消滅 - VANISHING POINT

著者 :
  • 中央公論新社
3.44
  • (46)
  • (175)
  • (192)
  • (41)
  • (10)
本棚登録 : 1245
感想 : 204
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (523ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120047640

作品紹介・あらすじ

202X年9月30日の午後。日本の某空港に各国からの便が到着した。超巨大台風の接近のため離着陸は混乱、さらには通信障害が発生。そして入国審査で止められた11人(+1匹)が、「別室」に連行される。この中に、「消滅」というコードネームのテロを起こす人物がいるというのだ。世間から孤絶した空港内で、緊迫の「テロリスト探し」が始まる!読売新聞好評連載小説、ついに単行本化。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • せっかく帰国したのに、入管に足止めされた、日本人たち。
    〈キャスリン〉によると、日本国籍を持つテロリストがいる、とのことで……。

    読売新聞連載の書籍化。

    超大型台風のために空港には人がいなくなり、そもそも部屋からほぼ動かない。
    与えられた情報だけで、テロリストを推理する群像劇。

    推理をしあう場面は、楽しかった。

    触れた人間の抱くイメージを読み取れる、不思議な少年。
    ハイスペックなヒューマノイド〈キャスリン〉。

    ところどころ入るSFの要素がアクセントで、ボリュームのわりにさくさく読める。

    テロリストの真相は拍子抜けで、話が長かっただけに、物足りなかった。

  • 恩田さんの厚~い一冊。

    いつもならその厚さにワクワクなんですが、
    ちょっと体調不良の時に読んだので残念です。

    状況は国家レベルの緊迫状態…
    のはずなのにどこかほんわかした空気。

    魅力的な登場人物がいっぱいでした。
    特に印象的なのは、キャスリンとワンちゃん♪
    あ、人じゃないけど(笑)

    もしも自分の目の前の人間(だと思っていた人)が、
    キャスリンだったら…
    怖いけど、会ってみたい気もする。
    ”ハッピーアイスクリーム”が懐かしかったです。

    そして突然どこからか現れた、やけに人懐っこいワンちゃん。
    捕まえようと必死な人間相手に、
    キラッキラな瞳で「遊んでくれるの~?」と大はしゃぎ。
    とにかく賢くて可愛い!

    最後までテロリストが誰なのかよりも、
    ワンちゃんが何者なのかが気になって仕方なかったです。

    • koshoujiさん
      お久しぶりです。最近恩田陸に嵌ってるようですね。
      私は数年前、彼女の作品で最初に「夜のピクニック」を読んで、これはすごいや!!と思い、他の...
      お久しぶりです。最近恩田陸に嵌ってるようですね。
      私は数年前、彼女の作品で最初に「夜のピクニック」を読んで、これはすごいや!!と思い、他のにも手を出したのですが、
      彼女独特のファンタジー世界が多く、戸惑い、ついていけませんでした。
      これも近未来的な小説なんでしょうか?
      彼女は才能があり過ぎるのか、書きたいものが多すぎるのか分かりませんが、分野が幅広いですよね。
      その後、あまり手を出していません。夜ピク系なら読めると思うんだけどなあ。
      私はこの2か月間、1冊も本を読んでいない、当然レビューも書けないという異常事態に陥りました。
      2か月間も小説を読まないというのは、小学校高学年に本の虫になって以来、私の人生で初めてのことだと思います。
      今、大阪に来ていて明日は京都に向かいます。台中の同級生と40年振りの再会を果たすために。
      来週はまた畠山先生を囲んでのクラス会です。しかもラグビー大学選手権の予想もしなければならない。自分でまいた種なのでしかたないですが、別の意味では充実した毎日を送っているともいえます。
      さて、後輩のうさこさんにも喜んでもらえるような、完成度の高い(と自分では思っている(笑))動画を作りました。是非ご覧いただければありがたく。
      https://www.youtube.com/watch?v=twXj4-hG-Nw
      こんなこともやってるから本を読めなくなっているのですが(笑)。
      2015/12/12
    • koshoujiさん
      こんばんは。
      何故か、自分のレビューにコメントが書き込まれたら必ず来るはずの
      通知メールがなくて、うさこさんのコメントに全く気付かず、
      ...
      こんばんは。
      何故か、自分のレビューにコメントが書き込まれたら必ず来るはずの
      通知メールがなくて、うさこさんのコメントに全く気付かず、
      返信が遅れました。申し訳ない。でも、何故? 
      本棚のデザイン変更と一緒に機能が変わったのかな?

      『ネバーランド』は読まれましたか?
      ───これは読んだ記憶があります。

      実は体調不良でしばらくPCから遠ざかっていました。
      それでも寝ながら本は読むという(笑)
      ───体調大丈夫ですか??

      で、最近ようやくブクログ復活。
      もちろんkoshoujiさんの本棚チェックも怠りなく。
      新レビューなし。がっかり…。
      ───すみません。京都での台中の親友との再会やら
      昨日のクラス会の準備やらで忙しくて。<(_ _)>

      ラーメンどこかなぁ…まずはメルシー?とか、
      ───はい、大当たり。メルシーです(拍手)。
      私はいつも“モヤチャー大”を注文します。780円かな?
      CP高いですよ。変な有名ラーメン屋なら1000円くらい取られます。

      懐かしい映像と、澄んだ歌声に
      後輩うさこは泣きました。
      ───共感していただけましたか。ありがとうございます。
      これらアップしたいくつかのものを、画像にみんなの昔の写真などを入れ、
      修正し作り直してDVDに焼いて、昨日のクラス会&忘年会でみんなにクリスマスプレゼントとして差し上げました。歌もCDに10曲ほど焼いて。
      今ごろはゴミ箱に入っているかもしれませんが(笑)。

      そして昨日の昼に突風にあおられて、
      転んで足を痛めた、なんともひ弱な私は、
      あの若き日にしみじみと想いをはせるのであります。
      ───私もDVDにしたものをあらためてテレビの大画面で見て
      若き日に思いを馳せ、しみじみしているのであります。

      とりあえず、ではまた。(^^)/
      2015/12/20
  • 恩田陸のシチュエーションサスペンスコメディ?
    異常な状況で様々な人を集めたならどうなるかっていう。
    恐る恐る相手を見ながら打ち解けていく感じがいかにも日本人っぽいなと思った。
    日本人以外の『異物』がサスペンスとしてのアクセントになってるのかな。
    テーマが『コミュニケーションの障害』だったら、『消滅』の意味がわかるラストはなんか納得。

    鳥の巣頭の青年は渡部豪太さんの姿が思い浮かんで仕方なかった。

  • うん、面白かった。
    後味が微妙な感じがしないでもないけど。
    ちょっと「ドミノ」に似てるかなぁなんて
    考えながら読んでた。
    いや、「ドミノ」とは全然違うけど。

    わたしが好きな恩田陸作品って感じかな。
    群像であって、なんというか
    思考が加速してく感じ。
    次から次へと展開してく感じ。
    話が展開していくんじゃなくて
    登場人物たちの思考が変化したり
    加速して、世界が広がってく感じがたまらん。

    キャスリンのキャラが絶妙だったなぁ。
    言葉のチョイスというか・・・

    恩田さんの思考の飛躍がいいんだよねぇ。

  • 新しい恩田らしさ!ここ最近のオチの弱さしか際立たない作風から、少し初期のようなものに戻ったか、汲み取ってさらに進化したか、のような。「十二人の怒れる男たち」を思い出すような、密室で複数人の思考と会話で成り立つ物語。
    一時期の舞台脚本や演劇ものを書いていた時の作風から進化して、かつ初期の不思議な空気感も含ませていて、どことも似つかない新しいかたち、でも確かに恩田さんだ!と思わせられるこの感じ(オチの弱さも含め)とても新しい!全作追ってるファンとしてただ嬉しい。「国際空港はどこの国でもない」という舞台設定、みんなが怪しく見えるキャラ設定、キャスリンという異物の投入、日本を覆い隠すほどの台風&通信テロという非日常感の演出、人間の心情の移り変わりが恩田さんの醍醐味だと思ってるので楽しかった!オチの弱さもそこまでズッコケずありがたい。非日常から一気に日常に戻すのに、あのアイテム選びはさぞ有効だったんだろうと思う。抱いてた闇が、実は自分たちが勝手に作り出していた、ということに気づく終わりかた。国家という概念的なものの書き表し方も面白い。

  • 面白かったー。
    ラストは拍子抜けな感じではあったけど、恩田陸の作品なら腹も立たないし納得。
    テロリストと疑われ別室へと連れていかれた人々の心の葛藤や気持ちの移り変わりが面白かった。
    一年に恩田陸の新刊が3冊も読めるなんて幸せー。

  • 途中の緊密な感じ、たのしい!
    202x年を2012年に刊行している。つまり近未来を描いているんだけど、そこにスマホもSuicaも出てくるが、スマホにSuicaがアプリとしては入っている現在のようには描かれてないのが面白い。Suicaを部下に渡して人数分のコーヒー買って来てもらうエピソードがでてきて、なるほど、いまはもうそんなことできないな、携帯わたしてもロックかかってるしね、と思った。笑

  • 行き先もどこに向かっているかわからない。普段の暮らしも世の中すさまじいスピードで加速している。豊かになりたいという欲望だけが地球をおおいつくしている。
    豊かさという幻想。どこに向かっているか最終的にはどうしたいのか豊かという言葉だけに向かって。


    考えさせられる内容と人の心理状態や観察眼が詳細に書いてあり500ページ全てが1日の出来事。会話で成り立っているのを感じさせない転回で惹きつけられる内容だった。
    人の頭の中を覗くのが好きなのでこの消滅は読み応えがあった。

  • 一気に読んだ。恩田陸さんの本はやっぱりおもしろいなぁ。
    2015年の本とは思えない内容。感染症のところとか。最後はちょっとものたりなさを感じたのはなぜだろう。

  • 面白かった!!

    密室での犯人探しと謎と脱出。好きな作品の漫画「11人いる!」やゲーム「善人シボウデス」を思い出してわくわくした。あと犬が可愛い。

    気になるところもあるけど読後、面白かった~!で終われるので気持ちいい。

全204件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

恩田陸の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×