きょうも誰かが悩んでる - 「人生案内」100年分

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120047367

作品紹介・あらすじ

恋に結婚、家族や友人、仕事、生き方…。1914年(大正3年)に連載を開始した読売新聞の人気コラム「人生案内」。過去100年分から珍相談・名回答を厳選。

感想・レビュー・書評

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  • いつの時代も悩んでいる人はたくさんいるのだなぁという印象。
    主に女性の目線から、恋と結婚、家族問題などを中心に相談と回答を載せている。


    100年続いているコーナーからの抜粋なので、現代では考えられないような悩みもある。
    コンセプトとしては面白いはずなのに、悩みを読んでいても、どうも深く共鳴できず、大変だなぁ、と他人事になって読んでしまうのは、そのためだろう。


    日頃新聞では老若男女、さまざまな人が相談しているので、現代の悩みの方が個人的には共感したり、
    また他者理解の点からも勉強になったりするような気がする。

    過去を知ることはもちろん大切だが、
    悩みに対する回答の数々が素晴らしいだけに、
    共鳴できる悩みを読みたいというのが本音。

  • 人の悩み十人十色。時代を超えて比べて見ると不思議な感動が湧き上がってくる(悩んだ人たちには申し訳ないが…)。家族制度による問題や、復員兵にまつわるトラブル。明らかに時代背景を物語っている。一方でDV被害や性の問題が大正期と現代とで意外と質が変わってないのには驚かされる。活字の世界でちょっとしたタイムスリップを味わえるのもいい。

  • うちでは讀賣新聞を読んでいます。
    ので、いつも人生案内を読んでいます。
    悩みは誰にでもあるものです。
    参考にさせていただいたり、自分はこの方に比べたらまだまだじゃないかと自分を奮起させたりする事ができて、ありがたいです。
    この本はいろんな時代背景が窺えて、とても為になりました。

  • 「時代だなぁ」と思う相談が多いなか「え、戦前でもなく昭和でもなく平成の相談!?」とビックリしたのが、家継ぎには嫁げないという長女の方の相談。
    法律が変わって家制度がなくなっても、慣習的な考え方や価値観はおいそれと変わらないし、たとえ個人の考え方が変化しても親族の考え方が変わらない限りは何かと足かせになる。
    実際、自身のことに置き換えても、煩わしいと思いつつもついつい慣習的な価値観に引っ張られてモヤモヤしていることが多々あると痛感。
    落合恵子さんの
    「結婚は個人と個人の結びつき、一人ひとりが新しい歴史を作っていく」
    という回答に元気をもらいました。

    戦前の相談で特に感じたけど、当時の方々の言葉遣いや綴り方がどっしりしていて憧れます。

  • ふむ

  • 悩みが世相を反映している。回答は内容によって、本質は変わらないものと、その時代の制度や慣習にしたがっており現在では憤りを感じるようなものがあった。

  • 読売新聞のコラム「人生案内」100年分から、珍相談・名回答が厳選され1冊の本にまとめられている。恋愛事についての相談とその回答から時代の移り変わりを感じた。

    以下は大正時代、文通交際の行く末に悩む女学生に向けた記者の回答。
    『あなたは女学校の四年生だという。まだ世の中の何事も目の開けぬ娘さんだ。〜中略。いわゆる教育家の見解なら、あなたはすでに堕落の淵に一歩も二歩も入っているのである。あなたがもし今真に自分に目覚めたのなら現在の自分が如何に恐ろしい淵のそばに立っているかを知るに至り、愕然として驚くに違いない』
    異性と文通をしただけで堕落の淵とまで言われてしまうなんて…。

    また以下は昭和25年、交際相手の男子高生と接吻を交わしたことで、自身が純潔でなくなったのではないかと悩む女生徒に対する医師の回答。
    『あなたはせっかく美しい交際をしていらしたのに唇を許してしまったとはおしいことでした。中略〜あなたはまだりっぱな処女です。今後気を付けて下さい。』

    この100年間で男女の恋愛事情は大きく変わった。大正時代の民法では男性は30歳、女生は25歳に達するまで、結婚には親の同意が必要だったそう。過去の多くの人の働きかけにより、私達は自由結婚の時代に生きている。今の自分の悩みなんて時代が変われば発生すらしないんだろうな。…とはいえ平成のお悩み相談には新たにSNSトラブルなどが入ってきており、いつの時代も悩みはつきない。

  • ◎温故知新とはよく言ったもので。
    読売新聞の生活面に掲載のある「人生案内」。
    100年前から続くこのコラムの、珠玉の回答集である。

    100年前とは当然、人々のものの考え方も異なるところが面白い。
    当時は処女だ童貞だなんという言葉は平気で使われていて、回答する方も直球で答えるのが面白いところ。
    今ならそんな言葉、新聞では使えないよなぁ、と普通に思ったりしました。

    人生案内と言えば家族の悩みや女性特有の悩み、男性は仕事を辞めようかどうしようか迷うとか、いろんなことが起こります。
    それを65個に凝縮して、ご紹介します。

  • 読売新聞の過去の人生相談、相談内容で世相の移り変わりがよくわかった。

  • 159

  • 大正3年から読売新聞の「身の上相談」/「人生案内」に寄せられた相談とその回答を厳選し、1冊にまとめた本。
    大正や昭和初めの悩みと現代の悩みの違いに、時代の流れが感じられ、なかなか興味深い。

    しかし、この本には私の悩みを解決してくれるような解決策は載っていないし、また、同感できるような悩みも紹介されてはいなかった。

    でも、シングルマザーに対する落合恵子さんの回答「大方の子は、いま目の前にいる大人(親や養育者)に心から愛されている実感があれば、事実を受け入れることはできはずです。~中略~ あとはあなたが生き生きと暮らすこと。それが、お子さんへの最高のプレゼントではないでしょうか」、そして、もう1つ。哲学者の鷲田清一さんの「家庭は、互いに無警戒でいられる場所、見返りなしに尽くしあえるそんな場所」という言葉に出逢えたことに感謝したい。それだけでも読む価値はあったと思う。

  • 読売の人生案内の事例集。昔の女性は大変だったんだなあという印象。いつの時代も悩んでいる人は大勢いるということに勇気づけられる。

  • おそらく、100年分の内容から編集者が面白い、ためになるようなものを選んで抽出した内容が集められたものだと思うが、なかなか面白い。
    ただ大正時代からの内容もあり、さすがに現代と照らしても全く常識的に理解できないものもあるが、ところどころにあるコラムにも書いてあるように「人々の100年間の悩みの変化」がこうも時代とともに変化するものかと。

    昭和前半の農村地方の嫁の話、戦後の女性の権利向上に伴い悩み相談の回答にも変化が現れている話などが実に面白かった。

    今でこそフェミニズムやら何やらといったものが当たり前にあるが、100年前からすると現代の女性は大分権利的にはましになったものだとは思うが、権利の面で認められたからといって必ずしも女性の幸福度は向上しておらず、悩みの種は尽きることがない。
    まさにタイトル通りの「きょうも誰かが悩んでいる」であると思った。

    しかしまぁ過去の女性への扱いの酷さと言ったら異性である男性の私も気分が悪くなるくらいの内容であるが、昭和20年を過ぎたあたりから敗戦後の欧米の文化がかなり強く国民に影響したようで、悩み相談にもその内容が如実に現れている。

  • 2015.7.25予約 159キ
    2015.8.1

  • 連載100年を迎えた読売新聞の人気コラム「人生案内」。膨大な過去のアーカイブから、珍相談・名回答をここに厳選。「お金が必要なので子どもを売りたい」「妻が処女ではなかったので離縁すべきか」「孫を抱きたければ手を洗えと嫁が言う」……。抱腹絶倒、悲喜こもごも。あなたのお悩み、すでに答えが出ています!

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著者プロフィール

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「2018年 『なぜあの人のシャツはパリッとしているのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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