人種は存在しない -人種問題と遺伝学

制作 : 山本 敏充  林 昌宏 
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 38
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120044816

作品紹介・あらすじ

「人種」という概念は、人類に忌まわしい歴史を刻んできた。人種差別の歴史を振り返りつつ、「人種」が生物学的な意味を持たないことを示す一方、遺伝子には、異なる祖先集団への帰属が読み取りうることを紹介。偏見やイデオロギーを超え、人類全体の尊厳を希求したサイエンス・エッセー。

感想・レビュー・書評

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  • 原題:L'humanité au pluriel : La génétique et la question des races (2008)
    著者:Bertrand Jordan (1939-) 分子生物学
    監修者:山本敏充
    訳者:林昌宏
    装丁:細野綾子

    【感想】
     現存する人種問題について、要点を押さえキレイにまとめてある一般向け科学随筆。

    【版元】
    初版刊行日 2013/3/25
    判型 四六判
    頁数 240ページ
    定価 本体2200円(税別)
    ISBN 978-4-12-004481-6
    http://www.chuko.co.jp/tanko/2013/03/004481.html

    目次 [001-003]
    凡例 [004]
    謝辞 [006]
    はじめに [007-011]

    第1章 人種および人種差別に関する小史 013
    啓蒙の世紀〔フランスの十八世紀〕における人種と人種差別/ゴピノー ――強烈なイデオロギーを打ち立てる/不本意ながらの「単一起源論」/「理論的に明らかで、永続的で消し去ることのできない」不平等/人種差別主義者の進化に関する解釈/人種差別と優生学/ナチズムからの転機

    第2章 人種は明白なものか 031
    アメリカにおける人種/人種の壁を超えるという神話/人種の特性/近代的な表現に変わる/根本的な間違い/あやふやな言葉の定義

    第3章 科学は人種を否定する 047
    「科学を装った人種差別」/ゲノムの読み取りと人間の多様性/小さな差異が大きな相違となるのか

    第4章 差異と格差 055
    われわれのDNAの構造/どの親もまったく異なるのか、まったく同じなのか/ゲノム、病気、疾病率、疾病からの保護/ハンディキャップが利点に/環境、それとも遺伝か/知能と知能指数(IQ)――複雑怪奇/厳密な実験をおこなうための条件/ほとんど意味のない研究/不平等と序列

    第5章 ヒト集団の多様性――最初の目印 075
    ミニサテライト、DNAの繰り返し/マイクロサテライト(STRs)/母方と父方の家系――部分的ではあるが、隠されたものが見える/マイクロサテライト――ゲノム全体に対する最初のアプローチ

    第6章 スニップスがヒト集団を定義する 085
    われわれの種のまとまりを証明する……/そうはいっても、人種には多様性があるのでは……/祖先はさまざまなヒト集団からなる/祖先と「人種」

    第7章 さらに詳しく解説するなら…… 101
    スニップスの組み合わせがハプロタイプ/コピー数多型という新顔/それでもヒトに対する見方は変わらない

    第8章 われわれはみな、クロマニョン人の子ども 113
    ホモ・サピエンス・サピエンスの移動/創始者効果と遺伝的浮動/自然選択……/性交相手の自然選択!/人種が生まれるはずが、そうならなかったわけ

    第9章 人種ビジネス 125
    マーカーの組み合わせ/血縁調査、浮気検査……/魅力的で新たな未開拓事業――祖先探し/アフリカ系アメリカ人が、こうしたサービスを利用するわけ/アメリカ先住民出身者の要求/アファーマティブ・アクション 〔積極的差別是正措置〕が抱える矛盾/改良の余地があるテクノロジー/イデオロギーがもたらすもの

    第10章 犬とヒト 139
    犬の起源は新しい/犬種は、ヒトがつくり出した/誘導された自然選択の威力/それではヒトは、どうなっているのか

    第11章 「人種」と病気 147
    遺伝子、病気、成績、行動様式/スニップスは、しばし遺伝子に影響をおよぼす(しかし、それは稀である)/個人から集団へ/特定のヒト集団における歴史的な突然変異/バイキングの病気/アシュケナージ〔中欧および東欧系〕のユダヤ人の病気……/複雑怪奇な多因性遺伝子疾患/かなり特徴的な違いもある/しかし、おそらくそれは例外だ……/「人種」は医学的な指標になるか/「人種」と病気との微妙な相関関係

    第12章 「特定ヒト集団用の」医薬品 165
    新しいのは名前だけの新薬/アフリカ系アメリカ人だけを対象にする臨床試験/儲けに絡んだ対象設定/いわゆる特定ヒト集団用の医薬品に流行の兆し/疑わしい特殊性、イデオロギーに満ちあふれた見方が影響力をもつ

    第13章 「人種」と能力 175
    アフリカ人の知能指数は、「遺伝的に劣っている」のか/筋肉隆々だが(頭の中身は?)/リフトバレー州〔アフリカ大陸の東部〕のマラソンランナー/西アフリカの短距離走者は/一卵性双生児と二卵性双生児に助けを求める/分類では人を定義できない

    第14章 旅の終わり 187

    註 [195-208]
    詳細目次 [209-211]
    監修者あとがき [212-215]
    訳者あとがき [216-218]
    専門用語解説 [219-223]
    参考資料――参考文献とウェブサイト [224-237]

  • 肌の色や顔立ちが違う人々を、私たちは本能的に自分と違う!と思い恐れる。それが人種間の争いや差別といった悲劇を生んでいることは周知の通り。本書は人間の遺伝子を解き明かすことで、私たち人間がどれだけ均一な存在か、要するに一つの種かということを教えてくれる。様々な差別の歴史や、現在も続く人種のステレオタイプについても目が開かれることが多い。日本人は、民族意識、差別意識という点では、かなり後進国だと思うが、民族や人種の優劣を語ることがいかに愚かか、ぜひ一読を勧めたい。

  • 遺伝を語りたいなら論拠薄め
    差別を語りたいなら片手落ち
    何より人種は存在しないという邦題の割には人種も含めた多様性に言及してるように読めるのは気のせいでしょうか
    無理やり詰め込まずに、各論ごとに優れた類書あるので、そちらを読むべきです

  • 【選書者コメント】インパクトの強い題名に目を奪われるが、遺伝子学者としての説得力ある論理が展開されている。
    [請求記号]4600:664

  • 人種は存在しない。

    その事を現在の科学などから説明をした本。
    また、それらに関する生物学的な事柄についても説明してある。

    割と、難しめの本でした。
    読みごたえはあります。

  • 人種および人種差別に関する小史
    人種は明白なものか
    科学は人種を否定する
    差異と格差
    ヒト集団の多様性―最初の目印
    スニップスがヒト集団を定義する
    さらに詳しく解説するなら…
    われわれはみな、クロマニョン人の子ども
    人種ビジネス
    犬とヒト
    「人種」と病気
    「特定ヒト集団用の」医薬品
    「人種」と能力
    旅の終わり

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