マカン・マラン - 二十三時の夜食カフェ

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120047886

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  • 路地裏にある小さなお店「マカン・マラン」。
    インドネシア語で夜食という意味。
    そこに集う人々は‥

    古民家風の一軒家、昼間はダンスファッション専門店の「シャール」。
    夜は不定期に「マカン・マラン」となります。
    店主は派手な化粧をした大柄なドラァグクイーンのシャールさん。
    訪れた人の顔を見て、体調に合う食材を選び、身体を癒やしてくれます。
    鋭い指摘を含んだ言葉も、穏やかに添えて。

    身体に優しく、美味しそうな料理の数々にうっとりして、気分が良くなります。
    女装のシャールさんが、かっては男らしく見える優等生だったというのも不思議なような納得のいくような。
    しっかりした人柄が全体を通して感じられるのです。

    不定期なために、幻の人気店として強引に取材をしようとする記者も出たり。
    店が地上げ屋に追い出されそうになったり。
    思わぬ事件で周りは波立ちながらも、そこは暖かな灯台のような光を放っています。
    続編も読まなくちゃ☆

  • 文章や風景の切り取り方や描写がきれい。時代小説にぴったり合いそうな言葉の使いだと思った。古内さんが書いた時代小説読んでみたいです。


    マカン=食事
    マラン=夜
    インドネシア語で「夜食」の意 14ページ


    「春のキャセロール」「金のお米パン」「世界で一番女王なサラダ」「大晦日のアドベントスープ」の4連作。


    路地の奥にひそりと佇む23時開店の「マカン・マラン」。店主名はシャール。その人の体質を見極めて陰性の人には陽性の、陽性の人にはその逆の料理が提供される。体質を中庸に整える。

    ところどころ涙がじわーっと出てしまいそうになる、温かくて優しい言葉が散りばめられていて、真夜中布団の中で泣きそうになりながら読みました。

    「大晦日のアドベントスープ」…の、その後が知りたい。とても気になるー。お次は『快晴フライング』を借りよう♪

  • 商店街の路地裏の、中庭にハナミズキがある古民家は、昼間は派手な服飾店、夜は不定期に開く夜食カフェ「マカン・マラン」。
    ドラァグクィーンのオーナー、シャールさんの料理は滋味に溢れていて、この店にたどり着いた人の心と身体を癒していく。

    登場人物の中で身体にも心にも一番傷を負っているはずのシャールさんが、誰よりも穏やかで優しく毅然としていて、カフェにやってくる人たちに癒しを与えていることが、じわじわと心に沁みてくる。シャールさん料理は、食べる人のことを大事に考え、心をこめて作ったものだから、より一層おいしさが沁みわたるのだろうな。

    4つある話はどれも好きだけれど、特に第二話の「金のお米パン」が好きだった。
    シャールさんのキャラクターが魅力的で、他の登場人物の心情にも共感できるところが多々あって、どんどん本の中の世界に惹き込まれた。
    物語の続きをぜひ読みたい。シャールさんが元気に戻ってこられますように。

  • 久しぶりに読後に涙が。キャラが際立っているせいか、軽いタッチで書かれているように感じるけど、実はそうじゃなくてとても大切な事をシャールは言っている。お料理の描写も美味しそうだけどその上をいくシャールの言葉にいちいち頷かずにはいられませんでした。ジャダも困った所があるけど素敵な人。義理人情に厚くて応援したくなります。ジャダがメインの最後はずっと涙腺緩いままでした。マカン・マランのようなお店があれば救われる人も増えるはず。こんな作品があったなんて…出会えて感謝です。シャールは戻ってくるはず。続きが楽しみです。

  • この手のお話好きだなあ。
    宮下奈都さんのお話に出てくるハライとか。

    マカン・マラン、インドネシア語で夜食を表す。
    不定期に深夜営業をするお店。
    こんなお店が近くにあったら通い詰めちゃいますよね。
    出てくる人もどこにでもいるでも素敵な人たちで、お料理や飲み物もすごく気になる。
    実際にはどんな味なんだろう。
    自分でも作れたらなあ。

    装丁もすごく好き。

  • 真夜中にこっそりと営業する、
    夜食カフェのマカン・マラン。
    どこかで読んだことのあるような、
    ほっこり系おとぎ話かしらと
    先入観を満タンにしつつ読み始めました。

    世の中にはいつだって勝ち組と負け組、持てるものと待たざる者、マジョリティとマイノリティが存在していて
    その仕組みの中で自分の存在を見失わないよう、
    溺れないように必死で生きている人たちがいる。
    小説の中から、そんな人たちの辛さや必死に生きる姿が
    リアリティを持って伝わってくるためか
    マカラ・マランがおとぎ話みたいに
    疲れた人がそっと羽を休める
    止まり木のようなカフェであることが、
    読み終わった今もとてもとてもうれしい。

  • 商店街の路地裏の、ハナミズキの木のそばの小さな店は、昼間はド派手な服飾店、夜は優しい夜食カフェ。店主はピンクの髪の素敵なドラァグクィーン。今日も疲れた人々が、あたたかな一杯を求めてやってくる。

    よくある美味しい食べ物屋系の話かと思ったら、それだけじゃなかった。主人公たちと同じようにささくれだった心にシャールさんの言葉が沁みる。出てくる夜食もどれもこれも美味しそうだし、どの話も大きな動きはないけどひっそり優しくてよかった。シャールさんが無事に帰ってきた続編が読みたいな。

  • 図書館より。

    多分、ダ・ヴィンチのおすすめより。
    カフェとか食べ物屋さんの話は大好物なので、迷わず予約!間違ってなかったよ!
    心に刺さります。それでいてじんわりと沁みる。春のキャセロールに出てくる女性的の話なんて、世代的にドンピシャだからリアルに感じるし。身内に同様の疾患者がいるから、最後の話なんて読んでいて辛くなる。何でそんなに優しくなれるんだろう。
    シリーズ物なので、続きも読むぞ!

  • マカンマランという名の深夜営業カフェに集う人々を主役にした短編集。
    人生に迷った様子のお客さんにそっと提供する賄やお茶といったメニューがとてもシンプルであるが優しい味わいであることが伝わる。
    おススメです。

  • ドラァグクイーンのシャールさんが営む夜食カフェ。
    出てくる料理がどれも体に良くて美味しそう。
    会社や日常などさまざまな悩みを抱える人をさりげなく優しく包み込むシャールさん。
    解決するわけでも、はっきりとしたアドバイスをするわけではないけれど、シャールさんの一言がそっとその人の背中をおしてくれる。この部分が、読んでいる自分の背中をも押してくれているよう。
    シャールさんの抱えるものは誰が救いとってくれるのだろう…ということが頭をよぎる。でも、素敵な仲間に囲まれているシャールさんだから、きっと大丈夫
    こんな素敵なお店が身近にあったら、通ってしまいそう。

    読みやすいけれど、扱うお話は重いものも。身につまされる問題も。
    だからこそ、シャールさんの人柄が際立っているのかな。
    続きが楽しみ。

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