一路(上)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 106
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120044717

感想・レビュー・書評

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  • 小野寺一路が初めての参勤交代で供頭を務める。無事大役を果たしつつあるが、その主な成功要因を挙げると
    (1)過去の慣習を踏襲せずに江戸初期の慣行に従った
     周りにそれを知る人がいないことから良し悪しを明確に評価できない
    (2)50人の徒士全員が一致団結
     何とか御家乗っ取りの企てを阻むために参勤交代を成功させたいという徒士思いが一致団結をさせる
    (3)殿様の蒔坂左京大夫の非凡な才能
     うつけと思われていた殿様が実は非凡なものを持っていた道中、様々な難題が降りかかってくるが、代々継がれてきた御供頭心得を下に機転を利かせて乗り越えて
    いくところが面白い。

  • 面白いです。参勤交代にもいろいろなドラマがあるのだなぁと思いました。専門職があることも初めて知りました。突然父が亡くなり、参勤交代の御供頭を継ぐことになった一路(いちろ)。父からの引き継ぎもなく、失敗したらお家とりつぶしというピンチに如何に挑んでいくのか。いろいろな人に助けてもらいながら、参勤交代の道中を仕切っていく一路。このまま江戸まで無事に辿り着けるのか、ハラハラしながら下巻を読みます^^

  • お化けが出てこない本も書いているんだねぇ~西美濃の田名部に陣屋を構える7千5百石との旗本・蒔坂家の供頭・小野寺弥九郎が国許で拝領屋敷を焼いて死去し,師走参府は,惣領の一路の差配で行われることになったが,齢僅か19。当主・左京大夫は中山道を通って江戸に向かう。誰も救いの手を差し伸べようとしない中,焼け跡の文箱の中から,先祖が残した心得を読むと,誰も知らない古式に則って,行軍を執り行うしかないと決心する。遭ったこともない許嫁からは無事の道中を祈って羽織袴が届けられるが,その許嫁は勘定役・国分家の当主で,自腹も含めて百両という常の倍の金額を参勤交代に捻出し呉れた。頼るのは,二つ年下でひ弱な栗山真吾,小野寺家の菩提寺の和尚・空澄,八卦見の朧庵,江戸っ子髪結いの新三だが,三晩目に後見の蒔坂将監と国家老,側用人がお家乗っ取りを謀っているという噂を耳にする。一路と真吾だけが知らない事実だと先手を勤める佐久間勘十郎が,忠義に目覚めたと明かす。添役と供頭は企てを知って毒殺・役宅と共に焼かれたのだ。与川崩れを圧し通り,和田峠で‥~只の先入観かも知れないけど,浅田次郎と聞くとお化け・幽霊…で,読む気がしなかったのだよ。この表紙を飾る絵,よく出来てるねぇ…感心!

  • 「黒書院の六兵衛」に続いて読んでみた。まっすぐな若者の周りに味のある良い人たちが湧き出てきて、くすりとさせたりホロリとさせたり。軽妙さが増してさらさら読めて楽しめる。誰か映画にしないかな。
    ※2015年11月追記
    しかし、NHKのドラマはひどかった!原作無視にも程があるし、配役も酷い。特に脇役が下手すぎるし、原作と違いすぎる!演出も最悪。あまりの酷さに、途中で録画全部消してしまった。

  • 読んで良かった。笑って泣けて。幸せな読書ができてる。続きが、とっても楽しみで、幸せ、なのである。

  • 2014/12 よっ浅田屋!と声をかけたくなる小説。相変わらず芝居がかった話です。でもわくわくする。下巻も楽しみ。

  • ご都合主義の塊。面白いが

  • 笑いました。

  • 一途に生きる男の潔い生きようが、
    文句なし、五つ星。
    浅田次郎さんは読む本読む本すべておもしろく、既刊の作品もその一冊一冊が読んでしまうのが惜しいくらいです。これから先も一冊一冊を少しずつ大切に読んでいきたいです。
    田名部衆の参勤の一行が朱槍を振り立て街道を行くその美しいありさまは、通勤車内でも涙が出てきて止まらないくらいでした。「鉄道員」しかり「壬生義士伝」しかり、一途に生きる男(あるいは人間)の潔い生きようがワタシの涙を誘います。きっとこの作品も近いうちに映画化されるでしょうが、あの朱槍の美しいありさまと一路の一途さがどこまで描き切れるのか、楽しみでもあり不安でもあります。

  • そうなの、浅田さんの時代ものは最初はそうでもないけど、本当どんどん深みにハマるように面白くなってゆくのよね。
    みんないいキャラだし、下巻楽しみ!

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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