日本を、信じる

  • 中央公論新社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (131ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120043444

作品紹介・あらすじ

ともに90歳を迎える二人が、大震災で感じた日本人の底力、生きる意味、自らの「老い」と「死」について縦横に語り合う。読めば元気の出る対談集。

感想・レビュー・書評

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  • 2018.5.5
    ドナルド、キーンさんを知ったのは讀賣新聞の日曜の連小説だった。なんとかクロニカルが毎週面白く楽しみにしていた。
    東日本大震災の1年後のこの対談。
    縁って不思議。

  • ドナルド・キーン氏と瀬戸内寂聴さんの対談の本。

    お二人とも1922年生まれってところで、
    「え?親父と同い年?」と超個人的にしみじみしちゃった。

    ってことは、親父が死んでからそろそろ20年くらいか?とか(苦笑)

    82歳位までに惚けなかった人は死ぬまで惚けないらしい

    という話になるほど〜と、妙にうなずけたりして。。。

    お二人とも、まだまだすごいお元気で羨ましい限りです。

  •  同じ1922年生まれで、共に文化勲章受章のお2人の対談集です。瀬戸内寂聴(~2021.11.9)&ドナルド・キーン(~2019.2.24)「日本を信じる」、2012.3発行。大地震・津波・原発事故の後の対談です。日本人の特徴は「清潔」「礼儀正しさ」の美徳と何が起きても立ち上がって前に進むたくましさ。

  • キーンさんがどう考えて日本人になったのか、何となく分かった。外から言われて日本の良さがわかるんだよなあ、日本人て。

  • ドナルドキーン氏の著作を読んでいた中で、この本は対談形式なおかつ文字も大きめなので、サクッと読めました。日本の文化や精神をどう捉えているのかーわかりやすい言葉で書かれ、改めて日本の良さを実感しました。

  • ドナルド・キーン氏が日本に帰化したニュースは震災後ということもあって話題になりました。
    でも、震災があったから決意したとかいうことではなく、本書を読むと震災の前からその意思をお持ちになっていてそれを貫いたのだということがわかりました。

    二人合わせて180歳の対談は内容も日本の歴史を感じさせてくれます。
    太平洋戦争や東日本大震災、福島原発事故という未曾有の体験をいくつもされながらも、それでも「日本の復興の力を信じる」と言い切る知と経験の大御所たちに大いに勇気をいただきました。

  •  友達よりドナルド・キーンさんの講演会に誘われたにも関わらず、キーンさんどんな方なのか全く知らなかったので、京都のジュンク堂で購入。

     瀬戸内寂聴さんと、今年日本に帰化された日本文学者ドナルド・キーンさんの対談集。
     お二人ともなんと90歳、知識が豊富で蘊蓄に富む対談で、特に仏教の無情観には今回の大震災だけでなく、日常の様々に照らし合わせて考えるところがあった。

     でも、文字が大きくうっすい本なので、ものすごくさらっと読めて物足りなかったかも。

     ちょっと、日本人のこと美化してる?って気もするけど、もう日本あかんで終わったで、って言うより「日本を、信じる」ってええ言葉やなって思いました。

     
     

  • 御年90歳同士の対談。
    日本の将来を思う様子が、言葉の端々から伝わってくる。
    しかし、それはありがちな諌言だらけではなく、
    代々の日本のよさを認めつつ、それでもこれから
    変えていくべきもの、残していくものが
    柔らかな口調で、そして時にはユーモラスに語られている。

    震災後に行われた対談であるが、決してこのままこの国は
    廃れていくのではないという、お二人の思いが伝わり、
    読んでいるうちに元気がもらえる。

  • 2012.7.1読了。

    寂聴さんもキーン氏も好きなので手にとった。甘いと言われればそうなのかもしれないけど、心は軽くなったし生きることに感謝もできた一冊。

  • (2012.06.04読了)(2012.06.04拝借)
    2011年3月11日の東日本大震災を機に、日本への帰化を決意して、日本永住を決めたドナルド・キーンさんと、平泉の中尊寺で得度して尼さんになった瀬戸内さんの対談です。
    東北や日本人や「源氏物語」について語っています。
    お二人とも90歳だそうです。ボケる人は、82歳ぐらいまでにボケるのだそうで、90歳を過ぎている人は、ボケないまま亡くなるのだそうです。従って、お二人はボケることのないまま亡くなることができるそうです。

    【目次】
    まえがき  瀬戸内寂聴
    第一章 大震災からの日々
    第二章 「日本」の良さは、こんなにも
    第三章 同じ時代を生きてきた
    第四章 「老」「死」と向き合う
    あとがき  ドナルド・キーン

    ●西行の生涯(42頁)
    瀬戸内:私は西行の生涯を小説『白道』に書いた時、芭蕉がたどった道を歩きました。
    ●「清潔」(47頁)
    キーン:日本人について書かれた一番古いものは『魏志倭人伝』です。その中で、日本人の特徴が二つ挙げられています。一つは「清潔」であること。もい一つが「礼儀正しさ」。驚くべきことには、これは今も変わっていないのです。
    ●桜(62頁)
    キーン:桜はどうしてこれほど日本人に愛されているのでしょうか。もちろん美しいからですが、それだけではなく、束の間の美、三日だけの美しさ、だからです。
    ●残された人(92頁)
    瀬戸内:残された人には残されただけの理由があるんですよ。生きて、誰かの役に立つために残ったんじゃないでしょうか。亡くなった方たちは、ちっとも悪いことなんかしていない。みな善良な人たちです。その人たちが苦しみを引き受けてくれたんだから、そのことに感謝しながら、残された人は生き続けなきゃいけないと思うんですよ。
    (「天罰」などと言わないでほしい。)
    ●そこへ行く(96頁)
    瀬戸内:大地は、そこで起こったことを全部記憶しているものです。その大地の声が体に伝わってくるんですよ。足の下から。だから、そこへ行かなきゃいけない。
    ●三大事件(100頁)
    瀬戸内:私の生きてきた時代の三大事件を選ぶなら、一つが日本の敗戦。二つ目がソ連がロシアになったこと。そして―三つ目は、アメリカのオバマ大統領就任です。アメリカで黒人の大統領が誕生するなんて想像できませんでした。三つとも、あり得ないと思っていたことばかりです。
    ●大事な出来事(102頁)
    キーン:自分の生涯で一番大事な出来事を一つ選ぶなら、それはアメリカ海軍の日本語学校に入ったことです。

    ☆瀬戸内さんの本(既読)
    「美は乱調にあり」瀬戸内晴美著、角川文庫、1969.08.20
    「諧調は偽りなり(上)」瀬戸内晴美著、文芸春秋、1984.03.01
    「諧調は偽りなり(下)」瀬戸内晴美著、文芸春秋、1984.03.01
    「源氏物語の女性たち」瀬戸内寂聴著、NHKライブラリー、1997.11.20
    「いよよ華やぐ」瀬戸内寂聴著、日本経済新聞・朝刊、1997.12.01-1998.12.13
    「釈迦と女とこの世の苦」瀬戸内寂聴著、NHK人間講座、2000.04.01
    「藤壺」瀬戸内寂聴著、講談社2004.11.24
    (2012年6月4日・記)

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著者プロフィール

1922年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業。63年『夏の終り』で女流文学賞、92年『花に問え』で谷崎純一郎賞、11年『風景』で泉鏡花賞を受賞。2006年、文化勲章を受章。2021年11月、逝去。

「2022年 『瀬戸内寂聴 初期自選エッセイ 美麗ケース入りセット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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