川の光2 - タミーを救え!

著者 :
  • 中央公論新社
4.32
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本棚登録 : 115
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (619ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120045684

作品紹介・あらすじ

進め!小さく弱く、勇敢な者たちよ。囚われの身となったゴールデン・レトリーバーを奪還するべく、大小7匹の動物チームが、東京大横断の旅に出た-イラスト多数・折込地図付き。

感想・レビュー・書評

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  • この先どうなるのだろうとはらはらしながら読んで、最後に幸せな気分になった。ビス丸の成長ぶりが泣かせる。

  • 人じゃないから人生じゃないって屁理屈の一つも出そうになりけれど、彼らほど人生の機微を知らしめてくれるチャレンジャーはここしばらくお会いしてない。
    ご都合主義的な大団円を迎えるための大冒険。そうわかってはいても手に汗握る数々の困難を切り抜けてゆく彼らに拍手。
    東京名所巡りもあり、笑いを誘う場面をあリで新聞連載を楽しみにしていた人は多いんじゃないでしょうか。残念ながら私は新聞小説は読まないけれど。挿絵も小まめに挿入してあり内容も動物たちの冒険譚、人生訓などで壮大な絵本という見方もできるでしょう。
    登場するキャラのひとりひとり(一匹一匹もしくは一羽一羽)書き込みが深く最後まで楽しめました。
    まさかと自分でも思ったけれど、落涙。

  • 連れ去られた犬のタミーを、犬、鳥、ネズミの7匹が東京を横断して助け出すという、新聞に1年以上連載されたかなりの長編の小説です。

    途中で出てくる犬と人間のエピソードはなかなかなものがあります。

    そういえば、動物同士はみんな話すことができますが、人間だけがだめなんですね。

  • ふむ

  • たいへんにおもしろかった!
    600頁超の長編物語だったので、寝る前に少しずつ読んでいたのだが、毎晩本を開くのが楽しみになってきて、長編がいささかも苦にならなかった。
    読後感がいかにも爽やかで、ほっこりした気分になった。
    オススメです。

  • 知恵と勇気と友情の集大成。読んでいてとても面白かった。この勇敢な動物たちに比べて自分は…と落ち込みたくもなるけどそれ以上に感銘受けた。途中のアクシデントがどれも余計な感じでなく、そこから学んだ経験が生かされてる展開もよい。ビス丸からレオへの変化する着地点は見事。

  • 進め!小さく弱く、勇敢な者たちよ。
    囚われの身となったゴールデン・レトリーバーを奪還するべく、大小7匹の動物チームが、東京大横断の旅に出た!

  • [ 内容 ]
    <1>
    平和な川辺の暮らしは失われた。
    晩夏、安住の地を求めてネズミ一家の冒険が始まる。
    足元で脈動する世界に優しいまなざしを向け、柔らかい魂の手触りを伝える物語。

    <2>
    進め!
    小さく弱く、勇敢な者たちよ。
    囚われの身となったゴールデン・レトリーバーを奪還するべく、大小7匹の動物チームが、東京大横断の旅に出た―イラスト多数・折込地図付き。

    [ 目次 ]
    <1>


    <2>


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 大小二頭の犬、三匹のネズミ、大小二羽の鳥ら七匹の仲間は救出部隊。一匹一匹が主役であり成長をみせる体験・発見のそれぞれの大冒険には更に絡むキャストがどんどん加わり楽しい賑わい。そして最終かつ最大の"友情という束縛と責任"を果たすかわいい・可愛い勇者たちには思わず拍手!。小さいが個々の生命は、現代社会の中に大事なモノを問う物語でもあり、再続編を是非とも読みたい♪

  • ★2014年6月8日読了『川の光2 タミーを救え!』松浦寿輝著 評価A
    前作『川の光』に登場したゴールデン・レトリーバーのタミーとその友達でクマネズミのタータとチッチに加えて、今回の準主役若いクマタカのキッド。小型雑種犬のマクダフ、ジャーマンシェパードのビス丸。彼らを中心に物語は進む。

    登場者を見て、くだらない動物ものがたりとばかにする事なかれ。大人が読んでも、子供が読んでも面白い点は上橋菜穂子のシリーズには負けない。
    私が小学校5年生なら、間違いなくあっという間に読み終わってしまうであろうと保証します。

    単なるものがたりの面白さだけでなく、その心理描写が巧みで、思わずくすっと笑ってしまうあたりが、この筆者の筆の力だと思う。
    他の松浦氏の作品は、少々まどろっこしいしつこさが感じられる時があるのだが、このシリーズは、子供の読者も意識しているせいか、文体もすっきりしていて読みやすい。お子様の夏休みの課題と称して、まずは自分で読んでみることをお勧めいたします。

    このものがたりを読んだ後、動物たちを見ると、どんな会話をしているのかな?と思ってしまうのは私だけでしょうか?!

    中で一番気に入った箇所を最後に書き記しておきます。

    →それにしても、世の中には何と沢山の『また別の話』があるのだろう!人生とは、何とすばらしい冒険の数々でその連鎖はなりたっているのだろう!
    しかし、結局、生きることそれ自体が、途方もなく素敵な大冒険にほかならない。そうではないだろうか。それは、興奮や歓喜、悲嘆や希望、退屈や忍耐、安堵や落胆、驚愕や恍惚、幸運や不運とともに、終りが見えないまま書き継がれていき、また読み継がれていく、大きな大きな手に汗握る痛快無比の物語そのものなのではないだろうか。迂回だの、寄り道だの、道草だの、出会いだの、別れだの、複雑に絡み合った大小無数のエピソードから成る、てんやわんやの、ごちゃまぜの、てんでんばらばらの、しどろもどろの、やけのやんぱちの、しっちゃかめっちゃかの物語ーーーその途切れることのない滔々たる流れのただなかを、わたしたちは皆、泳ぎながら、溺れながら、為すすべもなく押し流されていく。何が何やらわけがわからないまま、泣いたり笑ったりしつづけ、沢山の愚かなことを仕出かし、ほんのちょっぴりは賢いこともやってのけ、そのうちいつしか日々は過ぎ、年月が経ってゆく。人生とはそういうものではないだろうか。それはどんどん先を読みたくて、でも読み終わってしまうのがもったいない、そんな素敵な物語のことなのではないだろうか。(P607-8)

  • ゴールデンレトリバーのタミーが、悪質なペット業者に連れ去られた。このこを救うために、鳥やネズミやそして犬二匹が東京を横断し、必死の救出劇を繰り広げる!

    って書くとめちゃくちゃスペクタルなファンタジーのようですが、ちがいます。動物の視点を忠実に想像し、そして動物の幸せとはなにか、を描いた作品です。
    救出するところもいいんだけど、その大冒険を経た動物たちがどう生きたのか、というところが特によい。
    ビスマルクの選択には、ちょっと涙がほろりとしました。

  • ゴールデン・レトリーバーのタミーが、悪辣な動物売買業者により囚われの身に。救出のため、大小7匹の仲間が東京大横断の旅に出る…! 『読売新聞』連載を加筆し単行本化。

    前作はねずみたちがメインの冒険譚だったけど、本作は様々な動物が協力し合って仲間を助けだすという大ファンタジーだった。作者の動物たちに注ぐ眼差しは相変わらず暖かく優しい。小説ではなく詩が本業の松浦寿輝だが、これだけの大作を起承転結鮮やかに紡ぎだす能力にただただ脱帽。
    (B)

  • "BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“今週の新刊”で登場。
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/highlight/31html

    「私が一番ハッとさせられたのは、タータが怖がる言葉があるんです。それは、『工事』。人間たちは工事によって、そしていろいろな環境破壊によって、動物たちの生きる術や命のつなぎ方そのものを否定してきた。小さな眼差しが、人間でいるっていうことは、どういうことなのか。と、問いかけてきます」(代官山蔦谷書店ブックコンシェルジュ 間室道子さん)



    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/

  • この話は新聞朝刊に2011.9.1〜2012.10.28に連載されていてたものです。ところが年末に購読契約が変わり図書館で途切れ途切れ読んでいたのですが、やっと読み終えて、すっきりしました。
    川の光も良かったですが、この2も本当に面白かったです。また松浦さんキッドの話やビス丸あらためレオの話や新しいチッチとタータの話とか書いてくれないかな?

  • 松浦寿輝さん「川の光2」刊行 : ニュース : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
    http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20140226-OYT8T00904.htm

    中央公論社のPR
    「みんなの好きなあの子――ゴールデン・レトリーバーのタミーがさらわれた! クマネズミのチッチとタータら大小7匹の動物混成部隊が、迷宮都市・東京を駆け抜け、決死の奪還作戦に挑む。」
    川の光2 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
    http://www.yomiuri.co.jp/book/kawanohikari2/

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著者プロフィール

1954年生れ。詩人、作家、評論家。
1988年に詩集『冬の本』で高見順賞、95年に評論『エッフェル塔試論』で吉田秀和賞、2000年に小説『花腐し』で芥川賞、05年に小説『半島』で読売文学賞を受賞するなど、縦横の活躍を続けている。
2012年3月まで、東京大学大学院総合文化研究科教授を務めた。

「2013年 『波打ち際に生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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