あの家に暮らす四人の女

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 414
  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120047398

感想・レビュー・書評

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  • 古い洋館に住む4人の女性と周囲の男性たち。
    同じ敷地に住み続けるおじいさん。刺繍に興味を持っている内装屋のイケメン。ストーカー。
    かっぱのミイラに憑依する家を追い出され死んだ父親。カラスの集合体。
    不思議な世界でした。刺繍を生業にしている娘と内装やさんの恋の行方が気になる❗

  • 現代東京の都会、一つ屋根の下に暮らす4人の女性たちの生活を描いている。大都会でありながら、また現代でありながらその話の内容は浮世離れしており、まるで大正か昭和初期のような雰囲気を漂わせる。帯に「谷崎潤一郎メモリアル特別小説作品」とあるがその浮世離れした4人の女性は確かに「細雪」を彷彿とさせる。ただ「あの家に・・・」の作品はそこまで谷崎を意識してないのではないか。終焉にはファンタジーのようなストーリー展開もあり、軽妙なタッチも感じさせる不思議な作品だ。

  • 女四人の共同生活。
    梨木香歩の『からくりからくさ』を思い出した。
    しかし、その四人の構成は40代独身女性とその母親と20代女子と、雑多。
    40代独身女子と聞くと、アラフォー、お一人様、という印象だがこの主人公はそんな感じはまったくない。刺繍にいのちを懸けて、刺繍をしていると他のことが目に入らなくなる。それぐらい打ち込めることがあることは、とても幸せなことだと思う。
    40代になっても、母親にとって娘は娘だし、小さい頃から目をかけてくれていたおじさんにとってはお嬢さんだ。
    恋もするし、上手に駆け引きできず落ち込んだりもする。
    そんなもんなんだと思うと、人間くさくてホッとした。

    ————————————
    夜が長いからこそ、光を、理解を、愛を、飽かず求めることができるのかもしれない。だとしたら、ひととはさびしく愛おしい魂を抱えた生き物だ。

  • しをんさんの自由自在に突き進む妄想のような
    それを、独り言のように呟いているような本でした。

    あちこちで吹き出しつつ
    そんなアホなと思いながらも楽しく読みました。

    でも、まあ、苦手な人は苦手でしょうね。

    楽しめたは1つには、
    私の大好きな職人さんがプッシュされているからかも。
    『政と源』のときは「つまみ簪職人」だったが
    今度は「刺繍」である。
    いや~~すごく親近感がわくわ~~。
    佐知の言っていることがすごくわかりました。

    ある意味、しをんさんの分身でもあるかもね。
    奥深さなんて考えちゃうと、○○○って何?になったけど、
    ここの住人になってみたいと思った本でした。

  • 私なりの褒め言葉として言います。

    「地味に面白い」

    わくわくドキドキハラハラするものではなく、
    時々クスっと笑えて、微笑ましいです。
    同じ世代なので、とても共感できました。

  • 【最終レビュー】

    予約著書・約半年弱待ち。図書館貸出。

    『品格の高さと奇妙さ』が混ざり合った古風な屋敷の中で展開される

    〈不思議な糸と糸で結びあうかのような、四人の大人世代の女性達の人間模様〉

    昭和期の実話・文学作品(三島由紀夫・夏目漱石)等の風情さを背景にしつつ、彼女達がそれぞれに抱える

    『心底で感じる「率直な本音=心境」』が絡み合い、淡々と時間が流れていく中

    ささやかな出来事の数々に遭遇していきつつ、彼女達がふっと

    『目には決して見ることはない「それぞれが、何かしかに気づくこと」』を通しての

    〈大人世代としての女性の在り方〉

    をさりげなく、時にはズバッと、時にはそっとゆるりと投げかけるかのような

    『メッセージの数々』が散らばっていました。

    と同時に、私自身の中でも思うところが書かれていたりと、抱えている心境そのものにも頷けるものがありました。

    〈人には決して言えないこともあるけど、大人世代だろうが、女同士であろうが、こうだと思う時は『相手に直接、顔と顔を突き合わせつつ』しっかり伝えながら、互いを理解し合あうこと〉

    これが一番、今回、しをんさんの著書を通して

    ありふれている展開の中で、しんみりとなめらかに伝わってきていたのが印象深かったです。

    これ以上はネタバレになるので、この辺りで。

  • 刺繍作家の佐知、母の鶴代、佐知の刺繍の生徒の多恵美と多恵美の会社の先輩で佐知の友人雪乃。色々なめぐりあわせから四人で一緒に暮らすようになり、家族でなくても「身内」という居心地のいい距離感を作っていく。
    「だれだってさびしい。恋人がいようといまいと、結婚してようとしてなかろうと」「お互い『こうしないと』とか、『こうしてほしい』って考えをやめて、自分と相手に対して広い心を持つのがベストでしょうね」というセリフが心にしみる。家族って、近すぎても遠すぎても大変。
     最後は、みんな見守られているんだよという幸福感に包まれる。

  • 旧家で暮らす4人の女性(母、娘、知人2名)と離れのおじさん のお話
    4人のキャラが凄いのですが
    更に、近くに棲んでいるカラス、河童の干物(?)、お父さんの霊まででてきて
    普通じゃあない日常でした。

    「細雪」と登場人物名も同じ、というセリフが出てくるのですが、
    文学史でタイトルは覚えたものの、本家(?)は読んでません。

  • 紹介文に「現代版細雪」とある。
    あっしまった、『細雪』読んでないし、と思いつつ手にする。
    母娘と娘の友人とその同僚、というちょっと変わった構成の女四人暮らしを描いた、なんということのない日常、というか、結構風変わりな日常。

    しをんさんらしく、テンポよくちょっと可笑しく楽しく読めるのだが、若干視点の移り変わりが読みにくいなと感じたのはカラスのせいだった。
    カラス、必要かな~。どうなんでしょう。
    お父さんも、どうなの。

    ファンタジックなのがあまり好きじゃない私としては、なんとなく納得がいかず、でもまあ、これはこれでアリか、という気もしないでもなく、二時間枠のドラマで観たらいいかもな~と思いつつ、でも楽しく一気に読めました。

  • エッセイなどの印象が強く残っているせいか、どうも鶴代はしをんさんのママ、佐知はしをんさんという気がしてならない。
    最後の方で、あれ?こういう話なの?とちょっと苦笑いというか、意外な感じがしたけど、なんだか勢いで突き進んだ感じ。

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著者プロフィール

三浦 しをん(みうら しをん)。
1976年、東京生まれの小説家。出版社の就職活動中、早川書房入社試験の作文を読んだ担当面接者の編集者・村上達朗が執筆の才を見出し、それが執筆活動のきっかけになった。小説家の専業になるまで、外資系出版社の事務、町田駅前の古書店高原書店でアルバイトを経験。
2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。2012年『舟を編む』が本屋大賞に選ばれ、翌年映画化された。2015年『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞受賞。また、『風が強く吹いている』が第一回ブクログ大賞の文庫部門大賞を、2018年『ののはな通信』が第8回新井賞を受賞している。
Cobalt短編小説賞、太宰治賞、手塚治虫文化賞、R-18文学賞の選考委員を務める。最新刊に、『愛なき世界』。

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