希望の日米同盟アジア太平洋の海上安全保障

制作 : 公益財団法人 世界平和研究所 
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120048296

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  •  日本の安保政策と日米同盟に2章、主として中国の海洋進出と日米同盟の関係に5章、その他の地域の国の海洋を中心とした安保政策に5章。刊行(2016年4月)時点で最新の事項を取り上げているが、それから一年経っていない読了時点でも米や比の新政権発足に伴い状況が変わっている。また一部論文では注釈なく断定調で書いているようにも見受けられるが、それでも、中国を中心としたこの地域の海洋安保の概略を俯瞰するにはよい。以下にも述べるように、多様な専門分野や背景を持つ各筆者が異なる視点を提供している。
     森論文では、米の政策関係者の対中観が次第に厳しくなっており、同盟国・提携国への「安心供与(reassurance)」に力点が置かれる可能性を指摘している。これ自体は同盟国たる日本にとり望ましいだろうが、更に米中間の戦略的競争が激しくなれば、その中で日本はどうするか。
     海自出身の二名、松崎・香田各論文では、軍事的な分析に重点を置きつつ、中国への対処における日米同盟の有効性を強調している。特に香田論文では、日本での論議が尖閣を中心とした島嶼防衛に集中し、より幅広い本土からの来援米軍の防護に言及されていない点を指摘している。
     対照的に川島論文では、まず中国の海洋進出は近現代を通じて、特に権力のすきまが生じた時(日本敗戦の1945年、ベトナムからの米軍敗退後の1974年、比からの米軍撤収後の1992年)に顕著であることを述べた後、陸地の国土と同じようにみなす「藍色国土」概念を説明している。

  • アジア太平洋の覇権確保に中国が急ぐ。起こりうる海洋秩序の紛争をわれわれはどう抑止すべきか。関係諸国の信頼醸成のために日米同盟の有用性、その深化が今こそ問われている。

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