世界教育戦争

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120046612

作品紹介・あらすじ

ほぼすべての子供に高度な思考力を身に付けさせている国がある。どうしてそんなことができたのだろう。ほかの国でそれができない理由はなんだろう。2000年に始まった学習到達度調査PISAは、15歳生徒の読解力、数学知識、科学知識、問題解決を3年ごとに数値化するもの。アメリカは順位の低さに驚愕。一方、驚くべき国々がハイスコアを収めている。いま世界で、子供の教育に何が起こっているのか。衝撃の報告と重い問いかけ。

感想・レビュー・書評

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  • 留学生も多く受け入れている教育大国?と思われている米国の現状が垣間見える。
    米国出身の高校生が韓国、フィンランド。ポーランドに留学しての実体験からの分析、見解が秀逸。教育は投資金額ではなく、学生、教師、親達の共通認識が大事だということ。

  • <目次>
       主な登場人物
       序章
    ?秋 第1章 宝の地図
       第2章 旅立ち
       第3章 圧力鍋
       第4章 とある数学の問題
    ?冬 第5章 アメリカ少女、ユートピアへ行く
       第6章 駆り立てるもの
       第7章 変容
    ?春 第8章 差異
       第9章 400万ドル教師
       第10章 帰国
    著者あとがき
    付録1 世界水準の教育の見極め方
    付録2 AFS学生体験調査
    役者あとがき
    参考文献

    2014.11.22 HONZより
    「厳格な雰囲気の醸成に重要な役割を果たすのが教師の存在である。」
    「著者は、他国で機能している仕組みを自国に採用する際には、その仕組みがどのような経緯や土台を基にしているかを理解する必要があると注意を促す。教師の質が十分高められていない状態で、フィンランドを真似て教師の裁量を高めても意味が無い。」

    日本の教育レベルを上げるには、まず教師のレベルを上げる必要があると思う。一部の教師のモラル・やる気の低さが、教育の足を引っ張っている。
    2015.01.25 読書開始
    2015.02.01 無駄に情報の羅列が多い。

  • PISA(15歳生徒を対象とした国際学習到達度調査)で想定外の低評価だったアメリカでなぜだー?というのがホットな話題らしい。著者はその疑問に答えるべく好成績を上げた国で且つそれぞれ特徴的教育を持つという3カ国、フィンランド、韓国、ポーランドに留学した米国人生徒とその周辺を取材した。地域や自治体の経済力、教育予算は関係なく、教育に対する厳格さ、信頼、それらに対する意思統一などが影響しているという。また親のなせる態度としては上記の一部の役割を担うのはもちろん読み聞かせによる言語、思考訓練の繰り返しが先々の差につながる、等々。定量的な分析が多いのだがあくまでテストの結果だけなので、そこに留まらず社会での活躍まで視野に入れた分析が望まれる。何せアメリカ企業・産業のイノベーション強いから。

  • 極度に生徒を追い詰めるような環境では、競争に勝つことこそが唯一絶対の目標になってしまうということだ。こうなると家族も子供も学びの目的を見失い、順位と点数に異常なほど固執するようになる。(p.97)

    15歳のときに思い描いていた目標次第で、その後の将来がある程度は予測できてしまうらしい。高い目標を掲げ、高校を卒業して大学に進もうと考えている生徒は、そのまま高校を卒業できる可能性が極めて高いようだ。しかも、そういう高い目標が維持されてさえいれば、親の社会的・経済的地位も、統計的には高校卒業時に影響しないというのである。(p.236)

    韓国の誰に聞いても、自国の教育制度を賛美する人は一人もいなかった。その仕組みのおかげで利を得ているはずの人でさえ、制度そのものは疑問視しているのである。ここから得られる教訓があるとすれば、エリート層だけでなくすべての人に有益な機会が確保されるだけの公平さがない限り、制度は妙な方向に歪められてしまうのだということだ。親たちが不安を募らせれば、教育は軍拡競争の様相を呈する。結果として得られる恩恵は絶大だが、そのための基準が極めて厳格なこの国では、その恩恵に預かれるのはほんの一握りにすぎない。(p.259)

  • 原題:The Smartest Kids in the World: And How They Got That Way
    著者:Amanda Ripley
    訳者:北 和丈
    NDC:372.3892

    【簡易目次】
    主な登場人物 004

    序章 謎  007

      1 秋
    第01章 宝の地図 023
    第02章 旅立ち 041
    第03章 圧力鍋 070
    第04章 とある数学の問題 101

      2 冬
    第05章 アメリカ少女、ユートピアへ行く 121
    第06章 駆り立てるもの 155
    第07章 変容 185

      3 春
    第08章 差異 223
    第09章 四〇〇万ドル教師 251
    第10章 帰国 267

    著者あとがき 297
    付録1 世界水準の教育の見極め方 305
    付録2 AFS学生体験調査  325

    訳者あとがき 353
    参考文献 369
    注釈 397

  • PISAテストの結果を受け散々な結果だった、アメリカの教育問題を韓国、ポーランド、フィンランドの成績上位国と比べ指摘している。
    貧困層でも教育システムがしっかりできているフィンランドでは貧困による成績の格差が少ない。日本でも貧困の連鎖が問題視されている。日本も見習うべき教育への考え方がありそう。
    うん、そうだ!子供には読み聞かせをしよう。

  • 全ての子ども、教育環境に可能性があることに気づかされた。また来年ごろに読み直したい。

  • 結論的には、国際共通テストのスコアアップに有効なのは厳格さ。教育の本質とは鍛える事という感想を持った。スコア上位国で学んだ交換留学生の体験談が軸なので読み易さがあるが、視点はあくまでもアメリカの教育のあり方という点は留意。隣の芝生がいつも青いのは万国共通のよう。

  • ほぼすべての子供に高度な思考力を身に付けさせている国がある。どうしてそんなことができたのか。なぜほかの国でできないのか。衝撃の報告と問いかけ。OPAC → http://t.co/u4omfkMMr7

  • 世界各国の教育成果比較、詰め込みと競争で1位の韓国。教師の質と地位を高め急速に成果をあげたフィンランド。勉強のハードルを下げ、スポーツがメインになっているアメリカは、改善の余地あり。

    義務教育は低位かもしれないけれど、高等教育は世界に名だたるアメリカ。日本はその逆?

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著者プロフィール

ジャーナリスト兼ノンフィクション・ライター。コーネル大学卒。主に「タイム」誌や「アトランティック」誌に、公共政策と人間の行動のあいだに生じる差異について調査した記事を書いている。ほかの著書に『世界教育戦争』(北和丈訳/中央公論新社)がある。本書は15カ国で出版された。

「2019年 『生き残る判断生き残れない行動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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