嫌老社会を超えて

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120047596

作品紹介・あらすじ

「嫌老」から「賢老」への道を探る!衝撃の語り下ろし!

感想・レビュー・書評

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  •  五木寛之「嫌老社会を超えて」、2015.9発行。かつてはお年寄りは「愛嬌のある人」「一目置きつつケアする」、そんな存在であった。今は、疎ましいだけの存在、社会に漂う嫌老感。老人は数が多いだけでなく、弱者ではなくなった。「同情」から「嫌悪」に。老人は見る力、聞く力、噛む力、歩く力・・・、様々な面で不便を感じているのですが、困った現象です。人生100年時代の生き方と逝き方、老いも若きも、社会全体として考えないといけませんね。超えるのは難しそうです。
     かつて老人は弱い存在であり、同情を集めた。今は元気な老人で、かつ年金と医療の恩恵を。一方で、ブラックや非正規、貧しい若者。豊かで元気な老人には、反感と嫌悪の感情が。五木寛之「嫌老社会を超えて」、2015.9発行。著者は嫌老社会を超えるために、いろいろ提言されていますが、どれも難しく感じました。高度成長からバブル景気、そしてバブルの崩壊後、下り坂を下る日本。希望が持てない「不安」を払拭する手立ては見つかるのでしょうか!

  • 負の遺産を背負わされ苦境に立たされる若い世代は,あふれかえる豊かで元気過ぎる老人に嫌老意識を持つ…。鈍感で無作法,頑迷で偏屈な老人にはなりたくない。豊かに人間らしく老いていきたいものだ。

  • 間違いなく、嫌老社会はこれからますます先鋭化していくだろうなと思います。
    自分が老人になった頃、若者に早く死ねよって思われるんだろうな。まあ、その頃には老人の数も相当なんで、どったが力関係強いか不明ですが、、
    働いて年金辞退するとか、若者の負担にならないようにするしか、嫌老社会を生き抜く術はなさそうです。

  • 読んでいて自分が高齢者になった時のこと、高齢の家族のこと、これから社会が高齢者をどうするかということを考えさせられた。五木寛之さんと古市寿憲さんの対談のところが面白かった。古市さんの教育費は乳幼児期にかけた方が効率的だという話が印象に残った。

  • 五木さん×古市氏の対談おもしろかったー。

    五木氏『知っている人間は完全に避難していた。情報格差。全部あとになってわかった。』終戦引き上げの話だけど・・3.11にも言えるよね(+_+)

    古市氏 『政府に対して文句を言いたいときと言うのは、自分が弱者の立場に置かれた時。そうならない限りは、なかなか行動を起こそうとは思わない』そうかもなぁ・・3.11後だもん、政治に文句言い始めたの・・。デモとかさ。

  • 「老害」という言葉が散見されるように、高齢者と若者の断絶が大きくなってきているように思う。しかし、昔の新聞でも年寄を嫌悪する読者投稿があったりするので、この断絶は仕方がないのかもしれない。」

  • 「嫌老」とは嫌な言葉です。
    そんなふうに言われないように、まずは身近なことからはじめよう、「賢老」となるために。

  • 嫌老社会を変えるには道徳的なことでは無理だとの意見に納得。
    今後の課題としては大変興味が有り、実際、多くの若者側からの本当のところの感情がどうであるのかも気になる。
    人生を登山に例えると、折り返し地点を超え、下山を人生のクライマックスとし楽しみたいところだ。
    多くの老人の切なる願いに違いない。
    嫌老を賢老に変えてゆくために何が必要なのか一人一人がしっかり考える必要がある。
    最後の著者と古市憲寿氏の対談が興味深かった。

  • 若い人がくつろぐコーヒーショップに足を踏み入れると、何とも言えない冷ややかな視線を感じる。この居心地の悪さはなにか。私は、それが「嫌老感」だとようやく気が付いた。そう、老人はもはや「弱者」ではない。高額の年金をもらい、高級車に乗り、若者の何倍もの社会保障費の恩恵を受けている。これで社会に嫌老感が起きないわけがないのだ。では、解決策はあるのだろうか。簡単ではないが、「嫌老」ならぬ「賢老」にこそ、一縷の可能性があると私は見ている。

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著者プロフィール

1932年、福岡県生まれ。作家。生後まもなく朝鮮半島に渡り幼少期を送る。戦後、北朝鮮平壌より引き揚げる。52年に上京し、早稲田大学文学部ロシア文学科入学。57年中退後、編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞受賞。ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『百寺巡礼』『生きるヒント』『折れない言葉』などがある。2022年より日本藝術院会員。

「2023年 『新・地図のない旅 Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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