御役目は影働き - 忍び医者了潤参る

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120045219

作品紹介・あらすじ

笹川了潤。美男、長身、医師にして上忍。しかし、三度の飯より検屍好き-大江戸検屍エンターテインメント、見参!

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の了潤は、なぜか小さい時から、死人に親しみを感じ、そばにいると安らぎを感じるという。これは、了潤たち忍びの仲間が、幕府を攻撃しようとする敵を撃退する話である。この敵の首領の姿がなかなか捉えられず、影のようなのである。この影を探して、忍びという同じく影たちが躍動する。最後に、事件の解決とともに、了潤の生い立ちを始め、様々な謎が明かされる。結構、読ませるのである。

  • 「吉井堂謎解き暦 姫の竹 月の草」を読んでから、浮穴みみ氏のファンになった。
    この本も、表紙だけ見ていると、アニメぽい感じであるのに、お庭番の影となる者の話である。

    笹川仙庵亡き後、お頭になった了潤、供に着いた真弓と、猫の北辰。
    仙庵についていたお蔦と、合流して、仙庵の死の謎を解きながら、了潤もお蔦も、自分の事や、父親の事を知ることなる。
    この時代に、鉄砲の作り方から、硝石、水銀等の化学物質を把握出来ていたことを記述しているのだが、難しい事柄を、北町奉行の同心内藤伊織が、甘党で、人の好い恰好の人物で、この小説を和らいでくれている。

    話は、複雑に絡み合っていたのだが、了潤もお蔦も、母の愛、父の思いを感じ入る話にしてあった。

    新しい本で、「おらんだ忍者 医師了潤」と、言う本が出ているとか、、、、又本屋に行かなくては、、、、

  • 無理矢理ラノベっぽい雰囲気にしようとしているようなぎこちなさが気になった。

  • おもしろかった。

    けど・・・・。うーんなんだろ?
    とりあえず忍者をおもしろく書くって結構難しいのかも、と思う。

    1人1人のキャラクターはいいんだけどね。
    死体に心寄せる、美丈夫なお頭先生、とか、艶っぽいくの一とか
    しっかりものの少女に、あまいものだーいすきな、全く空気の読めない、
    でも意外とやるときゃやる、な金太郎同心、とか。
    なんか、それが活かされきってないような・・・・。うまく言えないんだが・・・。
    ちょいちょいおもしろいシーンとかあって、好きだし、
    話の流れとかは自然で、ふつーに、読めはするんだが、
    忍び、という字から期待するなにか、がなーんか足りない気がした。

    あ、あと、お蔦がいきなり鉄斎の娘だった!?とかゆー展開から
    了潤の生まれにまつわる話まで、あれよあれよと新事実がでてきて、
    え~~っ!!!とゆー感じ。
    なんか、うまく騙された、というより、いつからそんな話になってたの?というようなちょっと話においてけぼりにされた感がなきにしもあらず。
    まあ、そうだったのか、と分かってしまえば納得なんですが・・・・。

    浮穴みみさんは名前がなーんかかわいいから好き。
    前回よんだ、俳句の先生の話はおもしろかった。
    あ、あとできればあの兄妹ものの続きは読みたいなー。

  • 予想以上にラノベ的な文章の軽さで、最初読み進めるのに躊躇を覚えるほど。とは言え、複雑な陰謀のカラクリだったり、当時の蘭術の知識が大いに盛り込まれていたりして、興味深く読めた。終盤、意外な人間関係が明かされるところも、予想外で面白い。結構最初の伏線が効いてくるので、ラノベだと高を括っていると最後に予想外の驚きが待っているかも。

    う~ん、でもやっぱり、この文章の軽さは読む人を選びそう。軽いのが悪いわけではないが、無駄に軽いのは不味い。同じ登場人物を出してくるにしろ、もう少しキャラを抑えていれば、断然に面白くなっていたと思う。ユーモアのバランスを外しているのが惜しい。

  • 父の死により江戸に出てきた忍びで医者の笹川了潤は父の跡を継ぎ影の頭となるが、死体や検屍が大好きの変わり者だった。ユニークなキャラたちと設定が特徴。途中まではライトな感じでユーモアに走りすぎて非常に不安だったが、終盤はミステリーの伏線が生きてきて面白くなってきた。蘊蓄の折り込みも良く、謎キャラの生かし方も、あの藩がモデルというのも終盤に生きてくる。こういう感じにするなら、ユーモア担当の2人の必要以上の存在感は要らないんじゃないかと思った。後半が良いだけに前半の焦点の絞られないもたつきが惜しまれる。

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著者プロフィール

北海道旭川生まれ。千葉大学仏文科卒。数年間の関東暮らしを経て、現在は札幌市在住。
 『寿限無 幼童手跡指南・吉井数馬』で、第30回(二〇〇八年)小説推理新人賞受賞。著書に『吉井堂謎解き暦 姫の竹、月の草』(双葉社)がある。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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