ナチを欺いた死体 英国の奇策・ミンスミート作戦の真実

  • 中央公論新社 (2011年10月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784120042997

みんなの感想まとめ

第2次世界大戦中の「ミンスミート作戦」は、イギリスの諜報部が巧妙に仕掛けた欺瞞作戦であり、歴史の転換点となったシチリア上陸作戦の成功に寄与しました。死体を利用して敵国を欺くという発想は、情報戦の重要性...

感想・レビュー・書評

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  • 大戦下の奇想天外な作戦とは!?『オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―』2月公開&予告も到着|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
    https://moviewalker.jp/news/article/1065137/

    ナチを欺いた死体|単行本|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/tanko/2011/10/004299.html

  • 第2次世界大戦中、連合国側が北アフリカを奪還した後、ヨーロッパ戦線を有利なものにするために手に入れたかったのは地中海の制海権だった。そこで、上陸地として目を付けたのは、イタリアのシチリア島。しかし、ドイツもシチリア島の重要度を十分に理解していたので、そこに攻め入るのは多大な犠牲を伴う。
    ドイツの注目をシチリア島から逸らすには?

    薬物自殺を図った男の死体を、地中海で墜落した飛行機に乗っていた兵士の溺死体に仕立て上げ、その死体に連合国側がギリシアへの上陸作戦を準備中との機密文書を持たせる。スペインの漁村に流れ着いたその死体と機密文書は、ドイツの知るところとなり、シチリアへの注目度が下がる。

    イギリス諜報部が考え出した「ミンスミート作戦」である。死体を不法に手に入れ、変装させ、この作戦は紆余曲折があったけれどイギリス側の思惑通り遂行され、イギリス・アメリカ両軍はシチリア島上陸作戦を成功させる。

    この「ミンスミート作戦」を立案・実行したイギリス諜報部には、007シリーズの原作者イワン・フレミングも在籍していて、ここで活躍するスパイ・二重スパイ達は、まさにジェームス・ボンドさながら。

    第2次世界大戦の大きな転換期はノルマンディー上陸作戦だと思っていたけれど、その前のこのシチリア上陸作戦がドイツ敗北の大きな転換期になっていたのだ。その作戦成功の大きな要因になっていた「ミンスミート作戦」。戦争における情報操作の重要性を実感した。

    日本が負けるはずだよ。

  • シチリアが上陸地でないと欺くための作戦

  • 第2次大戦秘史、とはいえ英国本国では戦後早々に当事者による回想録出版やその映画化があり、有名な話らしい。
    現代の目で見ればかなりいろいろと雑なのだが、筆致がしごく真面目なせいか、「暗殺の政治史」(リチャード・ベルフィールド)のようなトンデモ(な面白)さは感じなかった。
    とはいえ、英国情報部に奉職する貴族の兄と共産主義者の弟、砲兵の兄と葬儀屋の弟、「ふたりのビル」など、キャラ立ちしまくりのメンツがフィクションでもかくはあるまいという運命の綾を織りなし、サー・バーナード・スピルズベリー、ルイス・マウントバッテン、エルヴィン・ロンメル、長年積ん読している「二重スパイ コード・ネーム「ガルボ」」(ジェイソン・ウェブスター)の主人公など有名人の登場もくすぐりとして効いている。巻末には関係者たちの詳細の後日譚も完備されていれば、サービス精神はバッチリである。

    2020/1/6~1/9読了

  • 「ミンスミート作戦」という二次大戦中にイギリスによって行われた欺瞞作戦について述べられたもの。作戦は、軍人に仕立てられた死体に極秘文書を携行させ海に流し、回収した敵国を騙すといったものであり、結果、大成功を収めた。情報機関の活動は成否を問わず明らかにされることは稀であるが、本書は、多数の資料掲載を含め詳細に調べ上げている。本書によってスパイ作戦の一端が垣間見られ、貴重である。関係者の緻密な活動と敵味方のプロたちの微妙な駆け引きが的確に表現されており、とても面白く読めた。歴史分析書としても秀逸な一冊である。
    「(作戦は)ある意味、クロスワード・パズル作りとジグソー・パズル作りを足して2で割ったようなもので、あとはパズルを受け取った相手が、ヒントを手がかりにピースをすべてうまくはめ込むことができるかどうかを見守るのと似ていた」p61
    「工作員のゆがんだ思考法を踏まえれば、完璧に見えるものは十中八九、偽物なのである」p109
    「偽情報をはっきり書きすればドイツ側は欺瞞に気づくだろうし、だからと言って曖昧すぎれば、手がかりそのものが見逃される恐れがある」p127
    「(本作戦は)大戦全体でおそらく最も成功した独立の欺瞞作戦」p390
    『実在しなかった男』は、ベストセラーでありハリウッド映画でも大成功を収めた。

  • 連合国がヨーロッパを席巻した枢軸国に対抗するために、シチリア島上陸を計画しているが、それを欺瞞するためにある奇策を実行した。死体に軍服を着せて、偽の高官宛ての文書を持たして、ドイツにそれを本物だと信用させる作戦である。作戦実施責任者が戦後に書いた「実在しなかった男」では真実はうまく隠されていた。今回この著者はその真実を明らかにした。それはとても興味深いものだった。幻の部隊や戦車を作る欺瞞作戦もあれば、幻の将校やスパイを作る欺瞞作戦もあるのだと。

  • 不幸な過去はまさに未来を活かす教科書であると思う。
    日本にもこのような間諜作戦が取られていたとしても驚かない

  • 第二次世界大戦中に行われたイギリスの奇策ミンスミート作戦の真実を丹念に描いたルポ。実話なのに、スパイ小説みたいで面白い!こんな奇策を考え出して、しかもそれを実行しちゃって、まんまと騙されてしまう人がいて、まさに事実は小説よりも奇なり。
    ジェームズ・ボンドの生みの親イアン・フレミングや、ジェームズ・ボンドの登場人物のモデルと思われる人物も登場し、まさにスパイ小説の世界。敗戦国日本と戦勝国イギリスの違いなのか、モンティパイソンを生んだお国柄イギリス人気質がにじみ出るからなのか分からないけど、日本の戦争物のような悲壮感がぜんぜん無い。
    訳者あとがきにもあるとおり、「追従癖」と「希望的観測」によって騙されていく危険性は、現代日本にも通じるものがあって考えさせられました。翻訳もこなれていて、すごく読みやすかった。

  • (欲しい!)欺瞞作戦

  • 最初はただの思いつきの(ネタが小説だものね!)がどんどん現実化していくその過程が面白かったし凄いなあと。そしてよくぞ成功したなあと思う。

  • これ、何がすごいって、スパイものなのに詳細に事実を説明するのに力を入れているところがすごい。一つの作戦に関わった脇役の人も詳細に描いてます。
    個人的には勝手にドイツのスパイに志願し、嘘の情報を流していた二重スパイの話がおもしろい。存在しない部下のスパイが増えていくなんて、なんともいえない。

  •  連合軍のイタリア侵攻(第二次世界大戦)の地ならしとして展開されたイギリス情報局保安部(MI5)によるミンスミート作戦に関するドキュメント。同作戦は、ただの病死体を航空機事故による将校の墜落遺体に見せかけ、偽作戦の情報を記したフェイクの手紙とともに、枢軸国側に収容せしめ、連合国の南欧の上陸目標がギリシャとサルデーニャ島であると信じ込ませることに成功したもの。冷静に考えれば馬鹿馬鹿しいことこの上ない作戦なのであるが、当事者が作戦のプロットを真剣に作り込んでいく姿、最終的にヒトラーを欺くことに成功するまでの過程において、偶然と必然が見事に重なりあう様の描写に引きこまれました。約500ページを2日で読了。

  • ●:引用、→:感想

    ●欺瞞は誘惑に通じる。恋愛と戦争、いや、不倫と諜報活動では、欺瞞が成功するためには、騙される側が程度の差はあれ、自ら進んで騙されたいと願っていなくてはならない。裏切られる恋人は、愛の印しか見えず、裏切りの証拠は、どれほどはっきりしていても決して目に入らない。嘘を真実だと無意識に思いたがる心、ゴドフリー提督の言い方を借りれば「希望的観測」は、いろいろな形で現れる。(略)しかしフォン・レンネの場合、偽文書を本物とあえて信じた理由は、まったく別のところにあったようだ。彼はヒトラーが嫌いで、ナチの軍事活動を妨害したいと思っており、偽情報を、それがまったく偽者で、きわめて重大な結果を招くと重々承知していながら、最高司令部に渡そうと決心していたのである。→「写真の裏の真実 硫黄島の暗号兵サカイタイゾーの選択」
    ●理由は何であれ、フォン・レンネは情報活動の達人という評価を受けながらも、1934年には、間違いだと分かっている情報をわざとヒトラーのデスクへ直接送り続けていた。
    ●フォン・レンネが連合軍の勝利に貢献したのは間違いないが、その本当の理由は今なお謎のままである。キューレンタールが運命の巡り合わせにより情報戦で負けようとしていたのだとすれば、フォン・レンネはまるで意図的に負けようとしているかのようだった。

  • いやあ、面白かった。
    どう考えてもフィクションがノンフィクションに勝てるわけないんじゃないか、という考えが確信に変わった。

  • あの時代にこんな情報戦の中で、綿密に計画された作戦があったとは、びっくりです。私がまだ小学性の頃「ブルーライト作戦」をテレビで見ていましたが、ふと思い出だしました。この本を読んで、、先日からメディアで報道されている中国の高官。まだまだ今でも現実に行われているんですよ。
    日本はその点ではスカスカのようだなあと感じました。人が良すぎですね。

  • とにかく読みづらい。登場人物が多すぎる(笑)。なんで入れたのかわからないような余計な記述も多く、水増し感がありあり。構成もいまいちだし、ノンフィクションといえども、適度なストーリーテリングの能力は必要なのだということを証明する一冊だと思う。この手のノンフィクションが好きな人にはたまらないが……(私は面白かったです)。

  • ブックレヴューで逢坂剛氏が面白い、と言っていたのを見て。が、途中でギブアップ。作家にtpっては資料価値があり、小説のネタの宝庫でしょうが、一般読者には感情移入しにくい。やはり小説でないと…ー

  • 非常に詳細な記録であり、ある意味小説よりも小説らしい。スパイがこんなにもいるのかというぐらいたくさんいて、騙し騙されて情報戦を戦っているのが、実話だというのだから驚く。拷問シーン等には触れられていないので、本当はもっと悲惨なものだったと思うが、わりにさらっと読める。関わった人達の人生に触れているのが興味深かった。

  • 事実は小説よりも奇なり。英国人って本当にとんでもない謀略好き。事実なのに、スパイ小説をよんでいるような錯覚。読了後は戦争の重さが相対化されるみたいなへんな虚しさが残って、後味は良くなかった。

  •  第二次大戦中、連合軍のシチリア上陸を欺くため、偽の情報を携えた死体をスペインの浜に打ち上げナチに違う上陸地を信じさせた作戦・ミンスミート作戦に携わった人たちの記録。
     イギリスの考えた作戦なのだが、それはもう信じがたいようなスパイ作戦。事実は小説より奇なりとは言うけれど、本当に007ばりの大作戦。そしてもっと驚くのは、このチームの中に、のちに007の作者となるイワン・フレミングがいた!!007に出てくる主要人物のモデルといわれる人たちもおり、いやぁ~面白かった!
     これ読んでたら、現代でもCIAやら北朝鮮やらって、本当にこんなことやってるのかも。そう思うと、コワ~イイ!

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著者プロフィール

イギリスの新聞タイムズでコラムニスト・副主筆を務め、同紙の海外特派員としてニューヨーク、パリ、ワシントンでの駐在経験も持つ。ベストセラー『KGBの男 冷戦史上最大の二重スパイ』をはじめ、『英国二重スパイ・システム ノルマンディー上陸を支えた欺瞞作戦』『キム・フィルビー かくも親密な裏切り』(以上いずれも小林朋則訳、中央公論新社)など諜報戦を追った著作に定評がある。『ナチを欺いた死体 英国の奇策・ミンスミート作戦の真実』(小林朋則訳・中公文庫)は映画化もされた。

「2022年 『ソーニャ、ゾルゲが愛した工作員』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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