雲への揺るがない忠誠心が、彼の強さの源なのでしょう。
    戦にかけては天賦の才を持ちつつも、親しみやすく謙虚な人柄の小太郎がとても魅力的でした。

    私は歴史に詳しくないのでこの物語がどれだけ史実を踏まえているのかはわかりませんが、彼らのような存在が戦国時代を動かしていたのかも…と思うとわくわくします。
    足利学校で友となった3人が、それぞれの立場から戦国の世をどのように動かしていくのか、先を読み進めるのが楽しみです。

  • ブラタモリの足利学校つながりで、興味が湧いた。
    自学自習のスタイルに驚いた。
    責任感を持って積極的に学び取っていく小太郎に
    好感を持った。

  • 2020.9.17完了
    以前の謙信の軍配者に続き、間は空いたが読んでみる。
    謙信~は四郎左に感銘を受けたが、今作品はちゃんと?小太郎だった。風摩と風間党の捉え方にも驚いたがそこの関わりはそれほど取り上げられなかった。
    根来金石斎は大藤信基のことかなと推測しながら読むのも、以前に読んだ’城をひとつ’に繋がるところがあったので嬉しかった。

  • 軍配者という言葉も知らなかった歴史初心者ですが、面白く読めました。「早雲の・・」というよりも、3人の若者のさわやかな青春群像って感じでした。

    「戦をなくすために戦をする」という時代に生まれてしまったことが悲しいですが、その時代に必要な人がそこにいるのでしょう。

    風雲の子供たち---軍配者誕生物語---

  • 陰陽師+軍師の役割を担う軍配者をめざす若者の物語。
    三部作の第一作目。
    キャラクターが個性的で漫画っぽく、話も筋が分かりやすかったので早く読めました。
    小太郎、四郎左、冬之介の三人の、戦では敵になることが分かっていても
    また戦場で会おうと言える友情が良かったです。
    この三人にとって戦が同窓会になるのかと考えると面白いなと思いました。

  • 表紙を見た時は、今時仕様の軍記物かと思い躊躇したが
    全然そんな事はなかった。
    合戦シーンの割合は低く、軍記ものに非ず。
    かといってライトノベルのような軽いものではないが
    登場人物の性格ゆえか、爽やかな印象ですっきり読みやすい作品。
    足利学校は名前しか知らなかったので、その辺りも面白く読めた。
    逆に学校時代をもっと読みたかったくらい。次作にも期待♪

  • 先輩jun_skyさんに(「のぼうの城」を読んだならと)すすめてもらい、読了。
    満足満足(^'^)
    富樫倫太郎さんの著作は伝奇物しか読んでなかったので、けっこう意外に感じた。成長物語として読んだのだが、あまりにもまっすぐ過ぎてひくところもありますが、続編『信玄の軍配者』さらにもひとつもありそうなので、続きも期待します。

  • この小説の特徴は、戦ものとも学園ものともいえる、
    程よいミックス間です。
    各ジャンルを読みつくした感のある読者には、
    新鮮な境界線上の物語としてうつるのではと思います。
    (悪く言えば若干の中途半端感も無くは無いですが、
    そこは今回はまだシリーズの第1巻ということでご愛嬌!)

    戦ものといっても、この1巻目はまだ軍配者になるために教育期間がメインです。
    戦を通じてではなく、村での暮らしや城主の考え、戦への取り組み方、
    足利学校への道のり、そこで出会う友人たちなどを通じて、
    時代の雰囲気が存分に伝わってきます。
    (戦国時代といっても、戦って結構ビジネスライクであっさりしているところもあるなぁとか、
    人の命が駒のように扱われることに違和感を覚えつつも、
    これは当時の正当な政治や経営のツールだったのだなぁというようなことを感じました。)
    時折時代背景や各地の家同士の争いの変遷などについての説明も挟まり、
    ライトノベルほどは読みやすくはありません。
    しかし、うまくフィクションと史実が織り交ぜられ、
    登場人物やストーリーが歴史の中で活き活きと立ち上がります。

    レビューの続きはブログ「サーチン’ ザ・サーチ」へ>>http://blog.livedoor.jp/asunaro_library/archives/50549043.html

  • 時代小説とは思えないほど、スラスラ読めて、面白かった!
    北条早雲に見出された少年、小太郎の成長して行く様が実にいきいきと分かりやすく描かれており、時代小説が苦手な人にもオススメ。

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著者プロフィール

1961年北海道生まれ。98年に『修羅の跫』で第4回歴史群像大賞を受賞しデビュー。以降、時代小説や警察小説を中心に活躍。本書はドラマ化もされた「生活安全課0係」シリーズの主人公・小早川冬彦が、警視庁本庁から日本各地へ活躍の場を広げていくシリーズ第2弾。著書に「SRO 警視庁広域捜査専任特別調査室」「スカーフェイス」「警視庁SM班」などのシリーズ他多数。

「2023年 『スカイフライヤーズ 警視庁ゼロ係 小早川冬彦Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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