蓮の数式

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 147
感想 : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120048111

感想・レビュー・書評

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  • こんなヒドイ夫や姑との生活によくも耐えたものだ。
    大体、夫婦のことにそれ以外の人が口出しすること自体おかしいと思う。姑が一緒でなければ、もっと早くにこのおかしな生活に気づけたのかも。
    逃げ出すことは正解だと思うけれど、その手段はちょっとね〜。それほど追い詰められていたということか。
    自分のことを受け入れてくれる人がいるということが心の支えになるのかもしれない。

  • 35歳の千穂は不妊治療を始めて10年。夫と義母から嫌味に耐え続けてきた。
    ある日、夫の運転する車が若い男性である透と事故を起こす。事故の処理を夫から押し付けられた千穂は、透の不可解な行動を見てディスカリキュリア(算数障害)なのではないかと気づく。 過去に、そろばん塾に通っていたディスカリキュリアの少女を助けられなかった経験があり、男を助けようと、個人的に算数、そろばんを教える。明るくなった千穂を見て、夫は嫉妬から異常な行動に出て千穂を追い詰める。これまで抑えてきた感情を一気に出してしまった千穂は義母を階段から突き落とし殺してしまう。そして家を出て、透と共に逃げる旅に出る。

    話を読み続けたが、なんだかスムーズに入り込めず。
    最後まで消化不良のまま終わった。

    この作家さん2冊目だけど、どうにも感情移入できない。
    残念。

  • 長い不妊治療と子なしをいたぶる姑、愛のない行為、抑圧された結婚生活。
    ディスカリキュア数字障害と無国籍、いじめと無関心。
    親切という名のお節介を通り越した善意の押し付け。
    親から必要とされていない寂しさをどこで解消するのか。
    肉体の距離感と精神のつながり。
    産めば満足?
    物凄く濃ゆい問題のカオスが最後は澄み渡った感じ。
    人間って難しいね。揺れ動く。人の気持ちは分からない。でも信じたい。守りたい。蓮の花をベースにする事でドロドロの内容が浄化されるイメージが持てているのか。

  • この売女め!…今時そんなこと言わへん言わへんなどと突っ込みどころ満載ながら不思議な魅力を醸し出すノスタルジックハードボイルド。
    そのままのノリで言えばどん底の不幸を背景にした愛と憎悪のコングロマリット、定番のDVやネグレクトだけでなく新手のディスカリキュアの合わせ技も忘れていない怒涛のエンタテインメントは新世界辺りのサービス定食なみの盛りの良さ。
    その心遣いは嬉しいのだが最近ちょっと食いきれへんのも事実、あれもこれもじゃなくて主人公にどっぷり入り込み陶酔できるような孤高の一品を期待したい遠田ファンでありました

  • このストーリーはなかなかキツい。世の中には普通では分からない病気がある。そういう知識がないと、その人を救おうと一生懸命になればなるほど話は複雑化する。却って追い詰めてしまい皆んなが不幸になるかもしれない。

  • 10年間不妊治療をしている主人公・安西千穂。高圧的な夫、口うるさい義母、精神的に追いつめられた千穂と高山透との運命の出逢い。透が送ってきた人生があまりに痛ましい。お互いを補い合える二人が出逢ったのはまさに運命。哀しい結末、ラスト、事件から二年後、恵梨の近況と心情が描かれているが、それより千穂の心情を知りたかった。

  • 蓮の数式
    遠田潤子さん。

    なんなんだー。
    と思いながら、
    どんどん読み進んでしまった。
    いろいろな事柄が、
    最後には、収まって終わった。
    登場人物の気持ちには、
    なれなかったけど。
    面白かった。

    #遠田潤子

    #ミニチュアダックスフンド#犬#犬バカ部#犬好き#犬部

  • 遠田さんの作品は初めて。どこまでも重いという噂通り、救いがほとんどない。殺人を犯した犯罪者の逃避行という点では「悪人(吉田修氏)」と通じるところもある。いろんな社会問題を織り交ぜていて、筆力はあると思うので、これから少しずつ読んでいきたいな。

  • 婚家で虐げられ孤立する女、周囲誰にも心を開かない男。
    2人は出会い、逃避行が始まる。
    終始重い。息苦しい。
    でも、読むのを止められない。
    憑かれた様に読み進む。
    読む前に心配した、〝盛り込みすぎ?〟と言う思いも杞憂に終わる。全てきちんと回収されていた。

  • デビュー作から注目していたものの、あまりの昏い破壊力に、自分の気力が負けそうで、気になりながらしばらく手に取っていなかった遠田潤子さん。
    が、近作で爽やかさをまとうようになったと知り、読んでいなかった過去作品を遡って読むことにした。

    撃沈…
    なんという絶望、悪意、閉塞感。
    善意の人の好意すら受け止めることのできない、大きな欠落を抱えた、傷つきすぎた心。
    それでも、泥の中から美しすぎる蓮の花が咲くように、そんな心にも、咲く花があるのだろうか。

    くらくらしながらも、ぐいぐい読まされてしまう力は、やっぱりすごい。
    読後しばらく、リハビリが必要になった。

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著者プロフィール

遠田潤子(とおだ・じゅんこ)
1966年大阪府生まれ。2009年『月桃夜』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。12年、『アンチェルの蝶』で大藪春彦賞候補、16年『雪の鉄樹』で本の雑誌増刊『おすすめ文庫王国2017』第1位、17年に『冬雷』で「本の雑誌 2017年上半期エンターテインメント・ベスト10」第2位、第1回未来屋小説大賞受賞。同17年『オブリヴィオン』で「本の雑誌 2017年度ノンジャンルのベスト10」第1位。2018年、『冬雷』で日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門候補、’20年『銀花の蔵』が直木賞の候補作に。人間の抱える理不尽に迫る、濃密な世界を描く。

「2022年 『人でなしの櫻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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