- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120044441
作品紹介・あらすじ
10組のうち4組がセックスレス。日本の夫婦はなぜ「しなく」なるのか?妻たちの、そして夫たちの本音に迫ったルポルタージュ。
感想・レビュー・書評
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この本でも同じく、女性側がセックスを求めるが男性が避けるというエピソードがほとんどで、
夫が妻に拒否されて悩んでいるケースは2例のみ、しかも軽く触れられた程度だった。
第三章、夫たちの言い分 にて男性側の意見が聞ける。
しかし、妻とはセックスしたくなく浮気した男性側の意見、
拒否しているうちに妻がニューヨークに一人旅にいって性格が変わり駆け落ちして消えてしまうエピソード、
セックスしたかったが拒否され、しかし関係性を壊したくなくて諦めている男性、
セックスに全く興味がないが、離婚されたら困るから家事育児を交換条件にたまに餌をやるように応じる、という最低な女性の意見が登場する。
成功譚はゼロ。参考にならない。
ただし各登場人物の様々な結末を知れた収穫は大きかった。
読後、介護職の経験に近い発見があった。
即ち、将来得る結果は現在の行動、じたばたの結果であって、
惰性であれば惰性的に続き、行動すれば少しずつ自分の真理には変化が生じる。
ただし自分が何しようが、相手はほとんど変わらない。
相手が変わるのは離婚が決定した時くらい。
それ以外は、どんなに暴れようが、説得しようが、色目を使おうが相手は応じない。
浮気をしたとしても変わらない。
介護では大勢の末路を見てきた。
過去の人間関係、働き方、健康を意識した生活習慣、お金の使い方などの総決算が老後に待っている。
過去に好き勝手やってきた人は良くも悪くもその報いを受ける。
登場人物の多くは50代女性だ。
結婚してすぐに妊娠、出産、それ以来27年間セックスレスという恐ろしい夫婦もいる。
一番の悪手が、「相手が変わると信じて待つ」ことだとわかった。
どれだ待とうが状況は変わらず、失った時間は帰ってこない。
それであれば、きちんと話し合ってこちらの要望を伝えたうえで、自分がしたいようにすべきだ。
セックスに重きを置いていない人にとっては事の重大性を理解できない。
三大欲求というくらい比重の大きな事項であるのに、
その場しのぎで適当に躱せば諦めて普通に生活できると思っている。
それを堪えて、苦しんで、諦めた末の結果には虚無しかない。
多くの場合、踏み出すのは子供の手が離れてからだが、そのころにはもう40代後半、
身体も気力も衰え、新たな出会いの可能性も非常に低い。
出会えるとしても若い人は期待できない。
結局やったもん勝ちなのだろう。
この本はセックスレスというテーマで大勢の過去の話をインタビュー、伝聞、自分語りの形式で次々と進めていく。
ので要約などには向いていない。
最後の著者のまとめ的な記述がとてもよかったので引用する。
ーー引用ーーー
セックスレスを嘆いて時間を過ごすより、夫婦の間に、ときどきカンフル剤を打ちながら、相手ときちんと向き合う姿勢が大切だ。
(中略)
これからの男女の形は、夫婦という枠だけに縛られない方がいいと思う。婚外恋愛も、離婚後の復縁も、別居結婚も、事実婚も、すべてが同じ「男女の関係」だ。大切なのは形ではなく、身も心も寄せ合い、ときに溶けあえる関係が作れるかどうかだろ、私は考えている。そこを目指していったほうが、日本の男女関係はもう少し潤いのあるものに変わっていくのではないだろうか。
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幸せに生きるのであれば、受動的・消極的ではなく、主体的・積極的に行かねばならない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いくつかのエピソードが印象的だった。
その中で最も印象的だったのは、
いつも上品でかわいい祖母が「おま○○」と叫んで息絶えた。
というもの。 -
男も女もいい分はあるにせよ、その不満をお互い話し合ってぶつけないことには、いい方向には進まないと感じる一冊
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セックスレスの夫婦の妻は浮気する確率が高いらしい。
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私もセックスについて話題にするのはちょっと避ける人の1人なので、なかなか興味深く読めた。結婚してから精神的な繋がりの成熟はなし得るのに、日々の生活に忙殺されてどんどん肉体的な繋がりが薄れていくのはある意味仕方ないことだとは思いつつもそうはなりたくないなあと。
この本を読んで結婚しないで一生恋愛していたいとも思った。結婚は人生の墓場って言うけどやっぱりそうなのかしら。自分はそうはならないって強く思えないし、そういう人にも出会えてないんだよなあ。 -
読みやすい本です。井戸端会議の延長のような会話が続きます。同じような悩みを持っている人には参考になるかなと思いました。誤字脱字はありませんでした。