エッセイ脳: 800字から始まる文章読本

著者 :
  • 中央公論新社
3.64
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本棚登録 : 262
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120041167

作品紹介・あらすじ

言葉の選び方、書き出しの心得、起承転結の「転」を利かし書き手の「ええーっ」を読み手の「へえーっ」に換える極意とは?しなやかに感じて、したたかに描く、奥義を伝授。人気エッセイストが初めて明かす文章術。

感想・レビュー・書評

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  • 社会人になって十数年、文章といえばビジネス文書のことしか頭になかった私。
    最近になって、自分の考えや感動を伝えてみたいという衝動が湧いてきた。
    が、これまで書いてきたビジネス文書は、読み手に正しく情報を伝達することが目的。つまり、論理的に頭に働きかける文章である。
    一方、読み手の共感を得るには、感情に働きかける文章力がほしい。そこで、レビューを参考にこの本を手に取った。

    若い頃「ビジネス文書の書き方」みたいな本や雑誌は何度も読んできたが、本書に出てくる文章術は、今まで一度も目にしたことのないものばかり。
    ビジネス文書どころか、小学校で習ったことすら当てはまらない教えの数々。

    その一例。
    『起承転結で一番言いたいことは…「転」に書く。』
    いやいや普通、「結」でしょう。
    エッセイでは「ある、ある、へえ〜、そうなんだ」の「へえ〜」が書き手の一番驚き感動したことであり、一番伝えたいことなのだから、中心は「転」ですよ、と著者。

    確かにそうか。
    読み終えた瞬間、すでに心を動かされている自分に気づく。まんまと、やられた。
    本書の中では、他にも、読み手の感情に作用するテクニックを、シンプルにわかりやすく紐解いている。
    ビジネス文書以外を書く時には、教科書のように隣に置いておきたい一冊になった。

  • エッセイだけじゃなく。文章を書く時に使える知識があって参考になる。
    特にブログ書く人にはおすすめかも。

  • 起承転結 『転』(びっくりしたこと)を軸に書いていく
    「枠組の文」(説明、描写のまとめ)話のアウトラインの設定、要所要所でのポイントの設定「描写」(詳しい枠組み)「台詞」ポイントやアウトラインを担わせない
    不自然でないカメラワーク(視線の流れ)

  • エッセイの書き方の手順が理解できた!
    結構実践的で、例もわかりやすく私にとってはとてもためになる本だった。
    エッセイの構造がわかる。

  •  エッセイは自分の書きたいことを他者が読みたくなるように書く。起承転結を入れ替えるとよいなど、読んでもらえる、読みやすいエッセイの書き方が学べる。

  •  書かれているハウツーについては結構気付きがあった。
     「ふ〜ん」で終わらせないこと。当たり前だけど、我がblogは大抵「ふ〜ん」だな。
     800字や1200字でも、てか、短いものだからこそ、事前に構成を書かんとなー。

  • 起承転結でいえば、転が大切。へぇーとなるところ。結は流れでよい。

    転から組み立てる。

    本書で紹介される例エッセイがかなり面白い。構成がしっかりしてるとこんなに読みやすいのか、というのを知る。

    800字ー1,600字という限られた範囲内で、全ての文章に意味があるようなエッセイの書き方を学ぶことができる。

  • 女性エッセイスト岸本葉子さんのエッセイ指南書。自身のエッセイを題材に、分量は少なくとも読んだ人の気持ちを少し軽く幸せにするようなエッセイはどうすれば書けるのかについて、優しく教授してくれる。

    岸本さんのエッセイは、女性らしく繊細な感性と巧みな文章力が相まって、読む人を瑞々しい気持ちにさせてくれる。

    人には、賑やかでいかにも楽しそうな出来事やイベントに喜びを見出す人と、何気なく平凡で他の人からすれば何てことないことの中に自分なりの喜びを見出す人の2種類があると思う。(僕はおそらく後者だ)

    そして後者の自分なりの喜びに価値を感じる人は、エキサイティングな体験談に興味を持ちこそすれ、そこに共感や喜びを感じることはできない。他人から伝えられるときにもやはり、パーソナルでささやかな出来事や想いに強い幸せを感じるものなのだ。

    エッセイが難しいのは、何気なく平凡で普通ならば他の人にわかってもらうことなど難しい個人的ことを、他の人にも共感できる形に料理をし差し出す技術が問われているからだと思う。(普通のスーパーで食材を集めて料理することを求められている家庭料理研究家のようなものか)

  • 斜め読み。作者なりのHow to が詰め込まれた本。参考書のような内容になっている。ですます調で解説してあり、講義を受けているような気分になる。

  • エッセイとは何かを定義して、書き方を解説。
    そんな本ある⁈
    まぁエッセイを書こうとは思わないが。

    軽く読める文章には色々な気づかいがある。
    たぶん軽く読めて、へー、そうなんだ、と思わせるのが1番難しい文章だと思う。
    エッセイを書く際のテクニックにもへー、そうなんだ。があるという素晴らしさ。

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著者プロフィール

岸本 葉子
1961年鎌倉市生まれ。東京大学教養学部卒業。エッセイスト。会社勤務を経て、中国北京に留学。著書に『エッセイの書き方』『捨てきらなくてもいいじゃない?』『50代からしたくなるコト、なくていいモノ』『楽しみ上手は老い上手』『50代、足していいもの、引いていいもの』(以上中公文庫)、『ふつうでない時をふつうに生きる』『モヤモヤするけどスッキリ暮らす』『60代、少しゆるめがいいみたい』(以上中央公論新社)、『ひとり老後、賢く楽しむ』『ひとり上手のがんばらない家事』(以上だいわ文庫)、『わたしの心を強くする「ひとり時間」のつくり方』(佼成出版社)、『60歳、ひとりを楽しむ準備』(講談社+α新書)、『90歳、老いてますます日々新た』(樋口恵子氏との共著、柏書房)、俳句に関する著書に『私の俳句入門』(角川ソフィア文庫)、『岸本葉子の「俳句の学び方」』(NHK出版)、初の句集『つちふる』(KADOKAWA)など多数。

「2024年 『毎日の暮らしが深くなる季語と俳句』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岸本葉子の作品

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