- Amazon.co.jp ・本 (107ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120043277
感想・レビュー・書評
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サラダ記念日が出た頃からずっと、俵万智さんの歌が好きです。
いつだってストレートに心に響き、わかりやすい。
わかりやすいけれど絶対に彼女にしか出来ない表現ばかりだから。
ここで、「自分なんてこんなもん、そうたいしたもんでもない、そのたいしたことのない自分を、わざわざ表現してどうするねん」などと記されているがなんのなんの。
本書ではたくさんの恋を経て母となり、また新たな愛の表現力を遺憾無く発揮している、生き生きした彼女の歌に次々に出会え、サラダ記念日と出会った頃と似た、けれど違う、そんな印象に心震えた。
これまで沢山の、彼女の歌と写真とのコラボレーションを見てきたが、本書は初の写真が先、の1冊。
ここにも彼女のこだわりがしっかりと記されているが、たおやかで柔らかそうに見えて、芯の恐るべき強さのようなものも、しっかり健在だった。
生きづらさも沢山あったであろうといつも思うが、だからこそわたしは彼女が好きなのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
写真が素敵です。
それに添える形で俵万智さんの短歌が記載されています。
肩に力が入ってないかんじで、ふわっとあたたかいイメージなので、読んでいて癒されました。
お子さんへの愛情が感じられて、もしも子どもが生まれたら読み返してみたい一冊です。 -
はんとうに、人生は⁇?だらけだ、と思う。
自分なりに答えを出していくしかないけれど、
それが正解だったのか、確かめる術さえないことも多い。
あともどりして、もうひとつの道を選びなおすことができないとなから、しかたない。
…
けれど結局は、これでよかったのだと思えるよう、一日一日を積み重ねていくしかないだろう。
忘れられない春になってしまった。
会うならば ある日五月の雨上がり 水玉模様のワンピース着て
紫陽花の花言葉何と知らねども 「待つ」という語を想ふ六月
ひとりじめ できない人を5分だけ ひとりじめする コーヒータイム
ランチでも ディナーでもなく 朝ごはんを 一緒に食べる 人になりたい
水色の 風生みながら 走りゆく 少女が開く 朝のカーテン
これまで、写真というのは、瞬間を切り取るものというイメージが強かった。けれど、物語を内包し、見る人を旅に連れ出してくれる写真というものもあるのだなと知った。私の心は躍り、揺れ、旅をし、そして沢山の歌が生まれた。 -
子どもが生まれてから、歌が変わったなと思う
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3.11のことにも少しずつ触れながら書かれているがメインは写真家の写真に俵万智さんが短歌をつけていくこと。
景色に関しての俵さんのつむぐ言葉はとても素敵で、時間のある時にゆっくり読んでいきたい作品。 -
公立図書館で ふと手にとり、何気なく開いて目にした歌に、思いがけず目が潤んだ。一瞬にして・・・
こんなことは初めてだ。
貸出しの手続きをして、家に持ち帰って開いてみれば、もう目が潤むことはなかったが、思い至る。
そういえば、我が娘たちを含めても、もう何年も誰かと寄り添うことがない。。。 -
私はやっぱり、俵万智さんの短歌が好きだなあ、と感じました。
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いろいろな風景や思い出を蘇らせてくれる作品が多々。
最後はよい気分に!
ゆっくりとした時間が流れた。 -
奥宮誠次さんの写真に合わせて、俵万智さんが歌を詠まれた短歌集。ときどきエッセイあり。
仙台在住だった万智さんは、あの日、東日本大震災が起こった日、東京出張中だった。シングルマザーとして、一人息子を育てる母親でもある万智さんが、どんなにお子さんのことを心配されたか想像に難くない。その後、親子で石垣島に引越しをされるが、その辺りのいきさつや島での暮らしの内容も本書に触れられている。
地震後の暮らしと並行して書かれているのが、「自分探し」についてだ。石垣島での暮らしについては新聞のコラムで毎週読んでいるので、私にはこの「自分探し」についての万智さんの視点がとても興味深かった。
「今の自分を肯定できたなら、実は遠くに「自分」を探しにいく必要はないのかもしれない。」
「自分は何ができるのかではなく、短歌には何ができるか、ということ。それを、たいしたことのない自分なりに、やってみたい。人生の秋の考えかたかもしれない。」
人生の実りの秋、収穫の秋を迎えた万智さんならではの視点に、はっと気づかされた。 -
短歌と風景や人の動きを映した写真が結構マッチしていて、短歌というよりポエム集の写真付きを読んでいるよう な気分を味合わせてくれます。 俵さんの東日本大震災時の思い出なども綴られています。