不滅の書

著者 :
  • 中央公論新社
3.36
  • (2)
  • (3)
  • (7)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 38
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120043895

作品紹介・あらすじ

十数年前インドで消息を絶った兄が残した「智慧の書」。そして亡霊のごとく現れては消える兄-。不動産会社に勤める隆は、吸収合併した社内の空気に馴染めず、同僚からは目の敵にされ、鬱屈した日々を過ごしていた。そんな日常から逃れるように、隆は夜な夜な「智慧の書」をめくり、兄が語る宇宙の原理に迫ってゆく。やがて隆は「智慧の書」を手に、兄の跡を追ってインドへと向かうが…。ウパニシャッドからショーペンハウアー、そして現代へ。ムガル帝国の皇子や革命期フランスの学者たちが時空を超えて結実させた哲学の神髄に迫る、壮大な物語。書き下ろし長篇小説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 四つの中編。生きること、考えること、諦めないこと。書物を通して時代を超えること。ウパニシャッド、ショーペンハウアーを軸に、現実とその向こうを駆け抜ける。

  • はぎこうすけ。ドイツ哲学ショーペンハウアーをベースした壮大な物語。

    第一章 扉
    現代日本、滝川隆はインドで行方不明となった兄の残した智慧の書(ショーペンハウアーの意志と表彰の世界?)を頼りにする。
    第二章 言葉
    革命期フランス、デュペロンはウパニシャッドペルシア語からラテン語に翻訳。その本を少年時代のショーペンハウアーが購入。
    第三章 信頼
    17世紀ムガル帝国実在の皇太子ダーラー・シコーは学者を集めヒンドゥー教の聖典ヴェーダの一部ウパニシャッドをペルシア語に翻訳。
    第四章 憧れ
    再び現代日本。滝川隆はインドに旅立ち。時間を越える。

  • 始まりが重くて・・・
    深い話でした

  • 不動産販売のサラリーマンが死んだ兄を訪ねてインドへ。その間にフランス革命時の社会やら、イスラムの話やらが織り込まれ、それは結局「智慧の書」に、あるいはその輪廻に及ぶ壮大な物語なのだけれど、なんだか気張りすぎ。シーンごとにはオモシロイのだけれど・・・。

  • 感覚的…
    結局???
    分かりませんでした。

  • 妻子ある不動産会社の営業マンの、少し鬱展開な日常話から、まさかフランス革命期のパリとかムガル帝国の皇太子とかの話に飛ぶとは思わず、話の跳躍ぶりにびっくりした。でもすべては本のタイトルでつながっていて、最終的にはまた営業マンのパートに戻り、若い頃インドで死んだ兄の足跡を追ってインドに行くのがクライマックス。営業マンのパートはともかく1、8世紀のフランスと17世紀のインドの描写が非常に生々しく細かいのに驚いた。

    世界は繋がっているんだなあと思わせられる作品。
    ウパニシャッドに興味が沸いた。

  • 十数年前インドで消息を絶った兄が残した智慧の書を巡る物語。
    うーん、哲学かぁ・・・時代を超えて語り継がれてきた事には、普遍的な価値があるってことなのかな。

  • パラパラと見た感じで難しそうかと思いましたが、さにあらず。
    行方不明の兄が残した「智慧の書」。それを巡る物語。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

萩耿介
1962年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部ドイツ文学科卒。2008年『松林図屏風』で第2回日経小説大賞受賞。著書に『炎の帝』『イモータル』(中央公論新社刊)の他、『覚悟の眼』『極悪 五右衛門伝』などがある。

「2022年 『食われる国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

萩耿介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×