怒り (上)

  • 中央公論新社 (2014年1月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784120045868

作品紹介・あらすじ

殺人事件から1年後の夏。房総の漁港で暮らす洋平・愛子親子の前に田代が現われ、大手企業に勤めるゲイの優馬は新宿のサウナで直人と出会い、母と沖縄の離島へ引っ越した女子高生・泉は田中と知り合う。それぞれに前歴不詳の3人の男…。惨殺現場に残された「怒」の血文字。整形をして逃亡を続ける犯人・山神一也はどこにいるのか?『悪人』から7年、吉田修一の新たなる代表作!

感想・レビュー・書評

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  • 八王子夫婦殺害事件の容疑者 山上一也の捜査。4つの物語が進む。①房総半島の浜崎(洋平、愛子、明日香:田代)、②東京(優馬、友香:直人)、③波留間島(泉、辰哉:田中)、④八王子(北見、南條:美佳)
    友人(花ちゃん)が良かったとのことで手に取りました。読み始めは4つの物語の進行に戸惑いました。謎を含んだ田代、直人、田中、美佳の位置付けが気になります。下巻が楽しみです。

  • 衝撃的な始まりから、別々の場所で起きている別々の物語が進んでいます。
    この別々の物語がこれからどう絡み合っていくのか、真相が明らかになっていく下巻がとても気になります。

  • 感想は下巻で!

  • 八王子郊外で起きた夫婦殺害事件
    殺害現場に残された「怒」の血文字
    犯人は山神一也と分かっているものの逃亡、全国に指名手配中

    一重まぶたの鋭い目、頰に縦に並んだ3つのほくろ、左利き

    事件から1年後
    房総・東京・沖縄で3つの物語が並行して進んでいく
    房総の漁協勤務の槙洋平と娘の愛子そしてアルバイトの田辺
    東京の大手通信社勤務の藤田優馬と優馬の部屋に住転がり込んできた直人
    訳あって母と沖縄 波留間島に移住してきた泉とボーイフレンドの辰哉と謎の男 田中

    それぞれの日常に溶け込み、次第に心を通い合わせていく三人の前歴不詳の男
    ここへ来るまでは、どこで一体何をしていたのか?
    疑問が心に小さな渦となって、人々の不安を掻き立てる

    読者も折につけ、3つのほくろ、左利きの手ががりがちらつく
    犯人は、誰なのか?
    「怒」の血文字に込めた犯人の思いとは何なのか?

    刑事北見が惹かれる美佳の過去も気になる
    いろんな??が下巻で明かされるのだろうか

    犯人は誰なのかという興味ももちろんではあるが、3つのそれぞれの物語が重く、切なく、悲しく、読者に迫ってくる
    犯人だけではなく、それぞれの心にも言うに言われぬ「怒」が
    あるのではないか
    自分に対して、他人に対して、社会に対して・・・

  • 八王子で残忍な夫婦殺人事件が起き、犯人 山神一也28が逃亡して早や1年。犯人の特徴は①異様に鋭い一重の目②右頬に縦に3つ並ぶホクロ③左利き。話は各々 外房総の父娘、東京で大手通信系会社に勤めるゲイ、流れ流れて沖縄の離島で暮らす母娘、と関係ない地域での物語が展開して行き、更には犯人を追う八王子署の刑事も絡む。それぞれの話に どこか素性の知れない人間が強く絡んでいて読者の好奇心を煽って行く。
    やはりこの作者の上手さに読む手が止まらないままに(上)巻を読了。これらはいったいどのような収斂を見せるのでしょうかね?

  • 読み終わってから感想書くまでにちょっと間があいてしまいました。
    初めは話がどう繋がるのか分からなかったけど、読み進めるうちに、なるほど素性の分からない3人の男たちの誰かが犯人なのだなと。どの男も疑わしいところがある。傍にいる人たちが不安になるのがよく分かる。
    いっきに話に引き込まれました。

  • 東京八王子の凄惨な殺人事件を縦糸に
    東京、沖縄、房総の3舞台で起こる話を
    横糸として紡がれていく物語。
    それぞれの場に現れる、
    生きてきた背景が全く見えない4人。
    東京、北見刑事が愛する女性。
    東京、排他的な愛を求める優馬と同棲を始める直人。
    沖縄、奔放な母に引きずり回される泉が
    出会う無人島で暮らす田中。
    房総、何かに追われるように
    自分を捨ててしまう愛子と
    そんな愛子を哀しい気持ちで
    接する事しか出来ない洋平たちの平凡な町に
    忍び込むように住み始める田代。
    少しずつ心を通おせようとする人々が
    得体の知れないものへと変容していく。

  • 吉田氏の作品は好きなものと嫌いなものがはっきりわかれるが、本作はタイトルからして好き系と直感。あっという間に上巻読了。下巻を自宅に置いてきたことを出先で悔やんでおります。

  • 複数の登場人物が接点がなく大きくかけはなれているため、場面が変わるたびに、どういう人だっけ?と一瞬悩んでしまう。タイトルの「怒り」の意味はわからない。

  • 八王子で起きた殺人事件。
    夫婦が殺害され、現場に残された「怒」の文字。
    逃亡を続ける犯人の山上一也。

    その事件から1年後のこと。
    遠く離れた3つの場所で3つのストーリーが展開されていく。
    そこには「山上?」と想像される人物が一人ずつ。
    誰が山上なの?
    どんどん引き込まれて、とまらない。

  • 八王子で起こった夫婦殺害事件。
    容疑者山神一也は一年経った今でもまだその足取りが掴めていない。
    廊下には被害者の血を使って書かれた言葉「怒」の文字が残されていた。
    「怒」の文字は何を意味するのか? 

    房総半島の港町浜崎に住む父と若い娘。
    東京の会社に勤めながら実はゲイである若い男。
    母親と共に沖縄の島に移り住んできた女子高校生。
    犯人山神を未だに追い続けている警察官。

    四つの視点と舞台から描かれ、それが頻繁に変わるため、最初は非常に読みにくい。
    短い章単位であちこちへ飛び、登場人物も多いので、それぞれのキャラを頭の中で纏めきるのがなかなか難しい。
    それでも、そこはさすがに現代の名文家吉田修一。
    少しずつながら話の展開に興味が湧いてくる。

    警察官を除く三つの場所に謎の男が一人ずつ登場してくる。
    当然その誰かが犯人山神一也なのだろうと推測できるが、それが誰なのか?
    ヒントと思しき会話や場面が合間に現れだす。
    ばら撒かれた数多くの伏線がどのように回収されていくのかが気になり、徐々に居ても立ってもいられなくなってくる。

    というあたりで、上巻は終了し、下巻へと続くのである。
    そんなわけで、この上巻の三分の二を過ぎたあたりから、ページを捲る手が早くなってくるのだ。
    さあ、どういう結末が待っているのか、下巻が非常に楽しみだ。

  • 人は、自身の期待や理想と比較して、随分と弱い。人は、諦めることで、希望を損なうことがあり、人は、諦めることで、前へ進むことができるときがある。

  • 洋平と愛子と田代、優馬と直人、泉と辰哉と田中。この後どんな風に糸がほどけていくのか、下巻か楽しみ!

  • 6月は何だかゆっくり休みて無い様な…。 ⁡
    ⁡⁡
    ⁡ってな事で吉田修一の『怒り 上巻』

    ある夫婦が殺され犯人は逃走中。⁡

    手掛かりは現場に残された血文字の『怒』。 犯人は『山神一也』と特定されたが丸一年足取りが掴めない…。 ⁡
    ⁡⁡
    ⁡外房の漁師町に住む父親の洋平と娘の愛子と待の人々、そこに二ヵ月前からこの町に来た漁港でバイトをする田代と言う男…。 ⁡
    ⁡⁡
    ⁡都内に住むゲイの優馬とその兄弟と親戚、ある日発展場でレイプ同然にSEXした素性も分からない直人と何となく一緒に住むようになる…。 ⁡
    ⁡⁡
    ⁡男関係で夜逃げしながら名古屋、博多と落ち着いたと思ったら急に沖縄へ引越し…。⁡

    そんな母親の真由にそれでも付いて行く娘の泉。⁡

    沖縄に着いてからボートに乗りたがっていた泉に同級生がボートに乗せて無人島へ。⁡

    その島の廃墟に何故か男が住み着いてる田中と出会う…。 ⁡
    ⁡⁡
    ⁡と、3人の犯人候補を追う八王子署の北見と南條。

    上巻はザックリこんな感じじゃが、誰が犯人か!ちょっとづつネタを出してく感じなのにイライラせずに読めるw

    それぞれの人間模様も面白く、下巻が早く読みたくて堪らない♪

    4つの物語が何処で交わるか楽しみ過ぎw
    久々に面白い本じゃなっと♥

    2015年33冊目

  • 市橋達也の事件をモデルとして、逃亡中の容疑者を追う警察、
    そして容疑者かもしれない、背景がはっきりしない田代、直人、田中という
    3人の男たち、彼らと知り合った周りの人たちの物語が
    代わる代わる語られていく。

    本作を元にした映画があり、
    好きな役者さんばかり出ていると思って映画館へ見に行った。
    旅先の映画館で見て、その夜はホテルに戻っても様々な感情が押し寄せて
    眠ることができなかった。
    良い映画だとは思うが辛くてもう一度見ようという気になれず
    原作を読んでみようと思いながらも腰が重く
    今回たまたま棚にあったのを見かけてようやく手にとった。

    映画を見ているのでストーリーは知っているわけだが、
    上巻を読んだ段階では、
    もちろん省かれたエピソードや人物はいるものの
    かなり忠実に作られていたと感じる。
    物語全般に漂う気だるい空気、閉塞感が、肌にまとわりついてくるようだ。

    タイトルについて
    冒頭の犯人である山神が残した血文字の印象が強いが
    筆者自身は山神の怒りというよりは、
    三組の人々の怒りを描いていったものだという。
    それを聞いて自分は腑に落ちるところがあった。
    山神を追う刑事たちが、歌舞伎町に出入りしていた、と聞いて
    女装して逃げているのではと発想するのがあまりに貧困で、
    優馬の物語を読んでいるせいもあって辛く追い詰められた気持ちにもなった。
    これも、突き詰めて表現するなら「怒り」なのだと思う。
    刑事にというよりは、世間への。

    映画であまりに酷いと感じた泉の一件、
    辰哉の行動が原作の方が少しマシではあるものの
    事前に聞いた「原作では泉ちゃんは無事」という話、
    自分は読んでみてとてもそうは思えなかった。
    これはもう、怒りを通り越して吐き気がする。あまりにも酷(むご)い。

    物語が進む中に少しずつ不穏な空気が織り交ぜられており、
    田代が愛子のことを大事に思っていそうなのに煮え切らないところや
    優馬の友人たちの家に空き巣が入るところが
    じわじわと気味が悪く、落ち着かない気持ちになりながら読んだ。
    このざらつく描写は秀逸であると思う。

  • その男が誰なのか核心に迫っていくスリルがあります。吉田さんは人物、生活を浮き彫りにするのがうまいですね。どんどん引き込まれて、このまま下巻に突入です。

  • 3ヶ所での物語が同時進行で進んでおり、それぞれがどう繋がっていくのだろう?と気になりあっという間に読んでしまいました。
    上下巻だったので、ゆっくり読もうと思ってたのに…

    まだまだそれぞれの繋がりは分からないままなので、下巻が楽しみです。

  • 山神一也が直人?どうなるのか、下巻を読むことにしよう!

  • 東京の住宅街で若い夫婦が強盗に殺される事件。
    それと並行して千葉の漁港で働く父娘・都内の大手企業に勤めるゲイの青年・沖縄の離島に住む女子高生が出会う男の話。
    このうちの誰かが殺人犯なのか?

    吉田修一がよく書く、感情の表出が希薄で捉えどころのない青年。
    彼らはひとの中でうまく暮らせないわけではない
    けれども何かが、決定的に周囲と同化していない。

    過去を語ろうとせず、「今」の姿だけをみせる彼らは、決して悪人には見えない。
    むしろ不器用なだけで、人がいいようにも見える。
    しかし、それが本当の彼らの姿なのか。

    急ぎ下巻を読まなくては。

  • あまり幸せそうじゃない人たちがたくさん出てくる。読みやすいが苦手なパターン。

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著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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