- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120044502
作品紹介・あらすじ
放射能のリスク、福島と日本のこれからを考える。リスクとリスクがぶつかったとき、どう選択すればよいのか。読売新聞好評連載「時代の証言者」大幅加筆の上、収録。
感想・レビュー・書評
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原子力発電
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リスクの捉え方を専門として研究されてきた著者の本、それだけに、非常にリスクという考え方に対してなるほどと納得する部分が多い。原発事故一つとっても多面的にリスクを捉えないと誤った政策に流れてしまうので、この考え方はとても重要。
リスクの両天秤の片一方を徹底的に抑え込むことは、かえってもう片方のリスクを増大させてしまう、その考え方が多くの人に欠落しているような気がした(自分も含め)。
これまで原発に対するリスクの捉え方を考えることから逃げていた、と著者が自戒しているのも好感が持てる。いままさに必要な考え方ですから。
本としては前半部はそのリスクの捉え方が非常に明瞭かつ納得できるものだったので満足だが、後半の自叙伝的な内容はあまり期待している部分でもなかったし、無くてもよかったような・・・、という気がする。 -
リスクがトレードオフの関係にあることは現在では当たり前の話になってきたが、それを提唱した勇気は大いに評価できる.原子力の世界でも絶対安全という馬鹿な議論が体制を占めていたことは同じ次元の問題だ.大規模な流域下水道に反対した論理は、分散型の良い面をよく把握していたからだと感じたが、発電についても同じ事が言えるような気がしている.40年前はコンピュータが今のように机の上や掌に乗るようになるとは予想も出来なかった.この事実は分散化の良い例だと思っている.
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学者あるいは専門家としてののプライド、立派です。