少女は花の肌をむく

  • 中央公論新社
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本棚登録 : 156
レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120048586

感想・レビュー・書評

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  • 10歳かぁ、その歳の女子ならクラスで人気のあるグループにくっついて自分がはじかれたりしないようにするという智恵は働くよね〜。自分がどうしたいか、というよりは他人からどう評価されたいかということに重点が置かれている時期というか……。
    ということは、他人からの印象ばかりを気にする人は大人でない、考えが幼稚ということだろうか。

  • 私達は皆十一歳だったー。

    10歳の小学五年生。三人の少女はクラスメイトになった。
    ひとりぼっちを何より恐れ、自分のポジションを確保する為に必死な阿佐。
    愛憎入り混じる駆け引きを小学一年生から日常的にやってきた。
    容姿はスバ抜けて美しい野々花。
    やりたいと思う気持ちが抑えられなくて、やりたい気持ちを優先させた。
    友達の輪に加わろうともしなかった。
    オノマペト…日本語独特の言葉のはらはらやどきどきに頭が支配されちゃう咲。
    友達の輪から外されてる事すら気付いていなかった。

    20歳になった彼女達は、阿佐は大学でテニスサークルに励み、
    咲は短大を卒業後アパレルショップの店員に。
    野々花はNOKAとしてモデルになっていた。

    タイプの違う3人の少女の10歳と20歳を描いた二部構成がとっても面白かった。
    10歳でクラスメイトになった三人の少女が20歳で再会した。
    10歳の思春期ってこんなに痛々しいのかな。
    人と違うと生き辛い学生特有の空気が良く描かれていた。
    群れたがり、人の悪口を言って連帯を深める女性特有の嫌や部分も…。
    女の子のグループ意識・美醜の差・異性の視線…。
    心の情景の描写が繊細で読んでて苦しかった。
    10歳でこんなに汚い心を持っていなかったなぁ。
    どの登場人物にも自分を重ねられずに共感もできなかったけど、
    確かに10歳に戻って色んな事を思い出してた。
    ○○ちゃんは野々花の自由奔放さに似てたなぁなんて…。

    20歳になって、変わったところもあったり、変わらずに根付いてる所もあったり。
    あの少女がこんな風に成長したんだって驚きもありました。
    同じ様な事に心を砕いてたり、純真な心を少し失ってたり…。
    でもそれが大人になっていくって事なのかもね。
    まだ20歳、これからまだまだ変わっていくんだろうなぁ。
    決して小学生の時に仲良しだった訳じゃない三人が友情を育んでる姿微笑ましかったです。

  • の底に沈め、終わったことしていた過去の思いや経験が読みながら、ざわざわと蘇る。子どもの頃や思春期が綺麗で懐かしさに満ちた善きものなんて、嘘。実は生々しく、残酷で小さな社会だったと私の昔の断片を思い起こす。阿佐・野々花・咲3人の小学生のクラス替えの様子から物語は始まる。同調圧力、マウンティング、派閥作りが微細に描かれ、女子特有の面倒くささが充満。言葉にできない感覚を文字にできる作家さん。

  • おもしろかった。女子同士の関係があるあるだった。三者三様なのに、どの子にも共感できる不思議。

  • 少女達の彷徨を掬いとった傑作長編。

    三人の女の子を通して、思春期女子をリアルに描いた作品。
    十歳と二十歳、大きく分かれた二つの章によって描かれています。
    元・女の子としては身に覚えがあり胸が痛む内容です。あれもこれも、わかるなぁ。
    三人のうち二人は“普通じゃない”と言われてしまうタイプで、それがまた切ない。
    私も群れるのが苦手だったな…。大丈夫だよ、人それぞれでいいんだよと言ってあげたい。

  • 一人を恐れ陰口にも励む十歳の阿佐に共感出来ず、変わり者の二人の方が馴染んだ。後半はアパレルショップで働く咲と芸能活動を始めた野々花の個性が硬質な十歳時より浸透し柔らかく、不思議に友達になっている二十歳の三人が、大学でサークルに励む阿佐はやっぱりたまに苦手だけれど、パステルカラーのように心地好かった。

  • 少女のうすらどろどろした心情を書いたおはなし。

  • 女子。恋。小学生。大学生。仕事。モデル。
    十歳と二十歳の彼女たち。女子特有の世界。それぞれにコンプレックスを抱えてたり、抱えてなかったりだけど、十歳の彼女たちはみんな気高いな。三十歳、四十歳の彼女たちはまたどんな風なんだろう。

  • 10歳と20歳。
    10歳ごろの女の子の友達関係・・・難しいよね。
    自分はもうおばちゃんなので直接関係ないけれど、
    これから自分の子供が突入していくわけで、ちょっと考えると怖い。
    オノマトペの考察が面白かったな。めらめらとか。
    20歳の話は、だからどうした・・・って感じがしてしまった。

  • 女の子の人間関係のリアルがこれでもかって詰まってた。

    阿佐、野々花、咲。3人ともベクトルは違うけど、生きづらさを感じてる。
    それぞれがお互いを羨ましいと思ったり、なんか違うなーと思ったりしつつも小学校時代、そして20歳になっても、なんだかんだで付き合いが続いてる。


    女の子って不思議な生き物で、友だち関係の中でも優劣があったりマウンティングしたりもする。どんなに仲がよくてもまぁ色々あって、めんどくさいなーと思いながらも、阿佐みたいにそれとうまくつきあったり、野々花みたいに全く無視して自由に生きたり、そのなかにもなかなかは入れない咲みたいな子もいたり。。


    ほんと大変な生き物だなーと思うわ。


    朝比奈さんの描写は本当にうまくてあるなーと共感ばかりしてた。


    結末に至るまで、まぁいろんないざこざがあったけど、最後はなんだか爽やかで。
    そういうのも女子ならではだなーと。

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著者プロフィール

朝比奈あすか

一九七六年生まれ。二〇〇〇年、大伯母の戦争経験を記録したノンフィクション『光さす故郷へ』を発表。06年「憂鬱なハスビーン」で群像新人文学賞を受賞。著書に『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『天使はここに』『自画像』『人間タワー』『人生のピース』『君たちは今が世界』などがある。

「2019年 『さよなら獣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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