三人孫市

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 49
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120047893

作品紹介・あらすじ

信長を憤怒させ、秀吉が執拗に首を狙った伝説の武将。その正体は、鉄砲を手に戦乱を自在に駆け巡る戦国最強の三兄弟だった-!?

感想・レビュー・書評

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  • 雑賀孫市という人物は、高校時代に読んだ当時腐女子に大人気だった某小説で名前を知りましたが、しっかりとした知識を仕入れることもなく、当時読んだ小説の内容もあまり覚えてもなくて、ほぼほぼまっさらの状態で読みました。
    大名たちがしのぎを削る中、ちょっと油断したらたやすく取られてしまうほど小さな雑賀庄に鉄砲という”力”がもたらされるところから物語が始まる。その力を雑賀孫市の三人の息子たち、鈴木義方、重秀、重朝がそれぞれの持ち味でその力を駆使して雑賀孫市の名を高め、雑賀庄に攻めてくる敵をなぎ倒す。
    しかし、世情の流れや兄弟それぞれの思いのすれ違いから、三人は違う道を行く。
    身体は弱いが兵力全体を見て策を練るのが得意な長男の義方、腕っ節の強い次男重秀、天才的スナイパーの三男重朝、三人が仲良く協力しあって雑賀庄を守っていけばこんなに良いことは無いんだけれども、領内の内紛がいつしか兄弟をも引き裂いていくのが切ない。
    この作品は、『某には策があり申す』にも登場した藤堂与右衛門が登場する。『某には〜』の方にも雑賀孫市が登場するのだが、それがこの兄弟の誰なのか。最後まで読んで分かった気がする。

  • 三人孫市。歴史上謎の多い人物を三人に分けて表現している。長男義方は病弱だが戦術に長けた武将。次男重秀は豪快で豪傑な武将。三男重朝は寡黙だが兄弟で一番の鉄砲の腕前。一人の鉄砲鍛冶が雑賀の庄に迷い込んでから雑賀の鉄砲での傭兵集団が誕生する。雑賀の孫市は代々鈴木家の頭領が受け継いだ名前。父佐大夫は鈴木家の一人でも戦国を生き残り孫市の名前を引き継ぎ家名を残す事を第一と奔走する。

  • 雑賀の孫市、雑賀庄の勇者に与えられる称号。雑賀の孫市が有名になる事で雑賀は戦国の世で一目置かれる存在となった。
    雑賀を守り戦い続ける義方と重秀。一方、三男の重朝は戦場にて地獄をみながら、織田信長や秀吉の配下として、雑賀庄とも戦い続ける。

  • 織田、秀吉と相反しながら時に石山本願寺と共に戦い時に懐柔されながら厳しい時代を生き抜く紀伊雑賀庄。その棟梁として孫市の俗称で傭兵部隊を指揮した鈴木家の佐大夫には後継の3人の子(義方、重秀、重朝)がおりふとしたきっかけで刀月斉という爺さんの作る銃の腕を磨く。其々孫市の名を継ぎ其々想いで袂を別つ。銃の腕に長けた3男重朝が秀吉、藤堂与右衛門下で重秀、雑賀庄を攻め最後は佐大夫、義方諸共亡き事にする。

  • 2018.8.10完了
    読み易い。これに尽きる。
    大方の取り巻く内容を把握していれば、読むスピードに行き詰まることはないだろう。
    雑賀党を扱う内容として充分と思われる。
    兄義方の存在が面白い。信長の野望では出てこないが、そもそも雑賀党の家系図自体が謎なのでいいと思う。

  • なかなかよかった。
    やっぱこの時代は面白い。

  • 変な銃が3つ

  • 大変面白かった。^o^
    この一言では終わらないくらい良かった。
    雑賀孫一という名前で自分の中で描いていた人物とは全く違う孫一が出てきた。しかも三人Σ(・□・;)さらには兄弟ということ。その兄弟から鉄砲が雑賀を発展させていくという設定は面白い。長男義方・次男重秀・三男重朝それぞれ性格が出ていて立場がわかりやすい。長男重方は鉄砲は上手いが病弱である。しかし、軍略に長け采配もずば抜けている。少しではあるが天下人織田・羽柴を苦しめている。次男重秀は鉄砲は上手くないが猛将で信長を苦戦させている。雑賀の孫一の名を最も高めた男。三男重朝は兄達から見ても何を考えているかわからず不気味な感じだが読んでいく内にその考えがわかるような気がする。鉄砲の腕が雑賀一である。雑賀の孫一が三兄弟知らなかった。鈴木家の構成がよく分からなかったのもある。三人が三人共同じ女性を好きであるというのもなんだか切ない。藤堂高虎がこんな形で出てくるとは思わなかった。しかも好漢である。高虎らしくない高虎だけに新しい藤堂高虎を見れた。猛将である自分の性格を押さえ込みのし上がっていく為に知将として振る舞うのは面白い。この高虎が三人の兄弟を際立たせている。実に良い小説に出会うことが出来た。雑賀孫一に興味が沸く。

  • 紀州・雑賀の地に生まれた三兄弟は、それぞれの銃を与えられ、信長を震撼させる勢力に成長する! 今年度大注目の著者、初の本格歴史小説。

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著者プロフィール

1986年東京都生まれ。2012年『蒲生の記』で第18回歴史群像大賞優秀賞を受賞。2013年『洛中洛外画狂伝』でデビュー。2018年『おもちゃ絵芳藤』で第7回歴史時代作家クラブ賞作品賞を受賞。演劇の原案提供も手がけている。他の著書に『吉宗の星』『ええじゃないか』などがある。

「2023年 『どうした、家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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