一路(下)

著者 :
  • 中央公論新社
4.11
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本棚登録 : 770
感想 : 121
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120044724

感想・レビュー・書評

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  • ふと手にして読んでみた、浅田次郎による長編時代小説。
    一言で説明すると、中山道を舞台にした、幕末の参勤交代がテーマの物語なのですが、お江戸版ロードムービー的ストーリーで、笑いあり、涙あり、悪巧みあり、走れメロス的要素ありの面白かった一冊!(上下巻ありますが、、)
    読みながら、これ映画化されるだろうなと思い、お殿様は、妻夫木聡か大野智あたりか、勘十郎はぐっさんだなと、配役しながら読み進めるのもこれまた楽し。
    非業の死を遂げた亡き父に代わって、参勤交代を取り仕切った、御伴頭の小野寺一路が主役と思いきや、美濃から江戸までの一路、そして、それぞれの人生一路、とりわけ、うつけの殿様(本当は名君)の描写が秀逸。

    面白い中にも、幕末を生きる武士の「道」を感じることができるので、お時間があればぜひ一読をおすすめしたい1冊。

  • 江戸への参勤交代、後半戦。
    悪役はあっけない幕引きでちょっと拍子抜けしたけれども、面白かった。
    それぞれのエピソードに一喜一憂しながら、参勤交代の大変さがよく分かる作品だった。
    読み終えて改めて表紙カバーを見ると、名ゼリフとともに笑いあり涙ありの道中が思い出される。

  • 父親の不慮の死によって引き継ぎも何も無いまま参勤交代の御供頭を勤め、無事に全うせねばお家断絶の危機に瀕した若き主人公。
    まっすぐな気性に加えて父の死の理由に周りには表に出さない協力者がいっぱい。
    ありえない!って事の連続だけど、そこはまぁ置いといて。
    ラストもきっとこうなると思ってた通りなんだけど、それもまぁよしとしよう。めでたしめでたしで終わって良かった。

  • さすがの浅田ワールド。面白かった。参勤交代の供頭、という役職をクローズアップしたものもはじめてだったし、一路だけでなく、いろんな切り口の“人生一路”の覚悟を深々と胸に染み込ませることができる良作。蒔坂左京太夫の名君ぶりもいいなあ。なにげに勘十もすき。留守居の檜山も。人徳あるひとというのは弁えてるよね。願うは身の栄達などではありましょうや。自分の命を懸して尽くすものを持った人生に胸焦がれる性分のあたしとしてはドツボな作品でした。上巻ではここまでの感動が読めなかったけど下巻はけっこう泣いちゃったな。私も己の天分を全うして死にたいな。ちっぽけな役だけれど。だれかのために生きようと気持ちを新たにできる1作。オススメです。
    それにしても東海地方から江戸までの参勤交代がここまで過酷なら、薩摩藩在住としては、島津の参勤交代を扱った作品を読みたいんだが、なにかいいのがないかしら。。。。

  • いろんなものが詰まっている感じで、エンターテイメントとしての小説の模範のような印象を受けました。

    確かに、慣習化された事柄は、惰性的に行われるに従って、次第と本来の意味が不明瞭になっていくのはわかります。

    参勤交代という制度の本来の形は、江戸への行軍であり、戦であるという本来の意味を踏まえた一路は、自らの境遇を試練として全うしようともがいた故の理解だったのではないかと思いました。

    浅田次郎らしい多くの伏線が織り込まれている長編で面白かったです。

  • 一路率いる御殿様の参勤交代、下巻。上巻では、様々な難所を潜り抜け、お家騒動まで勃発。
    左京大夫はもちろんのこと、他の御殿様の魅力的なこと!登場する人物の一人一人が、個性的で、欠けてはならない物語の柱になっている。
    表紙のセリフと照らし合わしながら読むと、なお面白い。葱かよ。アッパレー。など、セリフひとつで、その場面、道中が蘇る。
    ラストはもう少し、まとめて欲しかった。あっけなく終わったが、道中、存分に楽しませて貰った。
    祝儀である。

  • 2014.2.26
    理屈抜きに痛快!面白かった。最後はちょっとあっけなく終わって物足りなかったかな…。

  • 浅田次郎さん「一路」下巻、読了。江戸への参勤交代も後半に突入。難所の和田峠でハラハラしたり、わがまま御殿様、絶世の美女「乙姫」、駆け足命の御殿様など、旅先で出逢う個性的なキャラと左京大夫、一路の掛け合いが楽しい。そして虎視眈々と隙を伺う謀反一味の御家騒動の行方が物語を引き締める。江戸で待つ参勤交代の結末は読んでからのお楽しみ♪個人的に馬たちの会話が好き。読み終わってから表紙を見ると面白いです。面白く可笑しい時代小説としてオススメです。

  • あっぱれ!祝着にござる!まじおもしろかったー!父親が火事で亡くなり、いきなり参勤交代の供頭をつとめることとなった一路。いろんな登場人物が愉快痛快に現れ、一路の旅路を導いてゆく。歴史ものとっつきにくかったけど、現代風に書かれているところも多々あり、意外と読めちゃった。勧善懲悪読んでてきもちーわー

  • 参勤行列の苦難を思い知らされる怒濤の後半戦

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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