幸せの条件

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 928
レビュー : 165
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120044151

感想・レビュー・書評

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  • ワンマン社長の命令である日突然、長野に出張を命ぜられたOLの梢恵。
    彼女の任務は長野でバイオエタノールの原料となる稲作を請け負ってくれる農家を探すこと。
    梢恵はそこで数件の農家を訪問し、あえなく撃沈。
    その後、「あぐもぐ」という農業法人の社長と出会い、何故か彼の元で農業を学ぶことになる。
    ・・・というのが大体のストーリー。

    半分くらいは一応ちゃんと読んでいましたが、その後全く内容が頭に入らなくなった。
    個人的にはちっとも面白いと思わないし、心に響くものもない。
    何故って、それは農業や農家の実体とか空気感が全くこの本からは感じ取れなかったから。
    ものすごく農業について、農家について、今の時代に置ける農業の存在についてを勉強していると思う。
    でもそれは頭で展開しているだけのことで、物語には実感が伴ってない。
    まるで都会の人が農業について勉強して表面的に描いたという印象を拭えなかった。
    それにこの頃、他の小説にもよく見られるけど、この話の中でも東北大震災のエピソードが盛り込まれており、それがこの話に本当に必要なのか?と感じた。
    そういった誰もが惹きつけられるものを盛り込まずにもっと農業に切り込んで欲しかった。
    それでないなら、もっと表面的なものに終始してそういう小説なんだ・・・と軽く読ませて欲しかった。

    主人公の梢恵は物語の中では、可愛いがあまり魅力がない、はっきりしない性格として最初登場する。
    そんな彼女に社長はいきなり一人で長野に行けと言う。
    大事なプロジェクトをOL一人に任せる・・・本来ならそんな事はないでしょう。
    そこに社長の意図を感じた。

    この本で唯一好感をもてたのは主人公の性格。
    はっきりしない性格でぐずぐずしながらも素直に「行け」と言われたら行く。「やれ」と言われたらやる。
    とても素直な女性だと思う。
    また、長野に行く前にちっとも農業について勉強してない所など、結構大胆な性格だとも思う。
    東北大震災の寄付の様子は見ていていじらしいし、イイ子だと思う。

    この作者の残酷シーンのない本は初めて読みましたが、私には面白いと思えず描写が浅いと感じました。

著者プロフィール

誉田 哲也(ほんだ てつや)
1969年、東京都生まれの小説家。学習院中・高等科を経て学習院大学経済学部経営学科卒業。卒業後にミュージシャンを目指していたが、椎名林檎の存在で断念。格闘技ライターを経て作家活動に入る。
2002年、『妖(あやかし)の華』でムー伝奇ノベル大賞優秀賞を獲得しデビュー。2003年『アクセス』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。
代表作は、映画化もされた『武士道シックスティーン』に始まる「武士道」シリーズ。姫川玲子シリーズの『ストロベリーナイト』はドラマ化・映画化された。ほか、『ジウ』シリーズ、魚住久江シリーズ『ドルチェ』『ドンナ ビアンカ』や、『ケモノの城』『プラージュ』などがある。

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