天盆

著者 :
  • 中央公論新社
4.09
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本棚登録 : 94
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120046346

作品紹介・あらすじ

知の下剋上が始まる!盤戯「天盆」の覇者が政を司る小国「藍」。貧しい食堂の末子・10歳の凡天が対局で異様な才を示したことから、歴史が動き始める。国の行方、家族の絆、すべては盆の中…C・NOVELS大賞特別賞受賞作品。

感想・レビュー・書評

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  • (No.14-18) 架空の国、架空の盤戯なので、ジャンルとしては架空歴史小説になるのかな?

    内容紹介を、表紙裏から転載します。
    『蓋の国を動かすのは、盤戯「天盆」に長けた者。
    人々は立身を目指して研鑽に励むが、もう何十年もの間、平民から征陣者は生まれていない。
    そんな中、貧しい食堂に暮らす13人きょうだいの末子・凡天が激戦を勝ち進み・・・。

    その疾走感あふれる筆致で、選考会を席捲した快作登場。』

    これ、中央公論新社のC★NOVELS大賞の応募作なんですよ。みごと特別賞を受賞して、ノベルスでなく単行本で出版の運びになったという作品です。
    ライトノベルではちょっと考えられない渋い装丁に驚いたのですが、読み終わって納得。内容にすごく合ってるわ。
    これを受賞させたこと、単行本にしたこと、中央公論新社はなかなか懐が深いと感心しました。

    架空の盤戯「天盆」は将棋を連想させるので、盤がどうなっているのかはっきり分からなくても何となく分かった気になれます。
    天盆を勝ち進んで上に行く国の仕組みは、中国の科挙みたい。
    すでに分かっているものを読者に思い浮かべさせ、無駄な説明なしに一気に物語を進める作者の工夫なのかなと思いました。

    紹介にも「疾走感あふれる」とありますが、ほんとにこの内容が一冊に収まっているのはすごいと思う。
    約10年間の出来事で登場人物も多数なのに・・・。
    果物をぎゅっと搾って、さらに濃縮して、200%ジュースにした感じ。

    がーっと読み終わって、本来なら空しい寂寥感が漂うようなうラストなのに、なぜか私はすがすがしい風に吹かれている気持ちで本を閉じることができました。

    家族のあり方が揺らいでいる現代。家族って何なの?にひとつの答えがあって感動しました。

    久し振りに、「みんな読んで~」と呼びかけたい本に出会いました。

  • とても面白く、三日で読破した。
    これが一番じゃないのはレーベルの問題だろうか。他の作品も気になるので読んでみたい。
    カテゴリも中国にしたけど架空の国なのであくまでイメージ。

    主人公は凡天だと思うが、テニスの王子様みたいな書かれ方。
    戦国時代の江戸に思いを馳せたり、ヒカルの碁や北条氏綱の言葉を思い出したりした。

    やっぱり小説は面白い!!と思わせてくれた小説。
    この作者さんにオリジナルの戦国の戦記物を書いていただきたいと思った。

  • 天盆を指すシーンは多少ドキドキしたけれど、全体的に淡白な印象。でも所々はっきりと家族の絆や温かさを感じた。
    そしてラストがいいと思う。あの後の展開を、現実的でがっかりするか、非現実的で白けるかしか想像できなかったので、よかった。

  • 09/03/2017 読了。

    図書館から。

    文庫版の表紙を見て気になったので、
    図書館で見かけて借りた。
    この著者は初めて読む。

    さくっと読める。
    架空の盤上ゲームだけど、あったら面白いだろうなっていう。将棋っぽいですが。
    (コロヨシ!とかも好きだったしなぁ)

    国の争乱と盤上が絡みつつ、ですが、
    家族の話だと思う。

  • 一度目、読了。
    頭の中に疾走感が残る。

    「天盆」のルールを知らなくても、描写に惹きつけられてページを捲る手が進む。

    『ヒカルの碁』を読む感覚と似ている感じがした。ゲーム自体違うし、天盆も将棋に近いものと読んでいたが、文章の奥に盤面を挟んで向かい合う人物とその周りの世界が見えてくる気がした。

    文庫で新刊が出ると思って探したら旧作があったので、早く手に入るこちらを手に取った次第。

    以前囲碁をやりたいな、と思ったことがあるが、また再燃しそうな気も。
    将棋がわかればなお一層読んでいて面白いかもしれない。

  • ドラゴンボール(全巻読んでないけど)みたいだなと思った。紹介文からもっと壮大な話を想像していたがそうでもなく、でも潔い終わり方だなと感じた。文章は読みやすくて好きなテイストでした。

  • 時代設定は南北朝にちょっと似てるかも、天盆のやり方は象棋というより将棋かな… 血の繋がらない家族の絆もぐっとくる。

  • アホみたいに面白かった

  • 肉付ければもっと重厚に出来たであろう内容を、さらりと終わらせる潔さがあった。兄弟たち一人一人の造形が良かったのと、血のつながらない家族の在りようが全体を通してあたたかくにじんでいたのも良かった。面白かった!

  • 中国の春秋戦国時代を彷彿とさせる時代,天盆という将棋のようなゲームに治世を絡めて,一つの国の終焉を描いた物語.また,血の繋がらない家族の物語でもある.説明,描写はかなり少ないが,簡潔な会話の中などに,家族への思いが溢れるようだ.とても面白かった.

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著者プロフィール

一九七八年八月、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。二〇一四年、第十回C★NOVELS大賞特別賞を受賞した『天盆』(「天の眷族」を改題)で鮮烈なデビューを飾る。著書に、奇病に冒され、世界中を跳躍し続ける少女の青春を描いた『マレ・サカチのたったひとつの贈物』(中央公論新社)、本の雑誌社『おすすめ文庫王国2017』でオリジナル文庫大賞に輝いた『青の数学』(新潮文庫nex)がある。

「2018年 『マレ・サカチのたったひとつの贈物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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