- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120044205
作品紹介・あらすじ
ドビュッシーの作品を私たち日本人が弾くと、どこかなつかしい感じがする-生誕150年。ドビュッシーのピアノ作品40曲に寄せて、モノ書きピアニストが綴る演奏の喜び。
感想・レビュー・書評
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ドビュッシーは大好きでよく弾いたので、曲や楽譜を思い浮かべながら読んだ。いづみこさんの文章は、目の前に情景が広がるような文章で、ドビュッシーの雰囲気に合ってると思う。
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年をとると生きるのに必要になる音楽の量はどんどん減り,家に居場所のない私は全く音楽を聞かない日がある.
ここ1ヶ月ほど聞くのはドビュッシーのヴァイオリンソナタとチェロソナタばかりだった.
耳と頭がすっかりドビュッシーに染まったところでこの一冊.主にピアノ曲を取り上げその周辺の音楽,文学などを紹介したエッセイ.いつもながらピアニストらしい具体的な曲の描写が新鮮で面白かった.
いくつかの曲を聴き直し,良さを再確認した. -
ピアニストの青柳いづみこさんが,ドビュッシーの曲について書かれたエッセイ。
個人的に,ドビュッシーと言えば管弦楽曲の「『牧神の午後』への前奏曲」が好きです。
個人的にピアノ曲は(も?)不勉強ですが,「月の光」「喜びの島」あたりは好きです。
オイラが知らない曲もたくさん(むしろ知っている曲の方が少数)ありましたが,ピアニストとして,技術的なこととか,その時代のドビュッシーの状況とか,様々な方面から曲について書かれていました。
東洋的なペンタトニック(五音音階)や,全音音階など,ドビュッシーの音楽は調性を曖昧にさせている物が多いというのははじめて知りました。
また,曲の解釈もとても面白かったです。
文章だけでは分からなくなったので,たまたまあった,ワルター・ギーゼキングのアルバムを聴きながら読みすすめると,おおっ,そういうことかーというところがたくさんありました。
自分の手元にない曲も,著書中にはたくさん紹介されていたので,ぜひとも紹介されている曲を聴きながら,もう一度読みたいです。 -
筆者の表現力によって、未聴の曲も頭の中にありありと浮かび上がってくるようです。
曲にまつわるエピソードも豊富で、さまざまな知識がついてしまいます。
二回目に読むときはこの本を片手に、実際に曲を流しながら読むことにします。 -
著者ご専門のドビュッシーを軸にした、軽いエッセイ風の書だった。中公文庫の書に比べ、かなりあっさりで、物足りなさが若干・・・
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書きためたとりとめの無いエッセーを一冊の本にしたという印象。
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最近ドビュッシーを色々弾いていたので、読んでみると、ドビュッシーの音楽が思い浮かぶ一冊。
雨の庭、弾きたくなったー! -
ヤマハの会員誌に書かれた文章だから、基本的に音楽がまったくわからない人は対象としてない本なのだが、さすが青柳いづみこ、面白かった。
ドビュッシーの音楽すべてを記憶してないから、CD聴きながら読んだ。
聴きながら読めば、よくわかる。
まあわからなくてもそこそこ面白いのだが。
ピアノ中級以上の人はドビュッシーを弾く時、参考になるヒントがいっぱい。
「雨の庭」に和田アキ子「どじゃぶりの雨の中で」やオーヤン・フィーフィー(漢字思い出せず)「雨の御堂筋」のメロディが隠れてるって書いてあるから、思わず「雨の庭」をじっくり聴いてしまったよ。たしかに、ちょっと似てるかも。でも、「ボレロ」と「水戸黄門」ほどわかりやすくはないね。 -
何かクラシック聞こうかと思っても、堅苦しい専門用語だらけの解説ではきっかけにならない。こんな軽めの本で丁度いい。
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ドビュッシーの音楽はピアノの小品を幾つかとフルートのシュランクスくらいしか知らないことに気づく。きれいな曲だけれど確かにドビュッシーだけのピアノリサイタルは眠くなるだろう。YouTubeでエッセイの主題曲を聴きながら読む。
「ミンストレル」のにせ黒人バンドに関してはローラ・インガルス・ワイルダーの作品で読んだことがあるのを思い出した。「父さん」が仲間と顔に煤を塗り、激しい音楽を歌って演奏して踊るのだ。「帆」と「ヴェール」では印象がずいぶん違うしはじめに訳した人はきっとまじめだったのだ。